PI値って何? その7
PI値って何?シリーズ、その1からその7までの7本を集約したマガジンです。その7のみのレポートとデータは下記からご購入できますが、7本すべてが購入できる、こちらのお得なマガジンもご検討ください。
PI値って何、その7、掛けちゃえ!の解説です。この、その7をもって、ひとまず、PI値って何?のシーズン1が終了となります。このシリーズの最後は掛けちゃえ!ですが、ここでは価格を掛けちゃえのことです。
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PI値は何を掛けることも可能です。ここでは価格ですが、原価を掛けることも、粗利を掛けることも、経費、たとえば人件費などを掛けることも可能です。いずれもPI値ですが、数量PI値ではなく、金額PI値、粗利PI値、人件費PI値など、掛けるものによって無限にPI値をつくることができます。基本のPI値は数量/客数ですので、ここに価格を掛ければ、数量×価格が売上高となりますので、これを客数で割れば金額PI値、すなわち、客単価となります。
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ちなみに、客単価は店舗全体の客単価が一般的ですが、客単価はこのように単品にも存在します。単品、1万品の客単価を足すと、店舗全体の客単価、2,000円、2,500円等に集積されていきます。一方、分母、この客数も変えることによって、PI値はさらに変化します。たとえば、客数の代わりに、尺数を入れれば尺当たり数量、売上等を算出することができ、面積を入れれば、同様に坪効率を算出することも可能です。要は、比較したいものを単位当たりにする技がPI値ですので、応用は様々です。売上アップを目指すのであれば、客単価、生産性を改善するのであれば尺効率など、目的によって使い分けてPI値そのもの、あるいは分母、分子を変形して使えばよいといえます。
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今回は価格を掛けちゃえですので、客単価をどうするかがポイントです。客単価をアップするには、この解説のように、PI値と価格、この絶妙なバランスをとってゆくことがポイントです。PI値だけであれば、一方通行、ひたすらPI値アップを追求すれば良いのですが、売上高、あるいは粗利、尺効率となると、掛けた一方の指標とのバランスをどうとり、目的を達成していゆくかが求められます。したがって、バランス感覚が求めれれることになります。また、一方で、双方が自らの努力によって改善できるものであれば良いのですが、往々にして、一方は自らの力ではどうにもならないことが良くあります。
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今回の場合は価格ですが、これは商品部が90%は決定権をもっている場合が多く、現場では見切り等の10%ぐらいしか裁量権がない場合がほとんどです。したがって、価格政策でPI値アップをはかるには、商品部の協力が不可欠であり、しかも、一時的な価格ではなく、EDLP、永続的な価格政策が必須となり、これは企業の総力をあげて取り組まなければ価格は下がらないということになります。したがって、現場できること、本部の協力が必要なこと等を仕分けして、客単価アップには取り組むことが要諦といえます。
(動画の字幕)
ブログ、食品スーパーマーケット最新情報です。IDプラスアイの鈴木です。今回は、基礎用語解析シリーズで、PI値って何? その7を取り上げます。テーマは、掛けちゃえ!というもので、これ平均単価を掛けることなんですが、掛ちゃえ!です。PI値は、POS分析、ID-POS分析の基本指標の1つといえます。Purchase IndexのPとIを取っててPI値と呼んでいます。
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では、価格を掛けちゃえ!ていうことなんですが、要はPI値が算出できれば、それに価格を掛ければいいと。で、掛けると、何が生まれるかというと、客単価が生まれます。客数×客単価で、客単価はメジャーで、有名だと思うんですが、これがPI値と価格を掛けて作られているということは、実は、あまり知られてないことのひとつといえるかと思います。で、客単価を算出する時には、PI 値が分かっていればですけども、価格を掛けちゃえばいいと。イコール客単価になります。で、例えば、このPI値はですね、店舗の客数を使っていますので、バナナの12,599個を353,368人で割って、0.036という数字を出しています。で、これにこのバナナの価格が122円ですので、これ掛けちゃうと。そうすると、4.392円という数字になります。これが客単価です。で、良く使われる客単価は、店舗の客単価だと思いますので、2,076.272円という形で、これが店舗の客単価になります。この店舗は、353,368人、来店してですね、全部で4,168,802個の商品を販売しています。で、1人当たりのPI値ですけど、11.797個、籠に約12点弱入っていると。その平均価格は176円なんですが、
客単価はというと、通常は、売上これになりますから、売上を客数で割って客単価を出す訳ですが、PI値が分かっていれば、176を掛けちゃえと。掛ければ、2,076.272円という形で出します。算出されます。
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ということで、バナナ全単品の客単価を掛けちゃえば出せるというのが PI値の良い所です。例えば2番目のフィリピンバナナは、0.020というPI値ですから、101円ですから、掛けちゃえば良いので、2.020円という数字になります。もう1度、復習ですが、1番目だけ取り上げて、12,599本のバナナが、このバナナは売れると。客数が353,368人、店舗の客数で、したがって、0.036です。この時の価格は、120円、掛けちゃえば、客単価4.350となるという形です。こういう形で、客単価は店舗全体もそうですが、単品もそうで、スーパーマーケットの1万品目全て、客単価を単品ごとに、掛けちゃえば出すことが可能ということです。
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まとめますと、PI値は、数量/客数ですが、これに価格を掛けちゃう。そうすると、客単価になるということです。別名、客単価は、金額PI値とも呼んでいます。証明しておきたいと思います。PI値は、数量/客数ですが、これに価格を掛けちゃうと、どうなるかと。掛ける価格になります。で、カッコの中が数量/客数で、これPI値です。分母が客数で、分子が数量と価格になりますから、数量掛ける価格を分子に持って行きます。これ、分母が客数となります。そうすると、これって売上げですね。数量×価格ですから。ですから、売上高、掛ける、割る客数。従って、これを客単価と呼んで、金額PI値とも呼んでいる訳ですから。PI値に価格を掛けちゃえば、客単価になるということが、これが証明になります。
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ポイントですが、客単価はバランスで出来上がった、要するに、PI値と価格とのバランスです。PI値の多寡によらないということで、PI値が高い場合で、価格が低い場合も客単価が高くなったりします。逆に、PI値が低くてですね、価格が高い場合、米なんか典型的な事例ですけれども、これも客単価が高くなったりします。バランスが問われるわけです。一方通行では無いということがポイントになります。
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2番目、PI値と価格は、現場と本部との協働作業で決まると。PI値は70%位が現場で上げることが可能だと思います。でも3割はですね、価格政策を含めて、レイアウトの改善とかありますので、本部との支援も必要となります。でも一方、価格の方が90%以上、価格決定権は、本部が持ってますので、1割位値下げとかでできますけれども、ほとんどが本部の役割です。ですから、協働作業で、実は客単価を上げてゆくことがポイントです。
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最後、1円の重みですが、先程バナナで4円という数字が出て来ましたが、仮に、客単価が1円のものに関して、売上げを換算すると客数、店舗全体の客数を掛ければ、店舗の売上げ
になると。チェーン全体の客数を掛ければ、チェーン全体の売上げなるということになります。一般的に、食品スーパーマーケットは年間では、100万人位が1店舗当たり来てますの
で、1円の先程の客単価のものは、年間では、100万円に相当するということになります。これが10店舗であれば1,000万円。100店舗であれば1億円。ですから、100店舗クラスの食品スーパーマーケットでは、客単価1円を協働作業で上げられれば、1億円のアップということにも繋がるということです。
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以上が、掛けちゃえ!のポイントです。
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