ショーツかパンツかパンティか
ちょっと乗っけから失礼して……
なんとなく察していただけているな、というのが肌感であるのですが、私は女性用下着が好きです。見るのも描くのも好きで、かわいいな、素敵だな、と思うデザインを見たり思いついたりすると、特に性的な意図はなくお絵描きに落とし込んだりしています。
最近だと⬇️
私自身がどういった下着をつけているのかを明らかにする必要はないので特にそこは深掘りしませんが、心身の性別上必要に応じた下着をつけています。めんどくせえのでシンプルに申し直しますと、かわいいパンツとブラジャーをつけています。ブラジャーからの解放運動という動きもありますが、個人的には着けたいので着けています。テンションが上がるし、体が楽だし、おっぱいほっぽり出して電車に乗るわけにはまいりません。
はい、ここで本記事の本題。
今、私は『パンツ』と申しました。
この場合の『パンツ』とはブラジャーではない女性用下着を示します。おしりやおなか、性器等をカバーするための肌着ですね。
なんと呼びます?
あるいは、どういった単語で表現されるでしょうか。
表現しようとすればいくらでもありますから、混乱を防ぐため、今回は比較的呼称されている3種類に絞った上で進めます。
すなわち、
⚪︎ パンツ
⚪︎ ショーツ
⚪︎ パンティ
の3択の場合、それぞれの呼び方や印象はどうであろうかという考えごとです。大丈夫、ちょっとここ最近忙しいことは確かですが正気を保った上で大真面目に考えています。
パンツ
国内では最も用いられている呼び方ではないでしょうか。十分信頼に足る統計の取り方ではないので雑誌名は控えますが、N数を4789(推定として全員身体特徴上女性)とした某女性誌の下着の呼び方特集においては圧倒的な支持を得ており、実に69%(3329名)が『パンツ』に投票するという結果もあります。
これを根拠にするわけにはいかないので断言はしませんが、個人的な感覚とは一致しています。
『まあそうよね、パンツだよね』という感じ。
『パンツ』だと、実生活内で大変用いやすく、多くの人が想像しやすく、ニュートラルで年齢を問わず男女共に同じ目的のものを示すことができます。
カジュアルでよい。
汎用性も高い。
『あんたパンツ見えよんよ』とか『わしのパンツ穴空きよるわ』とか『見てやこのパンツさらピンやで』とかですね。
性的な意味を持たせることも、全く持たせないことも出来ます。
私はしばしば性的な創作話を書きますが、特に年上の男性から女性に対して『まあパンツでも履けよ、もったいねえ』といったようなセリフを出すのが好きです。
単に性癖の話ですが、なんだか、良くないですか? 男の人がカジュアルに、女性に『まあジュースでも飲みなよ』くらいの気楽さで『まあパンツでも履きなよ』と言うの。余裕がある感じで、且つ相手の女性を大事にしてる感じもあって。
それで多分相手の女性も、その男性のことを信頼してスッポンポンでいるのかもしれないし。見兼ねて『まあパンツでも履けよ、ケツ冷えると風邪引くよ』って言われてるのかもしれないし。それで多分私もスッポンポンの女性を見たら『まあパンツでも履いてください、どうしました。』くらいはまず言うだろうし。
ちょっと脱線しましたが、最も親しみやすいワードではないでしょうか。
ショーツ
こちらは、前述の統計に於いては第2位。割合的には25%ですから、まあまあの支持率です。
やっぱり私自身の感覚とも一致していて、『ショーツ』には後述の『パンティ』と同じく『女性性』が付与されているようにも感じます。もちろん前向きな意味です。
先の『パンツ』は男女ともに同様の目的の下着を示しますが、『ショーツ』となると、女性用で、且つ、ちょっとおしゃれな感じも醸されます。大変良いですね。
言語的に『P』より『S』の響きの方が、よりクールだったり爽やかに聞こえたりする、という部分もあるかとは思います。
加えて『サニタリーショーツ』というワードが連想されやすいこともあり、『女性性』が先行するのではないでしょうか。
場面限定的に呼ばれるケースが想定されるため、25%の支持になったのかもしれません。
ざっくり言うと『ショーツって言う男の人あんまりいなくね?』つまり『基本的に女の人同士が使うワードじゃね?』、さらに言えば『性的な意味を持たせにくく、オフィシャル向けじゃね?』的な感覚を抱きます。どれもこれも数字を出しているわけではないので感覚の話ばかりになり恐縮ですが、そんな感じです。
今回の候補の中にはありませんが、『ショーツ』には『お下着』くらいの丁寧さが含まれ、女の人を大切に、女の人の体を大切に、という響きも感じます。
なので、私は小説の中の地の文では『パンツ』ではなく『ショーツ』や『下着』と書きます。
あくまで個人の感覚にすぎないので悪しからず。
パンティ
さて割合で言えば5%のこの『パンティ』。
どうでしょう。
5%。
どうでしょうか。
ともかくワードの説明としては、はっきりと明確に『女性用の』下着となっております。
pants だけでは男性用下着を示す場合もあるため、より女性用であることを強調するために『y』をつけて可愛らしい意味を持たせ『パンティ』になったとのこと。
ふんふん。
でも、なんとなーく、こう、この表現が正しいかどうかはさておき、『昭和ロマンポルノ』的雰囲気を感じませんか。私だけ?
