転職活動の面談。第一印象でこいつとセックスできないと思う僕は異常なのか。
男は自信に満ちていた。
というよりは、男の全身から自信が溢れていた。
オンラインで面談があった。
男は僕の前職の会社をよく知っているようだ。
僕は男の会社を知らない。
存在感のある時計、整えられた髭、年齢よりずっと幼く見える瞳、ぎとぎとの髪、ハイブランドのセーター。
自分で言うのもなんですけど…の枕詞のあとには
輝かしいキャリア、プロジェクトの話が続く。
僕は、自分の人生を楽しんでいる人が好きだ。
でも僕は、自分の人生だけが正しいと思っている人は苦手だ。
60分間、男は話し続けた。
僕は、こいつとセックスできないと思った。
僕は異常なのか。
絶対セックスしたくない、こういうやつと。
見た瞬間にそう思った。
人間として愛せないと、僕は瞬時に感じた。