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「第77期本因坊戦第2局初日のちょっとした感想」

こんにちは。

IGOcompany-Uです。

noteを書き始めて、もう少しで4ヶ月目に入ろうとしています。

とりあえずは、100日連続投稿と10000人ビューを目指してコツコツ書いていこうかなと思っています。

もうちょっとで、どちらも達成できそうです!

で、

今日は、

「第77期本因坊戦第2局初日のちょっとした感想」ってnoteを書こうかと。

埼玉県熊谷市の「熊谷ラグビー場」で行われた事も注目された一局ですね。

最初の1時間くらいは、パラソルでも立ててグランドの真ん中で対局したら面白いんじゃないかなと思ったりもしました。

前に棋譜解説のnoteを書いたのが、

「本因坊予選A(仲邑菫二段対河野臨九段)のちょとした棋譜解説」

だったので、対局を題材にするのは二週間ちょっとぶりですね。

まあ、こういう考え方もあるんだなと思って、

あくまでも一意見として読んでいただければ幸いです。

こちらが初日の総譜、

黒77手までになります。

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黒が一力遼棋聖、白が本因坊文裕です。

(本因坊になると「号」がつけられるので井山先生は文裕と表記されます)

ぱっと見ると、上辺の白の死活が気になりますね。

それでは、ここに至るまでの棋譜を見ていきましょう。

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序盤はお互いカカリ、黒11のダイレクト三々と足早な展開です。

右上隅で、ツケヒキ定石が始まったので、

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ここで定石通り黒1と打つ展開になるかと思いきや、

白2のオシ上げが嫌だったんでしょうね。

黒の一力先生は21と上辺をけん制しにいきました。

ちなみに、小目に一間高ガカリを打たれた時は、だいたいツケヒキ定石を選べば間違いはないと思います。

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黒はツケヒキ定石の途中で、手を抜いているワケですから、

白も当然白22とツケて手抜きをとがめにいきたいトコロです。

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ひと昔前なら、白1のツケから白3を決めて白5とノビ、黒を隅に押し込めて、白は中央が厚くなり満足って思っていたと思いますが、

今の碁って、この白の形に不満のようなんですね。

僕はこの形で十分なように思うんですけど、このような展開は、ほとんど見られなくなりました。

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白24と二段にハネていくのが現代の碁の厳しさです。

難しくなるので、級位者にはあまりオススメできない形かもしれません。

ちなみに、

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黒2と切ってポン抜きすればいいじゃないかと思う方もいらっしゃると思いますが、白5からの隅が取られてしまうので、これは流石に白が大きいでしょう。

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黒33までAIで検討した通りの進行になってます。

白32に対して黒がAとツナギを打つのは形が悪いです。

黒33とノビがくると上辺の白の石が弱いので、白34のヒラキを忘れてはいけないところ。

ふと白34は、いざとなれば三子を捨てればいいので一路左が良いんじゃないかと思いましたが(黒Bの打ち込みもありますし)、

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黒からのツケ切りがピッタリで、白が分断されて悪そうですね。

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白36のコスミツケが、いわゆる「キカシ」。

何気ない一手かもしれませんが、

序盤の差し手争いと言える場面かもしれません。

黒がAやBと受ければ、普通ですが(僕だったら何も考えずに受けてそうです)、

黒は後手になるのでので「利かされ(ちょっと悔しい)」と言えます。

僕は黒Cと打てば白が受けて先手を取れるんじゃないかと思いましたが、

それに対して白はBとハネだしが有力なようでした。

というワケで、

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黒は利いてられないよと黒37と打ち込みました!

白38も結構大きいハネになりますね。

部分的な損得はわかりませんが、黒は積極的に仕掛けて主導権を握ろうとしている印象です。

黒39のノゾキから右辺の白をニラミつつ、上辺の白に対する攻めも狙っています。

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白44のハネに対して、黒45なんて石の形だなぁと感心したところです。

筋が良すぎますね。

ちなみに、こういう時ってアタリを打たないのが、ちょっとしたコツです。

あまり好きな格言じゃないですが「アタリ、アタリはヘボ碁の見本」って言葉もあったりします(笑。

白は切ってもうまくいかないのでじっとツナギ。

黒も同じくツナギで、白を右辺に押し込め形を整えます。

ちなみに、

ちょっと違和感があったのが、白48の手で、

白はAの噛み取りもあって生きてそうですから、白Bなどど上辺の石に一手かけておくのが良かったんじゃないかと思いました。

とはいえ、井山先生の打つ手ですからね(オソレオオイ)。

指導碁とかで同じ局面になったとしたら、教室の生徒さんには「弱い石には一手入れましょう」って伝えたいような場面ではあります。

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このあと黒57まで右辺の攻防も落ち着いて、

ここでどう打つかと思ったら…、

白は下辺、白58と頑張って打っています。

前述の通り、僕がとやかく言うことじゃないんですけど(高度な読みが入っているワケで)、そろそろ上辺の石に一手入れるのが良いんじゃないのかなと思ってしまいました。

白AやBのワタリを打ちたい!

とはいえ、

ここで頑張るからこそのタイトル戦ですよね。

教室の生徒さんに教える時は「マネしないで下さいね(稼ぎすぎないで下さいね)」と言いそうな一手です(笑。

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黒63に対して白64、これに対して黒65を省くと逆に黒が弱くなりそうです。

黒77までで封鎖気味の進行、

はたして上辺の白は大丈夫なのかなと思いつつ、初日は終了になりました。

ちなみに、二日目の初手、封じ手は「白A」です。

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仮にですが、部分的には白1などと打っても、上辺の白は二眼が出来ないかもしれません(僕の拙い読みですが)。

ここからどうなるかと思いつつ、さらに戦いが続き、最終的には右下隅で攻め合いになり222手で白中押勝ちとなりました。

黒の攻めを、白が上手く対応しながら進んでいったような印象ですね。

AIの評価値は黒の一力先生有利の局面が続いていたようですが、

2日目の夕方に、白の井山先生がコウ絡みのシノギ勝負に持ち込み逆転した対局になります。

以上が、

「第77期本因坊戦第2局初日のちょっとした感想」

でした。

youtubeなどに総譜もあると思いますので、良かったら見てみて下さい。

ツラツラと拙い解説だったとは思いますが、

少しでも参考になったら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!




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