ニーチェ「力への意志」の問題点

ニーチェによれば、力への意志とは人間を動かす根源的な動機である。
そして、真理は不変のロゴスとして存在するものではなく、力への意志によりその都度産み出されていくものとされる。

これによって、力への意志を肯定する行為こそ、ニヒリズムを克服することに繋がるのだと考えた。

しかし一体誰が、力への意思を感じたり、判定したりするのか。
人間の力の量=力への意思の量ではない。
人間が人間の力への意思を見たり測ったりする方法はない。
力への意思を絶対的な「(人間が生きるために必要な)神聖なもの」と見なさなければ、真理へは到達できない。

つまり、ありもしない超越的な価値を想定することによって人間存在を捉えようとしてるに過ぎないのだ。