【飯田線各駅訪問】84 伊那市駅
上伊那地域の中心駅
ここは長野県上伊那地区の中核都市の名を冠する、「伊那市駅」だ。路線内には他に多くの「伊那◯◯駅」が存在するので、それらと区別するために「市」の字がついているのだろう。しかしそんな主要駅だとは思えないほどに、構内は簡素だ。他の駅よりも「格上」だと言えるのは跨線橋があることと2番ホームの待合室くらいで、あくまで余分な設備は持っていないように思える。
跨線橋に関しては窓の位置がとてつもなく高く、175cmほどある私の身長でもその窓から構内を見渡すことは不可能だった。せめてカメラで無理やり…と思って手を伸ばして撮ってみると、普通に構内が見渡せるではないか。なんでこんな変な跨線橋にしてしまったのだろう…と、しばらく考えてしまった。鉄道ファン泣かせである。
さて、この伊那市駅へは「上伊那北部駅訪問旅」の4駅目として、隣の伊那北駅から徒歩で訪れた。伊那市の市街地の雰囲気を感じながら駅にやってきたのだが、駅前に人が大勢いてなかなか駅舎の写真が撮れない。誰も駅前にいないタイミングで写真を撮れたが、見事に逆光になってしまい、加工せざるを得なくなってしまった。
当駅では30分ほど滞在する予定だったが、あまりにも早く着いてしまった。そのためとりあえず切符を購入し改札を抜け、乗る列車の到着する2番ホームでゆっくりすることにした。やがて、下り列車がやってきて、駅にいた多くの人が乗っていった。駅が静かになると、なんだかウトウトしてきてしまい、だだっ広い2番線の待合室で持ってきたパンを食べた。
ようやく列車が駅に入線してきて、私は次の訪問駅・大田切駅へ向けてその列車に乗り込んだ。しかし車内は通学生で混雑しており、一気に現実に引き戻されたような気がした。彼らが“一般的”な高校生活を楽しんでいる間 自分は駅訪問という“非日常”を味わっている…そんな優越感に浸りながら、列車に揺られていった。