「牛肉の等級」について、お話しようと思います(Part①)。
1.「A5ランク」「A4ランク」って?
スーパーの精肉売り場等で、「A5ランク」や「A4ランク」といった表示をよく見かけると思います。
この画像は、当店でカットした伊賀肉「A5ランク」のサーロインです。
白く見えているところが、いわゆる「脂」の部分で、『サシ』や『霜降り』といった呼び方をすることもあります。
この『サシ』の入り方が多い=「A5ランク」と、思っておられる方が多いと思います。
全く違う、という訳ではありませんが、少し違う部分もあります。
ではこの「A5ランク」とはどういう意味なのか?を、皆様に分かり易くご紹介したいと思います。
2.「A5ランク」とは歩留まりの良し悪し
🔼この作業を「すじ引き」や「掃除する」といった言い方をします。
『お肉(可食部)の周りについている「脂」や「すじ」を取り除く』ことで、この作業を経て、店頭に並ぶお肉になります。
当店で取り扱っている伊賀肉は「一頭買い」で仕入れていますので、大きなお肉の塊=枝肉(えだにく)の状態で保管しています。
少し生々しいので加工しましたが、🔽この様な状態を枝肉と言います。
この様な枝肉から、それぞれの部位に切り分けて、店頭に並ぶお肉にしていきます。
では「A5」の「Aとはなに?」ですが、専門的には『歩留(ぶどまり)等級』と言います。
つまり、そのお肉の可食部分がどれくらい残るのか?ということです。
ロース芯の大きさ等、判定基準は細かく設定されていますが、あくまでも簡単に分かりやすくお伝えすると・・・
※出典:公益社団法人日本食肉格付協会
Aランクは、歩留まりが標準以上=可食部分が多く残り、Bランクになれば、可食部分がAランクよりも少なくなるということです。Cランクは更に可食部分が少なくなります。
3.Aランクの歩留まりはどれくらい?
では、Aランクの実際の歩留まりはどれくらいなのでしょうか?
あくまでも大雑把にお伝えすると・・・
《Aランクのおおよその歩留まり》
◉ 伊賀牛1頭の重さが、約700Kg
◉ 骨、内蔵等を取り除くと、約500Kg
◉ さらに脂、すじ等を取り除くと概ね300Kg
➡牛1頭から、約300Kgの可食部が店頭に並ぶお肉の重量
これでAやBは「歩留まり=可食部分が残る割合」を意味していることがわかって頂けたと思います。
次回は「A5ランク」の「5ってなに?」について、書きたいと思います。
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