治療家の指を守る!親指を使わない「サムフリーマッサージ」
あん摩マッサージ指圧師を始めに、患者さんの筋肉に日々アプローチする治療家たち。患者さんを治しながら、その一方で、ハードワークによって自分自身の身体の健康を損ないがちです。
治療家が、患者の健康を守りながら、自らも身体も守る――。そのために生まれたのが「サムフリーマッサージ」です。
親指を痛めて仕事を辞めることも
治療家が手技を行うときに、とりわけ負担がかかりやすいのが、親指です。シアトルで25年以上、臨床を行い、ワークショップも開催しているケイ・ライナーソンは、こう言います。
「マッサージの仕事は、本当に素晴らしい、やりがいのあるものです。それにもかかわらず、私はこれまで、たくさんの治療家が母指を痛めて仕事を辞めなければならないケースを見聞きしてきました。マッサージスクールの学生ですら、使いすぎによって母指を損傷してしまうことがあります」
治療家になる前の学生の時点で、親指の酷使によってドロップアウトせざるをえない状況をライナーソンは指摘します。
親指を使わない繊細で深いマッサージ
ライナーソンが考案した「サムフリーマッサージ」では、まったく親指を用いません。親指の代わりに四指、指関節、拳、前腕、肘、膝などを使って施術を行います。
「実際に臨床でサムフリーマッサージを行っても、患者は親指が使われていないことに、一切気づきません。親指を使わなくても、十分に繊細で、深いマッサージが可能だからです」
とはいえ、治療家にもさまざまな施術スタイルがあります。親指を全く使わないというのは、現実的ではないという人もいるでしょう。
しかし、サムフリーマッサージは、治療家の経験、患者のニーズに合わせて、自由に施術方法をカスタマイズできるため、サムフリーマッサージのテクニックは簡単に組み込むことが可能です。
長く治療家として活躍するためのテクニック
ライナーソンがそのテクニックをまとめたDVD「サムフリーテクニック」では、腹臥位・背臥位・側臥位別にさまざまなテクニックを紹介。
「母指を使わなくても、これだけたくさんの安全で効果的なテクニックができるということをわかっていただけると思います。DVDでは体の片側の施術しか行っていませんが、左右両側ですべてのテクニックを行えば、およそ3時間の内容になります」
オリジナルのDVDを見た治療家からは、ライナーソンのもとに、こんな声が上がっているという。
「早速自分のマッサージに少し取り入れてみました。私は母指を痛めて、辞めなければならないというビジョンを持っていたので、このテクニックでキャリアを延ばすことができると、とても勇気が出ました」
「私は一度、両方の母指が治るまで数カ月仕事を休まなければならないときがありました。サムフリーマッサージは、施術効果を損なわずに、どのように母指の損傷を回避できるのかをわかりやすく教えてくれます」
長く治療家として活躍するために、サムフリーマッサージのテクニックを学んでみてはいかがでしょうか。
【DVD】母指を使わない施術テクニック サムフリーマッサージ
出演 :ケイ・ライナーソン 監訳 : 羽鳥節子、長谷川玲奈
(了)
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関連商品:親指の負荷を軽減「CIANAサムセーバー」
マッサージを楽に行うためのサムセーバー。母指を守りながら、さまざまな強さの圧迫が可能。高い耐久性により、母指への負荷を減らして深部施術を行うことができ、オイルやクリームを使うことも可能です。