ヨガばあちゃんと柏餅 ついに、igoku 始動?!| そこなん#05
福島県いわき市で、地方公務員とフリーランスな奴らが、ただただ、好きなことと面白い(と思える)ことをやるチーム「そこをなんとか」の結成を目指す第5話。
今回も、チームを組む(組みたい?)「奴ら」との出会いの続きについての話。
前々回でデザイナー高木と会い、前回でigoku初期メンバーとなるイガリ・渡辺・小松・高木が出会い、アウトプットの形を何にするかはとりあえず決めずに、フクシ(特にコウレイシャフクシ)に関する取材と称して、イガリがみんなと行きたいとこに、みんなで行こうとなりました。
取材な日々① ヨガばあちゃんと洋品店
第一弾は、前回もふれた90歳のヨガばあちゃん。ヨガばあちゃんが近所の人にヨガを教えていたのは、今はなくなってしまったんですが、その町の洋品店の2階。
営業中の洋品店の中を通り、2階へ。ヨガが終わると、また1階の洋品店を通って、外に出るのかと思いきや、
「お疲れ様でしたー、お茶入ってまーす」との声。
洋品店の店主とお店のスタッフが、お茶やら漬物やらお菓子を用意している。そこにヨガばあちゃん率いるヨガ軍団、「いつもどうもねぇ〜」とか言いながらも、着席&お茶飲み。
世間話して、お茶菓子食べて、誰かが持ってきた漬物とか”おひたし”をみんなでつついて、お茶のおかわりをお店の人も笑顔で振る舞って、特に何を買うわけでもなく、「じゃあ、また来週ねぇ〜」って(笑)。
なんだこれ〜笑。洋品店の2階でヨガやって、何を買うわけでもなく、店の人も何を買わせるわけでもなく、お茶出して、お茶飲んで、帰る。
「シルバー世代のパイセンたち、めっちゃ自由で、めっちゃ楽しんでて、めっちゃステキだなぁ」と、カルチャーショックを受けつつも、どうやらオモシロいことになりそうだなという、にやにやした予感を、この記念すべき第1回目の取材で、メンバー皆、共有しました。
取材な日々② 早朝、和菓子屋に集合!
取材の第2弾は、今から10年前の東日本大震災で、家もお店も失ったのに、わずか1年で復活・再建して、今も現役バリバリの和菓子職人に会いに行くというものでした。
その名は、片寄清次さん。取材当時87歳。今は90歳。当時も今も現役バリバリ。柏餅が有名な和菓子屋さん。取材したいと申し込むと、朝7時前に来いとのこと。
今回の取材は、朝苦手系、そもそも時間守るの苦手系の、イガリと小松。
さらに、言い訳がましいんですが、我々が暮らすいわきはですね、東京23区がちょうど2個分の大きさでして、結構、デカイんですよ。
今なら、二人とも寝坊&遅刻してたかもですが、この時は、まだ始まったばかりのプロジェクト、組んだばっかりのチームということで、緊張感もあったのか、二人とも、約束の時間10分前にはスタンバイできました。
ブラインドの下がった和菓子屋の入り口で待ってると、
「おう、おはよう。おめーらか、とりあえず、これ食え」
いきなり現れたその人は、玄関口で、いきなり、我々に柏餅を渡してきたのです。出来立ての、温かく、超柔らかいのを。
玄関でそれをたいらげると、「じゃあ、中に入って、まあ、お茶でも飲め」と、中に通されました。
いったい何の通過儀礼なんだろう?
入り口で食べないと、中に入れない、柏餅パスポート制度なんだろうか?
「前に、NHKが取材に来た時も、中には入れなかったんだぞ」という店内厨房に、ただ、美味しい、出来立ての柏餅を食べただけで、通された俺たち二人。ありがたいのか、貴重なことなのか、よく分からないまま、次々に差し出される出来立ての和菓子をバクバク、うめーうめー言いながらいただきつつ、話を聞き、カメラをパシャパシャ。その時の記事がこちら。
震災の時のこと、そこから多くの人の協力で再建したこと、震災前のまちづくりのこと、いわきの和菓子の歴史、今(当時)東京で修行している5代目となる孫のこと、その孫が戻ってくるまで自分が頑張ること、そのために毎日を過ごし、健康に気をつけているかということ。手を止めず、厨房に目を光らせ、背筋はピンと伸び、でもずっと笑顔で、たくさんの話が聞けました。映像もあるので、こちらも是非↓
誰だ、お年を召してる方は、控えめで奥ゆかしいなんて言ったのは!(誰も言ってない)
俺たちより、遥かに自由で、つまらないことに囚われてなくて、日々を生き生きとステキに楽しんでるじゃないか!
たった2回の取材で、俺たちは、この地に暮らす人生のパイセンたちの凄さ、ステキさ、たくましさ、美しさ、そして、面白さを喰らい、どんどんigoku的なる世界に突入していくのでした。
本来なら、今回は、
・赤井嶽薬師 OUTBACK Film
・いわきの至宝!天才 江尻コージロー
・全方位型(ポンコツ)AD リョータ・モリ
をお送りする予定でしたが、全然、たどり着けませんでした。
次回も、
・最低で、最高のレストラン
・平均年齢、全世界トップのレイブパーティ
の話を予定しているので、「そこをなんとか」の全メンバーが登場するまで、今しばらくお付き合いのほどを。