MMP #2(中編)|目には見えない「死にたみ」を見つめてみる
いつかまた同じ場所に集まることができるようになったときのための「下ごしらえ」をしていく企画、「MONTHLY MAKING PREPARATIONS」。
第二回は、実際に『器』の台本を読むところからスタートし、俳優/スタッフ/観客の垣根を超え、これからこの作品を通して「考えてみたいこと」や「話してみたいこと」を洗い出してみました。フィクションとノンフィクションの間を行き来しながら、「死にたみ」にじっくり向き合っています。
※ この座談会は、2020年6月4日に、オンライン通話にて行われました。
※ この記事は、(中編)です。
「MONTHLY MAKING PREPARATIONS」に関連する記事の売上やサポート(投げ銭)は、今年10月に予定している『器』の公演資金として、大切に使わせていただきます。
▼ 参加者
いいへんじ
中島梓織
松浦みる
飯尾朋花
小澤南穂子
いいへんじのおとなりさん
水谷八也(早稲田大学文学学術院教授)
清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)
出演者
西野茜
箕西祥樹(劇団木霊)
スタッフ
鈴木南音(ぺぺぺの会)
大嵜逸生
▼ 全体の目次
この記事は(中編)です。
(前編)
① 今月も、MMP、はじまります!
② 「死にたみ」誕生の場面を読んでみる!
③ 感想タイム(読んでみてどうだった?)
④ 感想タイム(聞いてみてどうだった?)
(中編)
⑩ 論点1:「死にたみ」に名前をつけること
⑪ 擬人化の可能性あれこれ
⑫ 論点2:「死にたみ」と人間の関係
⑬ やつらはどんなときにやってくる?
(後編)
⑭ 論点3:「死にたみ」の存在意義
⑮ 「自分」でもあり「人間」でもあり「ボス」でもある?
⑯ みんなで向き合うとたのしい!
⑰ 社会と個人も、生と死も、表裏一体
論点1:「死にたみ」に名前をつけること
中島
では、再開させていただきたいと思います。みなさん、いろんなご意見、ありがとうございました。みなさんのご意見をもとにして、ここからまたいろんな話ができそうだなと思ったので、まとめてみました。
中島
まず、たくさんの方からご指摘があった、「死にたみ」の名前についてですね。で、実は、水谷先生、正解で(笑)
水谷
(笑)
中島
「メラン」は、" 憂鬱 " の、" Melancholie " から来ています。で、あと二つ、何か語呂のいい言葉ないかな、って考えてて、ドイツ語で、" 病気 " のことを " Krank " って言うんですけど、そこから来たのが「クラン」です。あと、これもドイツ語で、" 闇 " のことを " Dunkel " って言うんですけど、そこから来たのが「ドンク」です。三文字くらいで、ポンポンポンって呼べるやつがいいかなって思って、「メラン」、「クラン」、「ドンク」、になりました。
正直、あんまり意味はないですね。意味はない、っていうか、なんていうんだろ、親が子に名前をつけるときみたいに、何か願いを込めてつけた、というわけでは、あんまりなくて(笑) でも、そもそも、なんで名前があるんだろうっていう、ところですよね。
わたしたちが、いま「死にたみ」って呼んでるものって、「死にたいな〜」って思うことそのものでもあるし、「死にたいな〜」って思わせる要因でもあると思うんですね。いま、そういう、抽象的な概念みたいなものを、擬人化しようとしてるんですけど、そもそも、擬人化することはできるのか、とか。どうやってやるのか、とか。そういうことについて、ちょっと聞いてみたいんですよね。擬人化することとか、名前をつけることとか、名前を呼ぶことで区別することとか。そういうことに関して、何か、考えてることや感じてることがある方、いらっしゃいますかね?
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