田舎暮らしで困った時には、「区長」を頼れ!
紀伊水害時、川の横に建つ我が家は、
土地が流され、住めない状態になりました。
家は無事だったものの、建物から10センチのところまで
流された箇所があり、復旧工事が必要となりました。
しかし、こうした災害では、私有地を復旧させるのは
家の所有者であり、行政は何もしてくれません。
自分で業者を呼んで、頼むしかないのです。
そんなお金もない我が家は、
諦めるしかないのかと思っていました。
そこへ、我が家が所属する自治会の区長がやって来て、
役場に掛け合ってくれると言うのです。
有り難いことです。
しばらくして、仮復旧工事が始まりました。
家が落ちるかもしれない状態だったので、
とにかくそれを防ぐ工事を頼んでくれたのです。
本来、こんな工事も
家の所有者が自費でやらなければならないのです。
しかし、本格的な復旧工事をしてくれるかどうかは、
その時点では決まっていませんでした。
2ヵ月後、仮復旧工事が終わり、
取り敢えずは住めるようになりましたが、
そこから先が長かったのです。
本復旧が決定するまで、
1年以上待ったのではないでしょうか。
その間も区長は役場を訪れ、
「早くしてやってくれ」とお願いしてくれていました。
そのおかげで、本復旧工事が決まり、ひと安心です。
しかし、役場の動きは非常に公務員的。
「やってやるんだから、待ってろ!」という態度で、
ダラダラ、ウダウダと、
そこから1年2年が過ぎてしまいました。
住民の落ち着かない生活など、何とも思っていません。
復旧の終わったのが、
何年後だったのかも憶えていないほど、
長く掛かりました。
さらに、一応の工事が終わった頃、
ひとつの問題が起こりました。
私有地を行政が工事した場合などには、
費用の一部を住民が負担しなければならないのです。
「受益者負担」と言います。
今回の工事費用を規定の割合で計算すると、
負担額は30~50万円になる見通しでした。
これは、かなり厳しい額ですが、
住めるようになったのだから、仕方がありません。
と、ここでも区長の登場です。
地元建設業組合に掛け合って、
負担分をタダにしてくれるように、
お願いしてくれたのです。
工事を請け負った業者さんに泣いてもらう、
ということになったのです。
こんな有り難いことはありません。
そんなことまでしてもらえるとは、
思ってもみませんでした。
自治会に入っていて良かったと実感しました。
区長が私たちに対して気を配ってくれたのは、
それだけではありません。
台風で地元の施設に避難していた時には、
様子を見に来てくれたり、
食事の手配をしてくれたりしました。
いまだ人の繋がりが残っている、
田舎ならではのことだと思います。
自治会には、いろいろと面倒なこともありますが、
困った時には助けてくれる、有り難い存在です。