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学生教育に関すること 〜各論10 オススメ書籍の紹介「患者の心がけ」〜

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今までは、当事者が執筆された本をいくつか紹介してきました↓


今回は、リハビリの一番の専門家である、
実際の「リハビリ医師」からの視点で描かれている、
本について紹介します↓



患者さんだけではなく、医療系学生も

「プロから見たら、どのような患者さんが早く治るのだろう?」

と大変興味深く、気になると思いますよね。

その特徴をリハビリ医師から提言して頂いてますので、今後の実習等で活かしてほしいです!

私も、
「理学療法士として読んでいて、確かにそうだな...的確!」と感じる内容ばかりでした。
普段の仕事に身が引き締まる内容です。

その本から

早く良くなる人の特徴について、③つ抜粋させて頂きます。

それと同時に、
リハビリの専門家(理学療法士:PT)としての僕の考え
も、→で記載して述べたいと思います。
※これは僕個人の考えであることをご承知ください。

①「患者さん自身が「回復したい」という意思を持っているかどうか」
→リハビリテーション分野は、薬剤等と比較して、患者さん自身の主体性が大変求められます。薬剤は、例えば高血圧の人に対して降圧剤を処方すると、本人の意思に関わらず血圧が下がると思います。

しかし、リハビリテーション分野では、例えば、本人が筋力トレーニングを行わないと、筋力は向上しません。

そのため、精神的にも苦しい状況であっても、療法士と共有しながら、できることは取り組む必要があります。この「回復したい」という気持ちの大きさに、僕の経験的に、年齢は関係ありません。
自分だけではなく、「誰かのために良くなりたい」と思っている人は、良くなりたい意思が強い印象があります。


②「担当の医療従事者を信頼しているか」

→これも僕の経験的でもありますが、世界で最高水準の医療が提供されていても、
患者さん自身が納得し、その医療をある程度、解釈できていないと、良くなったという実感は持てないと思います。

同じ疾患・重症度の人に、同じ治療を提供しても、長期的な効果は変わることがあります。

この感覚は僕が医療学生時代には気付けなかった部分でした。
これは、本人がその治療を理解し、主体的な意見も、医療従事者と話せると効果は増してくると感じます。
それでは、治療を理解するほど賢くないといけないのかというと、そういう意味ではありません。
受け身ではなく理解しようとされていて、この治療を自分のものにしようという姿勢を持たれているか、です。

③「画像診断以外の、より良い予後予測のポイントは、1)年齢が若いこと、2)発症前能力の状態(認知症の有無、日常生活活動が自立していたか)、3)廃用症候群の程度です。」
→脳卒中で言える1つの指標となります。
1)確かに高齢より若年のほうが回復しやすいです。しかし、高齢者は回復しないわけではないです。
2)発症前から日常生活活動に介助が必要な方が、退院後にそれ以上の能力を有することは難しい部分もあるためです。
3)入院中に寝たきり期間が長いと、体力だけではなく、脳の活動等も低下(廃用症候群)してきます。病気になっても、早期に離床(安全な範囲で、寝る時間を短くしていくこと)は重要です。

廃用症候群とは?
過度に安静にすることや、活動性が低下したことによる身体に生じた様々な状態のこと。筋力がおちる、関節が固くなる、認知症が進行する等です。


脳卒中のリハビリに関わる医療従事者であれば、脳卒中の予後予測について下記の本も参考にして頂きたいです↓


この「患者の心がけ」の本は、他にも良い病院の指標も提言して頂いてます。

是非、当事者さん、その家族、医療従事者、医療系学生に、読んでください!

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