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偽物でいいのか。
お風呂や水回りの床の仕上げに迷うという相談を受けました。
タイルはおしゃれだけど高いし滑りそう。タイル調のシートだと掃除が楽だけど偽物っぽい、、、なるほど。
僕は必ずこう聞きます。
偽物でいいんですか?
最近の建材はすごくよくできていて、ぱっと見、本物に見えるんですよ。
昔住宅の設計をしていた時、クライアントが家の収納の扉を外して持ってこられて、この木にしたいと言ってきた。でもそれが何と偽物で木目調のシートだった。その時も、これと同じにできますけど、偽物でいいですか?とご説明した。クライアントは本物にこだわられていたので、結局本物の木を使うことになった。
もちろん「偽物」と揶揄していますが最近の建材も悪いことばっかりじゃない。汚れにくく、掃除がしやすいものもあるし、質感もよいものもたくさん出ているし。現代人は均質なものとかきれいなものに慣れてしまっているから、色むらや質感のまだらな感じにものすごく抵抗感を感じられる人も確かにいる。
でも、本物にはやはり言葉では言い表せない質感や力強さがあって、僕は設計する際に原則本物だけを使うようにしています。ぱっと見わからないならどっちでもいいじゃんと思う方もいらっしゃると思います。でも、そんな小さなことの積み重ねは出来上がった時に、見た目は同じでも、まるでちがう空気感をまとった建物になるのです。偽物と違って経年変化があって色が変わったり、反ったりするけれど、世の中に不変なもの、手入れ不要、メンテナンスフリーなんてものはないのです。自動車だって車検に出す、人間の体もエステに行ったり整体に行ったりメンテする。家も建物も同じです。そうやって手入れしながら住みこなしていくことで、本当の意味で「家」になると考えているからです。
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