【囲碁】役に立つ棋譜解説 スソガカリについて 20230511
こんにちは。 IGOcompany【U】です。
囲碁をビジネスに起業して「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えて、ご飯を食べてます。
今年の4月からは「新百合ヶ丘囲碁学園」の学園長を任されました。
昨日のnoteで、
「宇佐美囲碁教室」の木曜日の教室や交流会について紹介してみましたが、
本日は、
先週の棋譜解説に引き続き、
2023年5月11日の木曜教室・交流会で、講義した内容を(軽く)noteにまとめてみたいと思います。
僕の書いたnoteを読めば、(少しは)「囲碁の棋力向上に役立つ」と思われるよう定期的に書いていきたいと思います。ちょっとでも参考になると嬉しいです。
また、有料noteにも挑戦するつもりなので、応援宜しくお願いします。
それでは行ってみましょう!!
【囲碁】役に立つ棋譜解説 スソガカリについて 20230511
今日のテーマはスソガカリについて。
使用した教材は、こちらです。
参考図①で取り上げている「ツケ二段の定石」については、有料記事で1万字以上かけて取り扱っているので、今回は参考図②のスソガカリを中心について書いてみます。
【まずは教材に使用した総譜 1~88手まで】
生徒さんとの指導碁の棋譜から教材にしました。
三子局の指導碁で、僕の白番です。
ちなみに、このnoteに書く場合は、(とりあえず)指導碁か、部分的な定石についてなどを取り扱おうかなぁと思ってます。
前はタイトル戦の棋譜解説をしてみたりもしたんですが(個人のnoteで序盤を触れる分には問題ないだろうと思ってたんですが)、最近Twitterで棋譜の著作権云々があるのでちょっと気を使おうかなと。。。
実は日本棋院から、またライターのお仕事を来そうなので、まあ、角が立たないようにしようかと思いまして(笑。
Twitterもそうですけど、出来るだけ穏便に、和をもって尊ぶように生きたいですよね。
閑話休題(話を戻すの意)。
【左上隅、ツケ二段の定石】
実戦、白はBのオシを選択、黒はノビが自然ですが、やや利かされと言われることもあります。木曜教室の講義では、ハネた場合の難しい変化、また手抜きをした場合なども解説しました。
ちなみに、この形に関しては、ちょっと手前味噌と言いますか、宣伝ですが、僕の有料noteで説明していますので、宜しければご購入下さい(めっちゃ喜びます)。
【三々定石後の黒28のオシについて】
白17のカカリに黒18のハサミ、白19と三々に入り「三々定石」の変化になりました。最近は、黒26のツギで白17の一路右に打つ場合もあります。
それから、実戦、黒28のオシは決めない方が良いと言われています。
黒から28とオシを打つ代わりに、Aのツメも考えられるので、どちらを打つかの選択肢を残しておいた方が良いみたいな考え方です。
囲碁は美味しいものは後で食べると言いますか、色々な可能性を残しておいた方が「上手い打ち方(高級)」みたいな感覚があります。
もし黒28を打つのなら、続けて押して右辺の模様で勝負するという一貫性を持つ必要があるでしょう。
【今日のテーマ図、白31のスソガカリ】
さあ、白31のスソガカリが今日のテーマ図です。
これに対して黒はどう打つべきなのかを解説していきます。
【堂々とカカリもあるが…】
ちなみに、もちろん、白1のカカリも有力手のひとつです。
ただし、黒2のコスミツケから白の石が攻められる覚悟を持たないといけません。
白の石が攻められるのが嫌だなと思うのでしたら、「頭を下げて」、スソガカリを使います。相手に対して軽く消させてください、みたいな気持ちの時にスソガカリは有用です。
これに対して、黒の応手は二つです。
【黒は中央を大切にするか、隅を大切にするかの二択】
黒の応手は、中央を大切にするAのケイマか、隅を大切にするBのツケが考えられます。
もちろん、コスミツケなどもありますし、他の応手もあるのですが、
今日は、簡明なこの二つを紹介します。
【Aのケイマで中央を大切にした場合】
黒1のケイマで打てば、白7まで白は三々に入り隅で落ち着きます。
黒8の位置は、僕が示した一例ですが、黒はこのように中央を大切にして打つことになるでしょう。
三子局なので、黒は不満のない進行です。
互先の場合は、(AIなどで検討すると)白に隅を取られて、黒がアマイと考えられる時もあります。
なので、
【Bのツケで隅をしっかり取るのが部分的にはオススメです】
隅を大切にする場合は黒2のツケが定石。
白5のヒラキが三間に打たれる時もありますが、白がスソからかかった石がヒラキを打って落ち着くことができたので、これくらいで白は十分です(黒も隅を確保できるので満足)。
【ワリコミに対する黒の打ち方も勉強しましょう】
黒2のツケに対して、白はワリコミで打つ場合があります。
上の図のように黒3と隅から受けてくれる場合は、単にノビた場合よりも(黒地は減っていますし、白は強くなっているので)白は得をしています。
いつでも、こうなるなら白は常にワリコミで打ちたい所ですが。。。
【黒からの反発まで覚えられれば高段者】
黒4と外からアテる定石もあります。白はポン抜きされるワケにはいかないので白5のノビ、ここから白は動き出しますが、実際は隅の白の石を捨てて、外側を厚くする変化になります。黒は、白11のハイに対して、黒12と隅をノビる手を忘れてはいけませんね(最近は白15でオシもありますが、昔ながらの定石形で示しています)。
ここまでの形は、黒が隅を取って、外側の白が厚くなった変化になりましたが、皆さんは、これは黒が良いと思いますか?白が良いと思いますか??
※ちょっと行間をあけてみます。
実は、この変化は黒良しです。隅の地が大きいと言われています。
白は外側が厚くなるので、その白の石が働けば良いんですが、左上からの黒△の切っ先がノビていますので、上辺は黒が強い。
白の厚みを働かすことが難しいのです。
なので、実戦で僕は相手が隅から受けてくれるとわかっているならワリコミを打つワケですが、相手がこの反発する定石を知っているのなら不利になってしまうので、ノビを選択して、スソガカリからのヒラキを選んだのです。
最後にもう一度棋譜を。
実際の木曜教室では、
右辺白37のカタツキから出来る形について
右下隅の白65のツギと黒66の次の有無
左下隅、先手を取る黒70のツギ
などについても解説したりしましたね。
最後にちょっと宣伝で、
木曜教室の体験は2,200円。1時間の講義の後に、僕らインストラクターの指導碁が受けられます(しかも、棋譜の添削付きです)。席料込みの値段です。永代塾囲碁サロンの席料が1,000円ですから、実質1,200円で講義と指導碁が受けられるということになります!
それでは、以上、簡単ではありましたが、
【囲碁】役に立つ棋譜解説 スソガカリについて 20230511
の棋譜解説でした。
前にも書きましたが、囲碁は覚えることが沢山あるので、コツコツと色んな知識のインプットが必要になります。ひとつのことを覚えて「これで強くなった」というのはほとんどなくて、総合力が問われる競技です。
なので、週に1回でも教室に通ったり、個人レッスンを受けたり、こうやってnoteを読んでみたりすることを習慣化することで、地層が重なって蓄積するように、ちょっとずつ囲碁の知識を増やしていって下さい。
週に1つでも新しいことを知れば、年に50個以上は新しい囲碁の知識が増えることになります。あとは楽しんで囲碁を打って頂ければ十分です。
それでは、
本日も、読んでいただき、ありがとうございました!!