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トランス脂肪酸の取り過ぎにご用心
こんばんは。食べ物に関する仕事に携わっていると、食べ物の美味しさだけでなく、どのような原材料を使用しているのか気になります。そういうこともあり、ついつい食べ物の原材料についてチェックしてしまう癖がついています。
ある意味
嫌な客
ですね。でも幼少期から学生時代まで病弱だった私としてはついつい健康でない時の大変さや食べる物が健康に与える影響を肌で感じているので、気になってしまうのです。
今日は厚生労働省のホームぺージ(以後「厚生」)、内閣府「食品安全委員会」(以後、内閣)そして情報ソースとしては微妙かもしれませんが「Frideay デジタル」(以後、デジタル)の情報をベースに
「トランス脂肪酸」
について情報共有したいと思います。
トランス脂肪酸とは何か?
厚生のホームページにはこのように書いてあります。
脂質の構成成分である脂肪酸の一種です。植物油を高温にして脱臭する工程で生じます。また、天然でも、牛やヤギなどの反すう動物(食べ物を咀嚼して胃に送って一部消化させ再び口に戻して咀嚼を繰り返す動物)に由来する乳製品や肉に含まれています。
トランス脂肪酸はどのような食品にどのくらい含まれているか?
厚生HPによるとトランス脂肪酸の含有量は、原料の違いや加工方法の違いにより異なるそうです。平成18年度に食品安全委員会が実施した調査だと以下の通りです)
マーガリン : 平均7.0g/100g
ビスケット類 : 平均1.8g/100g
ショートニング : 平均13.6g/100g
コーン系スナック: 平均1.7g/100gなどです。
※平成22年度にマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングを検査したところ、トランス脂肪酸の含有量は減少傾向だそうです・・・
ちなみにファットスプレッドとはマーガリンと比較し油脂含有率が低く含有水分が多い。 日本の家庭用マーガリンの多くは、ファットスプレッドだそうです
なぜ、トランス脂肪酸を取り上げたのか?
その理由は以下内閣HPの記載を引用しますが、ズバリ摂り過ぎは
健康へのリスクが高まる
からです。
トランス脂肪酸(原文 trans fats 恐らく工業的に生成(副生)されたものは)の排除は、健康を守り、命を救うための鍵である。WHOは、トランス脂肪酸摂取が原因の心血管疾患患者の死亡数は毎年50万人を超えると推定している。
工業的に生成されたトランス脂肪酸は、マーガリンやギー(訳注:原文のとおり)等の硬化植物油脂に含まれており、スナック食品、焼成食品及び油で揚げた食品に多く含まれている。
デジタルのニュースHPによると
「本来、健康な血管の細胞膜は柔軟で伸び縮みし、それにより血圧などを調整します。しかし、トランス脂肪酸が血管に取り入れられると、柔軟性が失われます。それによって冠動脈疾患が起こる。心不全、心筋梗塞、動脈硬化、不整脈などはすべて冠動脈疾患です」
とあります。
最近では、冠動脈疾患に加え、アルツハイマー病などの認知症などの原因になるという論文も多く出されているようです。
なぜ製造メーカーはトランス脂肪酸を使用するのか?
内閣HPに記載がある通り、
トランス脂肪酸の排除は健康の鍵
なのになぜ食品メーカーは使用するのでしょうか?それも内閣HPにWHOのコメントとしてこのように書いてあります。
製造業者は、他の油脂よりも長期保存が可能なので、それらを使用することが多いが、食品の味や価格に影響を与えない、より健康的な代替品を使用することが可能である。
私もそうですが、食べ物を扱う者にとっては食品の賞味期限や消費期限は頭の痛いところです。私も仕入れた商品が売れずに自己消費となってしまったことが何度もあります。
でも、お客様に健康リスクを与えてはいけないと思い、このような物が入っていない商品を提供していますが、なかなかビジネスとしては骨の折れるところです。
海外ではトランス脂肪酸はどのように扱われているのか?
海外ではどのような対応になっているのでしょう?「デジタル」HPには以下のような記事がありました。WHOの提言を受けて、各国様々な対応しているようです。
・アメリカのニューヨーク州やカリフォルニア州、カナダ、台湾、タイではトランス脂肪酸の食品への使用を禁止している。
ちなみに2008年米国とカナダのマクドナルドは、トランス脂肪酸が含まれた調理油の使用を中止したそうです。
(日本では記載が無いので恐らく・・・)
・EU加盟国やシンガポールではトランス脂肪酸濃度の上限値を設定したうえ表示を義務付けている。
・韓国、中国、香港では食品中のトランス脂肪酸濃度の表示が義務付けられている。
なぜ日本では規制されていないのか?
前述の通り、WHOも工業的に生産されたトランス脂肪酸は有害としていますが、実際に自然界にもトランス脂肪酸は存在するので人工物と天然物を弁別することができないという論点もあるようです。
また厚生HPには「体に悪いのか?」と言う質問に関して以下のように答えています。
平均的な日本人より多いトランス脂肪酸摂取量を基にした諸外国の研究結果によると、トランス脂肪酸の過剰摂取により、心筋梗塞などの冠動脈疾患が増加する可能性が高いとされています。また、肥満やアレルギー性疾患についても関連が認められていますが、糖尿病、がん、胆石、脳卒中、認知症などについての関連は分かっていません。
こうした研究結果は、トランス脂肪酸の摂取量が、平均的な日本人よりも相当程度多いケースの結果であり、平均的な日本人の摂取量においては、これらの疾患リスクとの関連は明らかではありません。
つまり、
日本人はトランス脂肪酸を摂取する量が他国よりも少ない
ので問題ないということだそうです。
続けて厚生HPによるとWHOではトランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の
1%未満
に抑えるよう提示していますが、日本人の摂取量は多い方から上位5%の人についても、0.70%(男性)、0.75%(女性)で、WHOの勧告(目標)基準を下回っています。
でも使用量の表示義務ぐらい欲しい気がしますが皆さんどう思われますか?
1%未満かどうか計算できないですね。
摂る摂らないの選択があってこそ健康寿命も延びるのではないかと思います。
皆さんの食生活はどうでしょうか?
毎回だと大変だと思いますが、1日だけでも定点測定して自分がどのくらいトランス脂肪酸をとっているか調べてみるのは如何でしょうか?
念のため食品に含有されているトランス脂肪酸量を記載したいと思います。
マーガリン : 平均7.0g/100g
ビスケット類 : 平均1.8g/100g
ショートニング : 平均13.6g/100g
ショートニングは100g当たり13%を超えて結構高いですねぇ~
自分の健康は誰が守るのか?
自分だ!
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
本日のサムネイルはAdobeStockの「トランス脂肪酸」から検索し使用しました。
(一応、検索したら出てきた画像を使用したので、これらの食べ物にトランス脂肪酸が必ず入っているとは限りません。でも米国Adobe社が採用しているということは、Adobe社でもそういう認識なのかもしれません。)
いつもありがとうございます!
新たな1週間元気出していきましょう💪
それでは、また次回の記事で会いましょう!