アイドルと日々181007(NYに祈りをこめて)
近ごろとっても忙しい。
アイドルを追って、かわいいかわいいと騒いでいたいけど、そんな時間がない。
帰ったらヘトヘトに疲れているから、そんな時にはくだらないお笑い番組とか、観たこともないけど勝手に流れてくる深夜のドラマがちょうどいい。
私の好きな防弾少年団は、私がいなくても世界のBTSだし、私が観ていなくてもYOUTUBEの再生回数の記録を更新し続けるし、私が買わなくてもCDは飛ぶように売れる。私が何もしなくても、今日も元気に世界中のあーみーからの愛を一身に受けている。
何も心配することがない。
だから、かっこつけていえば、私は私の人生をこなしている。
毎日毎日小さな箱の中におさまった彼らの最新の映像や、それに反応するたくさんのファンの人たちの想いを眺めていると、まるでそれが自分の世界の中心にあるかのように錯覚してしまうけど、ほんの少し目をはなすと、本当の私の世界はもっと広くて、私の冒険はなかなかややこしい。
たくさん行く予定だったコンサートのチケットが当たらないとがっかりするし、大好きな人が悪く言われているのを見ると悲しくなる。でもそれはすべて、ほんの狭い世界で起きた出来事だ。他にも楽しみにしているコンサートがあるしかっこいい音楽は世界にあふれている。おもしろいドラマや映画もいっぱいある。狭い世界で起こることが、どんなに複雑でも、そのことで私のすべてが台無しになるわけじゃない。
私は忙しい毎日の中で、自分のために人の顔色を伺いながら、あなたの為なのだというような顔をして、本心を取り出したり、しまったりしながら、たくさんのさざ波を乗りこなす。人の感情が関わる業務は、いつでもとても厄介だ。
だけど、その中で生まれるうれしさや満足感をくれるのもまた、そこで関わった人たちだったりする。
“昨日の僕 今日の僕 明日の僕”
「Answer:Love Myself」の歌詞に出てくるこの言葉は、先日の国連のスピーチでも登場した。
昨日の僕は失敗をしたかもしれない。でも今日の僕は相変わらず僕です。
今日の僕は過去の失敗が集まって作られました。
明日の僕は今日より少し、賢明になっているかもしれません。
これもすべて僕です。
(※下記ツイートより訳をお借りしております)
過去の僕、今の僕、未来のなりたい僕…。
失敗も成功もすべて心の天の川になる。増えていくたくさんの間違いが私の銀河を彩る。
今日うまく笑えなかったことも、言えなかったお世辞も、踏み出せなかった親切も、明日のなりたい私を連れてくるためのステップだ。
慌ただしく更新される写真やFancamが観れなくても、大好きな彼らのツイートに気づかなくても、私の心の中には、大好きなアイドルにもらった贈り物が山のようにある。
他人の人生を生きてはいないか、自分の心に正直でいられるか、大好きな人に会った時、私の名前を大きな声ではっきりと伝えることができるのか。
今日、BTSはニューヨークのスタジアムを4万人ものファンで埋め尽くした。
久しぶりに観れたFancamのMCで私の推しは、ここがスタートだと言っていた。
私がいなくてもたくさんのファンに囲まれて元気に過ごしている。
リーダーのナムくんはこんな話をしていた。
私たちファンが自分自身の愛し方を教えてくれたのだと言う。
だから皆さんが自分自身を愛するために、僕を、BTSを使ってください…。
ARMYじゃない人が聞けば、何を言っているのだろうと思われるかもしれない。
この私たちの関係を、薄気味悪いと思う人さえいるかもしれない。だけど私たちはもう、お互いにこうして支え合っているのかもしれない。
彼がそんなこと言わなくたって、充分すぎるくらいにたくさんの喜びを教えてもらったし、たくさんの勇気をもらっている。時々忘れてしまうけど、私の中には自分自身を愛する方法がちゃんとある。だから私もいつでも使ってもらえるような人間になりたい。
NYという街はとても遠くて、このお祭り騒ぎは、どこか絵空事のように感じていたけど、ジミンくんの目からあふれた涙を見て、私はとても安心した。
世界のBTSは、ちゃんと私の知っている防弾少年団だ。
大きな名誉と栄光の日々の中にいても、ちゃんとふつうの、悩める20代の男の子だ。
きっとみんな心の中で唱えてる。
“I`m so fine you’re so fine”
そんな呪文をかけて笑顔を見せてくれる。
ここからがスタートだと言った、彼らの物語をときどき開きながら、
私は私の日々を過ごす。
“I`m so fine you’re so fine”と、
おそろいの呪文を唱えて。
過去の日記です⬇︎
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