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カボス蜂蜜漬け
# 90書き手:一陽アケル
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黄色く熟しているが、どうやらカボスらしい。
近所のおばちゃんに頂いたそれを、汁はポン酢に、皮を蜂蜜漬けにした。
皮といえばオレンジピールみたいなイメージがあるが、何度も茹でこぼしたり、細かく刻んで乾かしたりなど、手間がものすごい。
今回は手抜きも手抜きで、皮の裏のワタだけとって蜂蜜に漬け込んだ。(皮は物によってえぐみが残ってるので、食べる時は除ける)
カボス(小)5〜10個
蜂蜜 500g
アルコール消毒した瓶
※カボスはサイズがバラバラなので、蜂蜜は瓶のサイズに合わせて買っておく。
【カボス蜂蜜漬け】
1:実を8等分して、皮についてる白いワタを外す
2:下処理した皮を瓶に入れ、しっかり浸かるまで蜂蜜を入れる(蜂蜜が足りない場合汁を足しても良いが、大さじ1〜2程度で、酸っぱくなりすぎないように)
3:時々かき混ぜる。汁が思うより出るので、瓶に余裕があれば、蜂蜜を足してもいい。1週間ほどで良い塩梅になる
これだけだ。
蜂蜜漬けは青梅でも試した(←クリックすると以前の記事に飛びます)が、こちらは汁たっぷりのカボスの為か、比重の重い蜂蜜に透明なカボスエキスがどんどん抽出された。
『綺麗だねぇ』
窓辺に置いて写真を撮っていると、クレオがうっとりと見た。瓶底に蜂蜜とエキスが透明なマーブル模様がしっとり絡み合い、高級なガラス細工のようだ。
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一週間後、クレオとタツゴロウに蜂蜜漬けを振る舞った。
「ホット・ウイスキー・レモネードだな」
『カボスならカボスード?』
「日本名を洋風にすると絶妙にダサくないか?」
『なんでもええからはよ食べようや』
【ホット・カボスード・ウイスキー】
ウイスキー20ml、カボス蜂蜜をレードル一杯、耐熱グラスに入れ、熱湯を注いで完成。
(ウイスキーが得意でないのでやや薄めにした。得意な方は一般的な30mlがおすすめ)
『こらぁ美味いぞ!』
珍しくタツが先に食いついた。
『見た目もお洒落だし、甘くてほろ苦いねぇ』
クレオも美味しそうに飲んでいる。
思いの外好反応だったので、一緒に飲んでみる。
香りは柚子など柑橘系のそれだが、一口飲むと蜂蜜の甘さとカボスのほろ苦さがふわっと口の中に広がる。ウイスキーはあまり得意ではなかったが、カボスと蜂蜜を支えつつ、後味を酒精で引き締めてくれる。
保存食という名目だが、おそらく1ヶ月も経たずに飲み切ってしまうだろう。
これはもういっそ、カボスを庭に植えたらどうだろうとまで話が進んだ。