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シャッター通り商店街が、集客の前にやるべきこと。

寂れてしまった商店街。シャッター通り。かつての賑わいなど想像すらできないほど、人も歩いていない、淋しく暗い場所。

そんな商店街が、全国に5000カ所は存在する。さまざまな取り組みが行われているが、成功しているのはほんの数えるほど。

平成16年に山形県新庄市の新庄南本町商店街で始まった「100円商店街」も期待される方策のひとつ。

商店街の各店舗が、目玉となる100円商品を用意することで、商店街全体をひとつの100円ショップに見立てる。

これにより、新規客を開拓することができる上、各店舗が主役となって事業を行うことができる、と言われている。

テレビ・雑誌でも取り上げられているので、それをマネする商店街も出てきている。また、行政や商工会議所でも推奨している。


だが、マネしても旨くいかないケースの方が多い。

当然のことながら、商店街を構成する業種や立地、周辺環境が違えば、同じことが通用するとは限らない。

また、「100円セール」という表層部分だけをマネしている場合が多いので、失敗するのも当たり前。100円の時だけやって来るお客さまばかりで、単なるイベントとなっている。

100円はただのキッカケであることを認識し、本質的な改革を目指す必要がある。

なぜ、寂れてきたのかを考えなければいけない。

大型店に客を取られた。ショッピングセンターは楽しそうだ。もちろん、それもあるだろう。だが、根本としては商店街に魅力が無いからである。

大型店と同じモノを売っている。しかも、高い。これでは、誰もやって来ない。

さらに、店が潰れていき、シャッターばかりになっていては、雰囲気も暗く、楽しさを感じられない。

お店の人も、疲れているのかやる気がなく、居眠りまでしている。

すべてが悪循環で、もう潰れるしかない。


復活を遂げた商店街の人たちは、みんな明るい。

それは、復活したから明るいのではなく、みんながひとりひとりやる気を出し、明るく前向きに取り組んできたからこそ。

何をやっても旨くいかない商店街は、本気で取り組んではいない。どこかに諦めが見え、組合長におまかせ。

組合長がひとりで抱え込んで、どうにかなる問題でもない。やる気の残っている数人が集まったところで、知恵にも限界がある。

精神論になってしまうが、こうした商店街を復活させるには、商店主全員のやる気が求められる。かつて賑わいを作り出した経験を持つ数多くの頭脳が、もう一度汗をかけば、道は拓ける。


ただし、そこにはさらなる問題もある。

頭脳の数である。シャッターの閉まっている分、頭脳が足りない。空店舗ばかりでは、他のお店が頑張っても、人はやって来ない。

商店街すべての店舗をもう一度埋めなければならない。店舗が開いてこそ、賑わいが生まれる。

世の中には、店を持ちたいと願う人はたくさんいる。そんな人に無料で貸し出すくらいのことは必要だ。

金を掛けて、寂れた商店街に出店する勇気は持てないが、無料ならやってみたいと思う人はいるはず。とにかく店舗を埋めること。

「100円商店街」や「イベント」といった集客策を考えるのは、その次。商店街というお店を作り直すことから始めるべき。

「人を集める方法を考えましょう」と言うコンサルタントや学者の言葉を鵜呑みにしてはいけない。

何も無いところに人を集めても、ガッカリさせるだけ。二度と来たくない、と思われる方が恐い。

「来てください」と言う前に、行く価値のある場所を作るのが先である。

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