どうにも、ちょっと、いやらしい視線で見られているような、個人的に良い印象はありません。
この『パンティ』に対する印象については過去の女性たちも似通っていたようで、1990年代ごろから『ショーツと呼びましょう』運動が各メーカーから発信され、徐々に『パンティ』は姿を消し、ショーツやパンツが定着したとのこと。
まあ納得ではある。
パンティというワード自体に良い悪いはなくても、やはり音の響きなのか、他に呼び方があるなら避けたいな、と思ってしまう。
更に、これは本当の本当に個人的感覚で客観性に欠け、大変申し訳ないのですが、この『パンティ』というのは、昭和世代の『男性が』、『エロ小説に』用いるイメージがめちゃくちゃある。
良い悪いではないです、もちろん。
いいんです、パンティはパンティなんですから。
ただ官能小説で『パンティ』と見ると、『平成後半や令和の感覚ではない』とは思います。
例文として、『紫色の卑猥なブラとパンティ』とか、『清純派の真っ白なパンティにどうやらこうやら』とか。
ど、どう?
すみません。あまり客観性に欠ける視点で良い悪いを語りたくないのですが、個人的に、超個人的に『パンティ?!すげえ!うわ!昭和ロマンポルノだ!!』と受け取ってしまって、エッチな話どころの騒ぎではなくなってしまうのです。
昭和ロマンポルノとは言いますが、響きだけで物を言っているため昭和ロマンポルノが一体どういうものなのかもよく分かっていません。エッチな映画のことを指すのでしょうか。
ともあれ、パンティ。
私的には納得の5%ではありました。
結局のところ女性用下着というのは
女性のためのものですから、どんなデザインだろうとどんな呼び方だろうと、そっとしておいて欲しいというのが本音ではあります。
私がいつも描くのは、極めてフェミニンなデザインで、かつ女性たちは夢のようなプロポーションをしています。これはただ単純に私の趣味で、可愛い下着をつけるべきだとか、女性の体型はこうあるべきだとか、そういう思想ではありません。自分の心地よいものを、良いように身につけたり、あるいはつけなかったり、好きで良いのです。
まあ、ここまで私の記事やミズノ節にお付き合いくださっている方は『うんうん、分かってるよ』としてくれるだろうな、とも信じています。
それから、ちょっと脱線しますが、今まで出会った『イイ男』たちには共通点がありました。
みんな『かわいいねえ〜このパンツ、よく似合ってる』とまず褒めてくれた。褒められて悪い気はしません。遊び慣れている人々だからかとも思っていましたが、夫も『似合うね〜、刺繍が細かいね!』と褒めてくれる。しまむらで3組980円の、洗濯を繰り返して雑巾なのかパンツなのか判然としない布切れになったものについても『履きやすそうになったじゃん』と言ってくれる。(そして『パンツ買いなよ』とお小遣いをくれる。すまねえ。)
褒められたら『ふふん』といった得意な気持ちになって、まああの人が好きそうなパンツでも履いてやるか、とサービス精神もちょっとうまれたりする。
逆にスットコドッコイたちは『白がいい』やら『エロいのつけて』やら、指定をしてくる。思春期の子に対して『そんないやらしいのつけて』などと宣うアホもいる。うるせえ黙れ。よく考えてからしゃべれボケ。
女性の下着は女性の自由の象徴だと個人的に思っていますから、そこを指定したり、奪ったり、貶めたりする人間は性別問わずロクでもないんじゃないか、と考えている節があります。
私のアカウントは原則R30ですから、あんまり若いお嬢さんたちには見て欲しくない部分がありますが、もし見ちゃっていたなら、パートナーが『下着にどういうコメントを寄越してくるか』には注意してみてもいいかもしれません。それが全てではありませんが、どこかのタイミングで、何かの手掛かりになる可能性はあります。
それから、せっかくですから、私の恩師の言葉をここに残しておきましょう。同じ研究室出身の奴が見てたら完全に特定されるであろう言葉ですから笑ってしまいますが、まあ良しとして。
彼は、ほぼ男ばかりの研究室の飲み会で、男子たちを集めて言いました。女子は気にせず(先生のお金で)おなかいっぱい飲み食いしていました。
『良いか、心して聞けよ』
重々しい空気でした。お説教かな、と思わせるくらいの。なんだろーね、と唐揚げを食べビールを飲みながら、女子たちは眺めていました。
『お前らのような性欲おばけを喜ばせようとして、可愛いパンツを履いてくれる、優しい女がいるだろ。お前ら、オッパイもケツも大好きだろ、ヤリまくりだろ。女が好きだろう、じゃあ大事にしろ。』
ほぼ全員彼女いませんよ!と元気いっぱい指摘しようとした女の子の友だちを黙らせて、遠巻きに続きを待ちました。恩師はまた『いいか』と前置きをして言いました。
『いいか。スケスケのパンツを履いてくれる、優しい女がいなくなったら、人類はな、滅ぶんだ。』
もったいぶって何を言うかと思えば、大学で教授になったってこれかい、バカがなんか言ってらあ、今度パンツかぶってやろうよ、と、また(先生のお金で)リキュールや焼き鳥丼などを頼み始める女子ほんの数人と、重々しく頷く男子たちのコントラストを、平和な気持ちで思い出すことがあります。
でも、それで確かに、時は経って、好きな人を喜ばせようと思って、たまにはスケスケのパンツでも履いてやるかと思う『優しい女』に私もなったので、仰っていたことはまあ間違っていないのかなと思っています。
スケスケのパンツを履いたなら、きっと夫は喜んで、褒めてもくれるでしょうが、多分『おなかが冷えるよ、まあ普通のパンツでもお履きよ』とも言うでしょうけれども。
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