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アイジーコンサルティングの根幹

こんにちは、アイジーコンサルティング専務取締役の井上です。
今回は、私が紹介するのは「企業ヒストリー」です。1899年から続く弊社の企業の根幹、そして今年4月に約30年ぶりに変更した企業理念に込めた想いついてご紹介していきたいと思います。


1899年 創業の背景 社会インフラを守る

アイジーコンサルティングは1899年明治32年創業の日本最古のシロアリ防除会社です。
創業の背景としては、1867年慶応3年、徳川慶喜が政権返上を明治天皇へ奏上し江戸幕府から返還列強に対抗して、国の独立を守り、近代国家へと転換していくため、経済を発展させて国力 をつけるとともに、軍備の充実をはかっていた時流です。
1894年の日清戦争、1904年の日露戦争の狭間の創業であり、今には想像もできないような激動の時代でした。

当時日本のインフラのほとんどが木造で造られており、線路の枕木や木造電柱等がそれらにあたります。そういった木造インフラが得体のしれない白い虫によって駆逐されており、大きな社会問題となっておりました。
それを何とかしようと立ち上がったのが、創業者、満尾計左次でした。鹿児島に拠点を置きながら、台湾へ渡り、シロアリを駆除する技術を日本に初めて持ち込だ人物です。
当時日本には、シロアリ駆除ができる人物は他におらず、唯一無二の存在でした。今では考えられませんが、その技術は国家からも大変重宝され、当時の後援者には高橋是清や、徳川家、西郷家等、名だたる方々が名を連ねておりました。

そこから2代目井上芳郎までは、いわゆる家業として、その技術を継承されてきました。いまだ日本には我々しかその技術を持っておらず、東京に拠点をおきながら、全国各地の依頼者のもとへ駆けつけていたそうです。当時は飛行機も、新幹線もありません。おそらく何日間もかけ、陸路で移動しており、強い使命感の元、命がけで全国各地へ奔走していたのだと思います。


自社の存在価値はどこにあるのか 「依頼者」から「お客様」へ

 ただ、時代が進むにつれ、競合他社も当然ながら増えていきます。我々以外にも同じような技術をもつ企業が現れ、我々の存在価値は何なのか、という疑問にぶつかっていきます。これまで、案件は自然とやってくるものであり、「お客様」という概念ではなく、「依頼者」という概念で事業を展開していました。

そこで我々は「依頼者」から「お客様」という見方に変わるのです。今では当たり前ではありますが、これまでの長い歴史から見れば大きなパラダイムシフトが起こったはずです。

それまで、仕事は勝手にくるものであり、いわば殿様商売的な立場から、工務店に頭を下げて仕事を頂くというスタンスの変化は大きなストレスが伴ったに違いありません。

さらに、そこから競争は激化し、単なるシロアリ防除企業というだけでは立ち行かなくなってくるのです。


2000年代 シロアリ業者から住環境価値創造企業へ

そして2000年代にわが社は様々な事業領域に進出し、理念も再定義しました。
「快適な住環境事業の創造を通じて社会と社員の生活向上に貢献する」
これまでの、単なるシロアリ業者から、住環境創造企業へと事業領域を広げていったのです。1世紀以上、木造住宅の保守保全に関わってきたノウハウをもとに、新築住宅や、住宅の点検代行、不動産業と事業を展開していきました。


2024年 再創業期 新たなビジョンを掲げ目指すもの

そして現在、新築着工棟数が減少し、日本経済が縮小していく中で、我々は新たな再創業期を迎え、本年約30年ぶりに理念を変更を致しました。
グループビジョン「経年進化の 美学を世界へ
企業理念「for LONG ずっとで価値ある未来をつくる
これまでの「住環境」というワードを外し、日本という枠すらも外しました。
現在、新たな事業創出のため新規事業コンテストの設置、そしてオーストラリア現地法人設立の準備をしている最中です。

これまで125年にわたり、事業を継続してきましたが、それは不変ではなく、常に時代の変化と共にありました。創業当時の近代化や戦争が起きた激動の時代、20世紀中盤の高度経済成長期、そして現代の日本経済の縮小、そして目まぐるしく変わる世界情勢。
その時々の変化に抗うのではなく、真正面から見つめ、常に我々の存在価値を再定義していくことが、企業が未来永劫、成長し続けるための必須要素であると考えます。
企業理念にもある「for LONG」には、このような企業存続のためのメソッドが秘められている言葉でもあります。

アイジーコンサルティングは、長い歴史の中で、多くの次代の変化を乗り越え、変わり続けてきた会社です。これからの激動の時代の中でも、常に自問自答し我々の存在価値を探しつづけます。

そして、その原動力となるのは、「人」です。
どんな組織でも、どんな時代でも常にきっかけとなるのは「人」です。
正しい判断、誠実な判断、そして社員や社会を導いていくリーダーシップ。
全てが「人」ありきです。
これからも歴史に学び、人を大切にし続ける企業でありつづけたいと思っています。


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