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「伝奇集」読書感想文
著者
ホルヘ・ルイス・ボルヘス(1899~1986)
1月11日読了。
訳者
鼓直
あらすじ
十六の短篇。
感想
分からない。見事に分からない。十六の短篇、全てが分からない。この一冊の中には「伝奇集」として八篇、「工匠集」として八篇が収められている。「工匠集」の方が年代が新しく、そのせいか少しだけ分かりやすい感じがするが、それでも分かりにくい。
一篇一篇読み終わっても、「だから何?」とか「え? ここで終わるの?」という感想しか浮かばない。
なんというか、「自分はいったい、何が分からないのか?」それさえも分からない。
おまけに文体も曲者。たとえばバカボンのパパが言う「賛成の反対なのだ
」は、一瞬「ん?」と首をかしげるけど、すぐに「ああ、反対なのね」と理解できる。いっぽうこのボルヘスはというと、「賛成の反対ということに対して反対する者は誰一人いない」といった感じ。すぐに理解できない文章が延々と続く。
海外古典にはまって約二年。60冊以上を読んできたけど、ここまで理解できない作品は他にちょっと思い浮かばない。
ただ、ここまで理解できないと、逆に嬉しくもある。「小説」の未知なる部分に触れたようで、ワクワクしさえする。このわけの分からん「伝奇集」を、いつの日かコテンパンにやっつけてやる! と強く思うの反対の反対なのだ。