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イガラシ/五十嵐文章
2018年7月14日 23:10
◼にんげんっていいな息を殺して立派な社会人に擬態する一週間がやっと終わった。変わり映えしない乗り慣れた金曜日の都営地下鉄に乗り込み、車窓に映った己の顔と対峙する。青白く生気のない頬。化粧の剥がれた目元はミイラのようでいて、その瞳の奥の光は異常にぎらぎらと光っていて、我が顔面ながらアンバランスの極みである。怖い。端的に言って、疲れきっている。だからと言ってこのまま、駅前に巨大なドンキホーテ