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ストア・コンセプトを創れ!
“ストア・コンセプト”を簡単に言うと、
「経営理念&店の方向性&枠組み」のことです。
“私は、こんな商品を、こんなお店で、こんな売り方で、
そして、お客さまにこんな役立ち方をしたい”
という基本的かつもっとも重要なポイントです。
お店づくりで、
一番時間をかけなければならないところです。
あなたのお店、創ろうとしているお店は、
このストア・コンセプトを
ハッキリと言うことができますか?
もし言えないようなら、すぐに考え直すことが必要です。
しかし、そのコンセプトがひとりよがりではいけません。
単に夢をカタチにしようとしても、
それは自己満足でしかなく、将来性はありません。
夢を具体化するには、裏づけが必要なのです。
では、裏づけとは何か。
それは、「市場環境を把握する」ということです。
自分の売りたい商品、売る場所、対象とする人、
生活水準、文化レベルにいたるまで、
お店を取り巻く環境を
きめ細かく把握しておくことが大切です。
商品が良いから、品揃えが良いから、
お洒落なお店だから……だけでは、売れません。
“売れる”には、そのバックボーンがあるのです。
それを知らなければ、繁盛はありません。
では、何をどう調べればいいのでしょう。
まずは、役所や商工会議所などの
公的機関の公開資料から情報を得る方法があります。
人口や世帯数、世代構成、車所有率、持ち家比率、
世帯年収、昼夜間人口などを調べることができます。
これは、国勢調査や家計調査月報、労働統計、
住民基本台帳という資料から読み取れます。
また、商業関連データとして、業種別店舗数、
売り場面積、売り上げ、商店街店舗数、
通行量、集客数、商圏なども、
商業統計表や事業所統計表から得ることができます。
これだけではありません。
自分の足で歩きまわり、
コンセプトのイメージを思い描くこともできます。
商圏となるであろう場所を、違う方向、違う時間、
違う曜日、違う季節に歩き、時には定点観測して、
人々の動向を探し出すのです。
さらに、地域の広報紙やミニコミ誌、
イベント情報などからも情報は収集できます。
これらの方法で細かなデータを集め、分析し、
仮説を立て、そして検証を繰り返して、
市場環境を掴んでおくのです。
とても面倒で、
個人が行うには時間がかかるかもしれませんが、
これをやるのとやらないのとでは、
コンセプトがまったく違ったものになります。
さて、市場環境が把握できたら、
具体的なストア・コンセプトを
定義する工程へと進みます。
お店というのは、
本来地域に密着した存在であるべきです。
地域の人々に喜んでいただき、
支持・応援されてこそ、繁盛することができるのです。
市場環境が把握できれば、
どうすれば人々のお役に立てるのかがわかります。
何度も書きますが、ストア・コンセプトとは、
●こんな商品を
●こんなお店で
●こんな売り方で
●お客さまにこんな役立ち方をしたい
ということを定義することです。
あなたのお店、
創ろうとするお店が置かれている環境を知ることで、
これらの項目をひとつひとつ
確実に埋めていくことができます。
ここで注意すべきことは、
最終的なストア・コンセプトの決定はひとつですが、
代替案もいくつか考えておく必要があるということです。
コンセプトが決まり始めると、人の気持ちというのは
無意識にそちらにのめり込んでいき、
冷静さを失うからです。
これはいい。絶対にこれだ。これしかない。
となってしまうのです。
決まってからも、あらゆる面から見直し、
その欠点を探すのです。
代替案には、その欠点を克服するための、
または別の手立てを入れておきます。
また、市場環境は著しく変化しますので、
その変化を先取りした案も必要になってくるでしょう。
この作業を終えてからも、
さらにじっくりと検討することが大切です。
つまり、仮説と検証の繰り返しなのです。
ただし、資料に振り回されることなく、
市場は創造するものであることも
頭に入れておいてください。
その可能性にかけることも、
コンセプトづくりの方向性でもありますから。
ストア・コンセプトを創るのは、
非常に難しく、手間と時間がかかります。
しかし、これができないことには何も決まりませんし、
何も進められません。
また、コンセプトがないまま事を進めてしまうと、
特長・個性のない、
イメージもバラバラなお店になってしまいます。
すると、お客さまも来てくれません。
お店を創るというのは、
そんなに甘いものではありません。
でも、きめ細かなところまで深く考えて行動すれば、
それほど難しいものでもありません。
さあ、ストア・コンセプトを考えましょう。
成功のための緻密な戦略を。
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