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車内空調

自動車を所持していないので、仕事に向かう際や友人と遊びに出掛けるときは電車を利用することが多い。

この時期、電車の空調というものは非常に苛烈である。
飲み物を持ち込むと、次の駅に着く頃には凍ってしまうので注意が必要だ。

私は覚悟を決めて電車に乗り込んだ。車内は冷房が吹き荒ぶ。
まだ体力のない子供や、体力の落ちてきた高齢者が寒さに耐えきれずに亡くなる事故が多発するのは、毎年のことである。

先日、最寄駅の公園でレジャーシートを広げてくつろぐ親子に出会った。
朗らかな休日の風景である。

横をふと通りがかったとき、子供の様子が目を引いた。
膝を抱えて横になっている。
最初こそ不自然さを感じたが、しばし考え状況を理解した。

準凍結症というやつだ。
ニュースなどで聞くことはあるが、実際に目にしたのは初めてだった。

横に座る母は落ち着いた様子である。
近代の母にとってはよくあることなのだろう。
いつの時代も母は強く、優しい。
今度の休みには、実家に帰ることにしよう。

薄れゆく意識の中、私はそんなことを思った。

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