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【飯田線各駅紹介】86 田畑駅

南箕輪村・田畑駅。なぜこのような場所に…と言いたくなるような立地に駅がある。
駅名は当初「たはた」と読んだが、後に現在の「田畑」に改称された。
駅のホームは弓なりに反っており、列車とホームの間に広く隙間が開く。

利便性を欠く“秘境駅”

 ここは、長野県内では唯一 人口の増加している村、南箕輪村にある「田畑」という駅。一般名詞的な駅名をしておきながらも実は「たはた」ではなく「たばた」と読むというのが、駅の個性の強さを感じさせている。背後は林、前方には天竜川の堤防があり、なんだか殺風景な雰囲気だが、言い換えれば自然豊かなところだろう。

 この駅への訪問は、伊那北高校への用事の際だ。このときは電車ではなく、親に車で飯田市から伊那市まで送ってもらった。しかし、来たのが早すぎてしまい、高校への集合時間までまだ十分に余裕があった。そこで、伊那北駅の隣駅である当駅に、ちゃっかり連れて行ってもらったのである。
 しかし、駅の場所は分かるもののホームへの入り方が分からない。地図アプリで調べてみたところ、なんと駅前を通る県道から1.3kmほど大きく大きく迂回しないと行けないではないか! 駅の付近には踏切も無く、到達するには駅入り口へ通じる細い生活道路を辿っていくしかないのである。
 こうしてようやく駅に辿り着いたわけだが、私のためにわざわざ寄り道してもらっているわけだから、長い時間をかけて観察することはできない。僅か5分ほどであったが、駅をいろいろみてまわった。ちょうどそこに313系の普通列車がやってきた。しかし、ホームが弓なりに反っているためにうまく撮影できない。線路の向こう側にある道路から撮影しようにも、そこへは1km以上迂回していかないといけない。なんなんだ、この駅は。
 結果的に上の写真でも分かる通り、ホーム上からの撮影しかできないまま、この駅を去ることとなってしまった。なんだか気持ちがすっきりしないまま駅を出発し、伊那北高校へ向かっていったのであった…。

 さて、訪問時にそんな印象を受けたことから、私はこの駅をめちゃくちゃ勝手だが「秘境駅」に認定してしまった。どう見ても駅周囲に人家があるのに、私の作成した「秘境駅ランキング2024」の下っ端にランクインしているのは、そのためである。秘境駅の第一人者・牛山氏のランキングの指標で言うなら、「外部到達難易度」だけならかなり高い部類だと思われる(笑)。この駅への外部到達は、いわゆる“初見殺し”だからだ。

 こんな駅が、伊那谷の将来を担う(?)南箕輪村にあるというのは、なんだか拍子抜けである。それでも村がより発展していけば、この駅も便利にされていくのだろう。「脱秘境駅化」できる日も、遠くはないかもしれない…。そんなことを考えながら、今度こそたっぷり時間をとってこの駅を訪問したいと考えている私であった。

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