なんのために、高大連携をするのか
私が最も本校の中で、学校改革に近いことをしている部署があります。
この部署では中高生へ向けて、大学の講師を呼び、出張講義をしてもらったり、ワークショップをしてもらったり、実際に大学に出向いて、実験に参加させてもらったりと言うことを企画しています。
しかし、今年度は例年に比べ異様に参加率が低く、そのことに関して議論が行われました。
今日はそこで感じたことをまとめます。
なぜ、このセミナーを行うのか。
元は、これからより深い学問を学んでいく、中高生にその学びの最先端である大学の授業を体験してもらうと言う目的がありました。
また、それを一つの機会にして、大学や進路を考えるきっかけにしてほしいと言う思いがあったのです。
しかし、大学の学びはそもそも興味がないことには、内容も難しく、我々教員でも理解するのに必死です笑。
そのようなセミナーに希望生で参加者を募ってしまうと、どうしても参加率は低くなっていってしまいます。
今年度は直接的な原因はわからないとはいえ、コロナの影響もあるのか、参加率が激減してしまいました。
どうして参加者を増やしたいのか。
大学サイドも自校の学び舎を離れて、生徒が来てくれるとも分からない学校に講義をしてくれています。
当然、中高サイドの教員としては、参加者が少なければ先方に顔向けができませんし、非常に申し訳なく思います。
しかし、ここに摩擦が生じてしまうのです。
生徒にとって将来を考えなければいけないとはいえ、大学の学びは難しく、よほどの興味がなければ参加も気が引けてしまいます。
担任の指導不足と言われてしまえば、それもあるかもしれません。
ましてや、普段から習い事や部活動があれば、特に難しいことも考えなくて良い自分の好きなことの方を感情的に優先してしまうのは致し方ないことなのです。
この差をどう解消するのか。
教員は生徒に参加させたい。生徒は余程の魅力がなければ参加したくない。
この構図はどのようにすれば解消できるのでしょうか。
既に、この議論は目的のところを逸脱した手段論になってしまっているように感じました。
生徒と教員の思いが異なるのであれば、そもそもの形の在り方から考えなくてはならないように思います。
なぜ、生徒に参加させたいのか、なぜ、大学の講義を受けさせたいのか、なぜ、進路について考えてもらいたいのか。
ここを今一度深く議論するべき時なのかもしれません。
私自身も自分の持っているコンテンツでいくつか講義を設定しましたが、参加率は決して多くはありませんでした。
でも、そこには悲しみも悔しさも焦りもありません。
届けたいものが、知りたい人に届いていれば満足だったからです。
我々教員にとっても何が必要と感じているのかの共通認識を持って、生徒に伝えていくところから始めていく必要があるのかもしれません。
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