【マーケ基礎】一見客のリピーター。
あなたには、「行きつけのお店」がありますか?
“よぉ、元気?”“何かいいもの入ってる?”
“最近どう?”
などと声をかわす店主がいますか?
お店どうしのつき合いなら、店主仲間として、
そんな声も掛けるでしょうが、
そうじゃないお店ではどうでしょう。
「よく行くお店」は、何軒もあるはずです。
しかし、店主と親しく話をするお店は、
あまりないのではありませんか。
これが、一般のお客さまなら、なおさらのことです。
「よく行くお店」だけれど、話はしない。
というお店の方が多いはずです。
年配のお客さまは、比較的話を好む傾向にあり、
世間話をするために、お店を利用することはあります。
しかし、若いお客さまは、
そういった繋がりが“煩わしい”のです。
自由に商品を見るために、
声など掛けて欲しくないのです。
なのに、個人商店の店主は、どんなお客さまに対しても、
同じような接し方をしてしまいます。
“コミュニケーションが大切だ”という思い込みがあり、
つい声を掛けてしまうのです。
つまり、常連客と同じ接客です。
一見客に対して、常連客のような接し方をすると、
お客さまは引いてしまいます。
すると、早々にお店を出たいと感じ始めます。
このお客さまは、二度とお店に来ることはないでしょう。
お客さまを見て、接し方を変える必要があります。
何度か見たことのあるお客さまで、
ひと言、ふた言、話したことがあるお客さまなら、
様子を見ながら、少しずつ話をしていくようにします。
やがて、常連客となってきたら、
親しい友だち感覚のおつき合いもできるようになります。
しかし、一見客に対しては、ジロジロ見たりしないで、
自由に商品を見ていただく環境を作りましょう。
そっとしておくのです。
さて、問題はこの先です。
このお客さまが、何度も何度も来店したとします。
あなたは、常連客になってくれていると思いますか。
確かに、常連かもしれません。
でも、だからといって、
常連客向けの接客をしても良いでしょうか。
それは、お客さまをよ〜く見なければ、わかりません。
親しく話せる相手なのか。
これまで通り、そっとしておいた方がい良いのか。
難しいところです。
でも、若い世代のほとんどは、
“構って欲しくない”タイプです。
だから、スーパーやディスカウントショップ、コンビニに、
若い人たちが集まっているのです。
いろんなものを自由に見る楽しさがあるからです。
自分の時間を邪魔されたくないのです。
もし、あなたのお店が、
年配のお客さまばかりを相手にしていないのなら、
一見客が入りやすい環境づくりを考えてください。
また、一見客向けの接客に変えてください。
あなたとお客さまが、
特別な人間関係を結ばないようにすることが、
かえって一見客がお店に来る回数を増やすのです。
このようなお客さまが望んでいるのは、
何度来ても一見客でいられるお店です。
誤解されると困るのですが、
すべてに“知らんぷり”の接客をしろ、
と言っているわけではありません。
人間関係を望んでいるお客さまがいることも
忘れてはいけません。
その時は、常連客向けの接客で対応します。
「一見客のリピーター」を増やす。
これからの繁盛店が進むべき方向かもしれません。