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【マーケ基礎】競合の新規出店対策は?

あなたは、
近くに競合が出店して来ることを知ったら、
どうしますか?

「相手の出方を見る」
「店舗を改装して、お客さまの目を惹く」
「同じ日に売り出しセールを実施する」

いろんなお店が、このような対処の仕方をしますが、
すべて間違いです。

「相手の出方を見る」というのは、
自分の実力が明らかに優位であることを確信している、
横綱相撲の取り口です。

受けて立つ、という自信があるのなら、
それでも構いませんが。

「店舗を改装する」は、根本的な解決にはなりません。
あくまで、中身が大切です。

商品・売り方をまず考え直すべきです。

それに、新規店舗の方がキレイで目立ちます。

「同じ日にセール」は、
小さなお店のやることではありません。

価格競争は、絶対に避けるべきです。
体力が持ちません。

では、どうすれば良いのでしょうか?

2つの方法をお教えしましょう。

その前に……

私の住む地域(田舎)には、
昔からやっている小さなスーパーがあります。

典型的な何でもスーパーです。

肉・魚・野菜の生鮮食料品、一般食品、
弁当・惣菜、酒、日用雑貨などです。

このスーパーが、ちょっと危ない状況です。

同じ地域に、全国規模の
ボランタリーチェーンが出店して来ました。

最近のドラッグストアです。

薬、化粧品、DIY用品、ペット用品、一般食品、
日用雑貨、衣料などを扱っています。

店舗面積は、およそ4〜5倍。

私は、興味本位で
小さなスーパーの様子を見ていました。

しかし、何も手を打とうとしません。
チラシひとつ打ちません。

昔からのお馴染みさんは見捨てない、
とでも思っているのでしょうか。

商品構成の違いは、
生鮮食料品と弁当・惣菜、酒だけです。

これだけでやっていけると踏んでいるのでしょうか。

おそらく「相手の出方を見る」ことのようです。

これで、結果はほぼ見えています。

潰れないまでも、パートを数人解雇して、
細々とやっていくことになるでしょう。

手が無いわけではありませんが。

私が「2つの方法がある」と言っているのは、
競合がオープンする前に打つ手立てのことです。

まずは、新規出店の出鼻をくじく方法です。

既存の商圏と既存客に対して、
大型のセールを実施します。

競合の開店までに、
めいっぱいお金を遣っていただくのです。

できる限りの大奉仕で、売り上げを確保するとともに、
競合が開店しても、お客さまがあまり商品を買わない、
買えない状況に持っていきます。

新規店ですから、お客さまは物珍しさで足を運びますが、
お金を遣ってしまっているので、
あまり買えないようになります。

もうひとつの方法は、「商品券のセール」です。

競合開店前に、
自店の商品券をディスカウントするのです。
つまり、安売り。

これは、売り上げの先取りです。

商品券を多く売っておけば、
競合開店後もお客さまは来てくれます。

私の町の小さなスーパーは、何もしませんでした。

潰れるかもしれません。

でも、新規店の甘さも少し見えます。

地元商店への気遣いなのか、
元々決まった商品構成だからなのかはわかりませんが、
なぜ、生鮮食料品、弁当・惣菜を扱わないのか。

確かに、手のかかる面倒な商品なのですが、
地域の人びとが一番買いに来るものです。

もっとも買う頻度の高い商品を扱わずに、
たまにしか買わない商品ばかりを揃えても、
人は来ません。

頻度の高い商品を買いに来るお客さまが、
他の商品も「ついで買い」するのです。
特に田舎では。

田舎は人口が少ないので、
すべての人に来ていただけるような
品揃えでなければ、生き残れません。

この新規店の甘さが、命取りになるかもしれません。

何も小さなスーパーを潰すつもりでやれ、
と言っているのではありません。

都会ではないので、
“みんなで繁盛”はあり得ないのです。

どちらのお店も、気を引き締めなければ、
消えてしまいます。

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佐藤きよあき
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