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【マーケ基礎】お客さまを酔わせる写真。
私の地元にある宿泊施設が、「秋の宿泊プラン」
の新聞折り込みチラシを入れていました。
地元に入れて、どうするのでしょう。
アピールするなら、宴会プランか食事プランなのに。
という話は別にして、
そのチラシに使われていた写真について、書きましょう。
料理の写真なのですが、これがヒドい。
古いデジカメで撮ったような画像の荒さ。
ピンボケ写真のようです。
よくもまあ、こんな写真を平気で使うものだ、
と呆れてしまいました。
これを見て、“美味しそうだ”と思う人はいません。
料理そのものがハッキリ見えないのですから。
それでもよ〜く見てみると、料理の内容は普通です。
いや、地元の食材「ほろほろ鳥」も使われているので、
悪くありません。
しかし、料理の盛りつけに工夫がありません。
もったいないことです。
普通の料理でも、
盛りつけが良ければ、“美味しそう”となります。
料理人は、絵や書などをたしなみ、
デザインセンスを学び、
見ためでもお客さまを楽しませるものです。
でも、ここの料理には、それがありません。
つまり、料理人のセンスです。
料理の見せ方とチラシに使う写真を変えるだけで、
それを見た人の反応は、まったく違ってきます。
たとえ地元の人でも、
“泊まってみようか”となるかもしれません。
それだけ、見ためは大切なのです。
「問題は味じゃないの?」
と言われる方もいるかもしれませんが、
チラシで味はわかりません。
想像もできません。
お客さまは、見ためで判断するのです。
旅行雑誌やパンフレットを見て、
あなたは何を基準に、旅館・ホテルを選びますか。
料理の写真、部屋の写真、温泉の写真ですよね。
あとは、料金次第。
やはり、写真でしか判断できないのです。
それを知っている旅館・ホテルは、
写真にお金をかけるのです。
プロに頼んでいるのです。
私が以前、企業情報誌の編集長をしていた時、
表紙に豆腐の写真を使おうとしたことがあります。
カメラマンに、
美味しそうに撮ってもらわないといけません。
しかし、できて来た写真を見ると、う〜む、使えない。
美しくない。
美味しそうじゃない。
私は、このカメラマンじゃ無理だと判断しました。
カメラマンの腕というより、
料理写真を撮るセンスの問題なのです。
他の写真は大丈夫でも、
料理に関してはセンスが無かっただけのことです。
特に、料理写真は難しいのです。
専門のカメラマンがいるくらいですから。
私は、そのカメラマンの上司に、
取り直しをお願いしましたが、まったく違う、
とても美味しそうな写真ができあがりました。
雑誌や情報誌を手に取ってもらうためには、
まずは表紙のデザインや見出しです。
もっとも重要なところです。
そこでは、写真が大切だということがわかりますよね。
だからと言って、個人商店がプロに頼むのは、
躊躇してしまいます。
お金の問題がありますから。
では、どうすれば?
センスはすぐには身につきませんし、
上手な写真を撮るのも難しいものです。
そこで、「センスをマネる」のです。
旅館・ホテルに限らず、
居酒屋、雑貨屋、レストラン、どこでも同じです。
雑誌・パンフレットなどで、
自分が興味を持ったお店の写真をじっくり見てください。
あなたは、その写真を見て
“よさそうだ“と判断しているはずです。
その興味を持った写真の撮り方をマネすれば良いのです。
シチュエーションや撮る角度、照明など、
すべてをマネしてみます。
必ず、これまでとは違った写真が撮れるはずです。
たとえば、居酒屋。
雑誌を見ていると、どこも同じような写真を使っていて、
“これだ!”というお店はありません。
それは、料理をアップにした写真ばかりだからです。
居酒屋を選ぶ基準は、
料理やお酒だと思っているから、こうなるのです。
もちろん、それもあるのですが、居酒屋で大切なのは、
「楽しくおしゃべりできる空間」なのです。
会社の同僚、友人、仲間が、
時にはワイワイ、時にはしっとりと
話をする場所が欲しいのです。
つまり、
その雰囲気のわかる写真が必要だということです。
ということは、雰囲気づくりも大切だということですが。
そんな写真を使っているお店に、
見る人は興味を示します。
「うちは、商品しか撮るものが無い」というお店なら、
その商品を買うことによって、
お客さまが得る生活をイメージさせる写真が良い、
ということになります。
そういう写真を見ることで、
お客さまは“この商品は私に必要なものだ”
と思うようになるのです。
その旅館に泊まる。
その商品を買う。
そうすることで、
お客さまはどんな満足を得ることができるのかを
写真に撮りましょう。
幸い、いまのデジカメは素人でもうまく撮れますから、
技術面では心配ありません。
スマホでも充分に使えます。
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