
営業は奪わない、感謝されること vol.170
営業と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますでしょうか?
押し売り?セールスマン?契約?
私にとって営業とは、価値のあるないに関わらずとにかく相手に物やサービスを押し売ることという印象がありました。
営業職についている友人の愚痴を聞くことが多かったり、ノルマ達成のために必死になるという、ドラマや漫画などでよく聞くような場面を目にしている回数が多いからでしょう。
しかし、営業は誰かから幸せや時間、お金を奪うことではありません。
営業とは日々の生活の中で常に行なっており、幸せを分け与えるという、私の想像していたものとは全く逆のものなのです。
営業とは?
営業とは一言で言うと問題解決業です。
問題解決とは自分の問題だけと言う利己的な考え方ではありません。
自分と相手の問題、友人の問題、家族の問題、会社の問題、コミュニティの問題、社会の問題。
考え方だけでも多くの問題が挙げられます。
これらの問題に真摯に立ち向かい、自分と向き合うことも営業の一つなのです。
”営業”とは”業を取るために営む”と書きます。
業とはカルマのこと、過去(世)での行いは、全て自分に返ってくると言う因果応報的な考え方です。
つまり、今自分がこの職業についているのにもちゃんとした理由があり、その業を取るために、怠ることなく励むのが営業なのです。
人間の定義した罪は、刑によって償えますが、業を償うことはできません。
業を取るためには徳を積み、日々素直な心(真心)で物事と向き合い行なっていく必要があります。
まさに日常六心です。
日常六心
「はい」と言う素直な心
「ごめんなさい」と言う反省の心
「おかげさまで」と言う謙虚の心
「私がします」と言う奉仕の心
「ありがとう」と言う感謝の心
いつも絶やさない笑顔
営業で働き、仕事にするのは、はた(他人)を楽にして、人に仕えることなのです。
だから、仕事の中で営業ができるのは幸せで、いつも営業の相手を思い良いものを伝えたいと思い続けることが営業を成功させる秘訣になるのです。
上手くいかない時はカレーを思い出す
しかし、営業と言っても上手くいかない時もしばしばです。
私の営業職をしている友人も、営業が辛くて辞めたいと言うものもいました。
私たちの生活の中にも密接に関係している営業。
上手くいかないときについつい私たちがしてしまっているのはどんな行動でしょうか?
上手くいかないからと言って、相手を変えたり、自分なんかダメだと卑下したり、この人にやって上手くいくはずがないとあらかじめ決めつけてしまっています。
ここで考えて欲しいのが、カレー理論です。
みなさんがカレーを自宅で作っているとしましょう。
スパイスからでもルーからでも構いません。
ぐつぐつことこと。
カレーも完成間近です。
ぐつぐつことこと。
カレーは無事に完成して、スプーンで少しすくって味見をします。
なんだかちょっと薄いようです。
さぁ、ここでこのカレーを失敗作だと言って捨てる人はいますか?
もしいるのであれば、もったいないのでぜひください笑。
こんなとき、多くの人がスパイスで調整したり、ルーを追加したりといまある、ここまで手間暇かけて作成したカレーをいい味にしようとするのではないでしょうか?
では、営業はどうでしょうか?
上手くいかなかったとき、その取引先を諦めてしまったり、自分の腕を信じずに自分の作るカレーはもうずっとこの程度だと思い込んでしまったり、そんなことをしてはいませんか。
失敗は成功のもととはよく言ったものです。
失敗の先にこそ成功はあるのです。
薄味のカレーの調合がわかったから、次からは確実に美味しい濃さのカレーが作れるようになります。
守破離の守部分を、まずは徹底してみましょう。
それでもダメな時もあります。
そんな時は、カレー理論2です。
どうやらカレーを作り過ぎてしまったようです。
友達に分けてあげましょう。
しかし、最初に分けてあげようとした時は、友達には「お腹がいっぱい」と断られました。
3日後に同じように分けてあげようとした時は、「お昼にカレー食べちゃったよ」と断られました。
しかし、5日目には「この間行っていたカレーちょっと分けてくれないかな」と友達の方から言ってきました。
どうやら、朝、カレーの特集をめざましテレビでやっていたようです。
なんたる偶然、いや必然なのかもしれません。
量質転換です。
何度も何度も声をかけ続けたからこそ、種を撒き続けたからこそ、その種が芽吹き、花ひらいたのです。
上手くいかないのは、継続していないからです。
まずはコツコツとやり続けることを目指してみてはいかがでしょうか?
これは、上手くいかない営業も全くもって同じことが言えます。
思いを伝えるには
とは言え、せっかく誘うのであれば自分の思いの丈を余すことなく伝えたいものです。
いいものを知ったときには、興奮冷めやらぬ状態で誰かに話したくてたまらなくなるでしょう。
しかし、思いだけ先行しても、何を伝えたいのかわからずに終わってしまいます。
逆に理論武装しても、想いが伝わらず本当に勧めてくれているのかどうかわからなくなります。
大切なのは、ストーリーを交えながら過去(きっかけ)→現在→未来(理想)の順で話すことです。
型を覚えることで、自分がたとえ調子が悪くて20点のできになったとしても、80点の話し方ができるはずです。
そして、型にハマることで型破りになれるのです。
営業において最も大切なのは、当然ながら相手を知り、相手のことを思うこと。
これを伝えればきっと相手は幸せになってくれる、もっとレベルアップするはずなどと、相手へとベクトルを向けることが最大の営業の秘訣なのです。