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【マーケ基礎】演出で、お店・商品を輝かせる。
流行っているか、流行っていないかは、
そのお店を見ただけでもわかってしまうものです。
お客さまがいる、いないに関わらず、わかります。
流行っているお店は、輝いているのです。
一歩足を踏み入れると、
そこは、光や風、空気、温度が
感じられるような空間になっています。
ある場所には、スポットライトが当たり。
ある場所では、言葉が語りかけてくる。
温かい場所もある。
季節も感じられる。
少し抽象的で、恥ずかしいような言葉ですが、
これが「演出」なのです。
商品は、お店という舞台で演じる役者です。
その役者に演技をつけ、スポットライトを当て、
音楽で盛り上げるのが、
演出家である店主・販売員なのです。
その演出次第で、役者は見事に演じ、
大拍手をいただくのです。
言い古された言葉ですが、本当に大切なことなのです。
これを意識して、商売をするかどうかが、
お店づくりを左右するのです。
忘れないでください。
では、具体的な演出方法をご紹介しましょう。
●人は季節感に心を動かされる。
日本は四季がハッキリしていて、
その季節ごとに味わいがあり、
人の心の状態にも深く影響します。
春はウキウキとし、夏は開放的に、
秋はしっとりと、冬は穏やかになります。
もし、真冬のお店で、夏の演出をしていたら、
お客さまは違和感を覚え、居心地も悪くなります。
やはり、季節に合わせた、それなりの演出があるのです。
小さなお店では、一年中代わり映えしない商品や
陳列のところがありますが、
これでは、お客さまの心に響くことは何もありません。
ワクワクもウキウキもしないお店でお買い物をして、
楽しいでしょうか。
季節感の演出は、人の心を捉える基本です。
季節の草花を飾ってみたり、
タペストリーや小物で季節の色を出したりすることが、
とても大切なのです。
●色彩の対比で印象が際立つ。
真っ白な器を、白や淡い色のテーブルに置いては、
誰も見てくれません。
真っ赤、黒、濃紺のランチョンマットの
上に置くとどうでしょう。
目立つだけでなく、「白」をひと際美しく輝かせます。
あまり特長の無い器でさえ、
とても素敵でシンプルな器に見えます。
「特長が無い」と「シンプル」は、
同じようで、違うのです。
まったく同じ商品だったとしても、
お客さまの印象が違ってきます。
色彩の対比というのは、
それくらい重要な演出の要素なのです。
特に売りたい商品には、下にクロスを敷いたり、
後にカラースクリーンなどを置いて、
目立たせる工夫が大切です。
●POPで想いを伝える。
POP(販売時点広告)は、その名の通り、
商品を売る、まさにその時、
“これはいいですよ”とアピールするためのものです。
お客さまが商品を眺めている時に、
ひとつひとつ店員が説明すると、
お客さまは嫌がります。
ゆっくり見たいのです。
でも、お奨めしたい商品なら、
その想いを伝えたいですよね。
わかって欲しい。
その代わりをしてくれるのが、POPなのです。
できれば手書きで、想いを書き込みます。
書く内容は、機能・性能などの
ハード面のことではありません。
どこがお奨めなのか。
どこが良くて、仕入れたのか。
どこで仕入れたのか。
どんな風に使って欲しいのか。
など、お客さまの「心」に触れる
内容・言葉を書き込むのです。
すると、手に取っていただけるのです。
●店頭で足を止めていただく。
いくら人の通行量が多い立地にお店があったとしても、
お店に興味を持っていただかなければ、
足を止めて、入っていただけません。
「おっ、安い」「面白そう」
「美味しそう」「楽しそう」……
お客さまが想像を膨らませる仕掛けが必要なのです。
それは、ロゴ・マークや看板、暖簾かもしれませんし、
お店の外観かも。
食品サンプルの場合もありますし、
美味しそうな匂いも効果的です。
あまり特長が無いのなら、
通行客が思わず足を止めてしまうような、
低価格で魅力的な商品を
店頭のワゴンに陳列する方法もあります。
とにかく、足を止めていただく仕掛けを考えましょう。
「商品には自信があるんだ」なんていっても、
誰もお店には入って来ません。
お店の中のことは、知らないんですから。
●限定商品で期待感を演出する。
「限定商品」と聞くと、
お客さまは非常に興味を示します。
見たくなります。
見ると、欲しくなります。
もし、買えなければ、
次回の入荷がいつになるのかを知りたくなります。
もちろん、その期待に応えることができる、
本当に良い商品でなければいけませんが。
毎月、毎年、季節ごと、同じ時期に
「限定商品」が入荷するとなると、
お客さまは、こぞってお店にやって来ます。
いつでも手に入る商品では無いからです。
希少価値に、お客さまは満足するのです。
しばし、幸せな刻が過ごせます。
そこで、予約注文に応じると、
すぐに売り切れになります。
このように限定商品は、まったくロスの無い、
確実な売り上げを計上することができます。
ぜひ、探してみましょう。
人の心理、心に触れる演出は、
商品を、そしてお店を輝かせてくれるのです。
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