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学生教育に関すること 〜各論7 大切な人が突然、後遺症を持ち人格が変わったらどうする?〜
🕛この記事は3分で読めます。
前回の投稿では、患者さんの気持ちを理解するために、当事者の本を読むことをオススメすると書きました↓
今回は、それらの本を、詳細な紹介や感想を述べていきたいと思います。
今日はこの本。
この本は、リハビリに関わる医療従事者は必読です!
脳卒中患者に関わる急性期〜回復期病院に所属する皆さんが、特におすすめかと。
今後、何回かに分けて投稿します。
この本の最初に、
・あなたの大切な人がある日、突然脳卒中になってしまったらどうする?
・その人が、体を動かせず、言葉も話せず、人格さえも変化したらどうする?
と投げかけられています。
今、僕の記事を読んで頂いている皆さんであれば、本当にどうされますか?
今まで、
・多くの脳卒中患者さんを病院で担当し、
・学校教育でも脳卒中のリハビリを専門として教鞭を執り、
・親戚も重度の脳卒中となり何度もお見舞いに行った、
そんな僕が、
大切な人が突然脳卒中になったら、どう思うのか、心にパッと浮かんだ7つを列挙します。
①自分の心に穴が空く。
→パートナーがいない生活なんて想像できないですよね。
②パートナーの余生にどうやって寄り添っていくか、どのような覚悟で自分がいるのか、相手の両親に報告したい。
→相手の両親もとても不安なはずです。パートナーと一番関わるのは自分であり、相手の両親からみて、娘の旦那はどのような考えでいるのだろうか?と知りたいと思います。
③歩けなくなっても、病前に行きたいと話していた旅先に、車椅子でも連れてってあげたい。
→「歩けなくても色んなところに楽しめるもんだな」と生きる希望を感じてほしいですね。車椅子で移動することで人的・物的なバリアも感じて、現実を知ることがあるとは思うけど、可能な限り生活範囲を広げたいものです。
④パートナーが車椅子生活になっても、根拠はないが幸せな余生にさせられる自信がある。
→楽観的かもしれないけど、自分も潰れない範囲でそうしたいです。
⑤意識障害等で意思疎通が取れなくなっても、周囲からみても、「尊厳を保った余生」にしたい。
→実際に意識障害になったとしたら、その後はそれを願っていると思うためです。
誰だって「人」から「モノ」扱いされると、激しく不快だと思います。
⑥パートナーの介護で自分が辛くなっても相手にあたりたくない。そのために、常に自分も相談できる窓口は何かしら作っておきたい。
→自分にも辛い時が必ずあるはずなので、気持ちの抜け道を用意しておくことは、お互いにとっても大事だからです。
⑦これらを想像してみると、今という時間、何気ない時間が貴重で感謝して大切にしたい。
→パートナーが病気になったことを考えてみると、本当に今を大事にしたいと思いました。
楽観的には考えられないけど、でも要介護者・介助者=不幸者ではないですから。
このような「脳卒中経験者の主観を、読者にできるだけ擬似体験して頂きたい」想いが、この本にはぎっしり書かれています。
皆さんも是非、大事な人に、後遺症が残り、人格が変わってしまったことを想像してみてください。
患者さんの気持ちを理解する以外にも、今の家族との「あり方」も考える良いきっかけになると思います。
次は、この本の脳卒中経験者が「医療従事者に対して感じたこと」と、
「それに対しての僕の考え」を投稿します!