IDL/R Fireside chat vol.4-2 「Soaprise! 子どもの新しい手洗い習慣をデザインする」
多様なバックグラウンドを持つIDList(INFOBAHN DESIGN LAB.メンバー)が、1つのテーマに沿ってたき火を囲むように会話する「Fireside chat」。
今回のトークテーマは、コロナ禍で見直された衛生習慣の中で「手洗い」をテーマに行われたR&Dプロジェクト「Soaprise!」。コンセプトとサービスアイディエーションを行ったPart1に続き、今回は具体化を進めたPart2をご紹介します。
✨Part1はこちら✨
Part2では、「Isolate Together」をコンセプトとして進めた、体験デザイン/サービスデザイン、プロトタイピングをテーマに振り返りました。
(収録日:2021年1月25日)
About 「Soaprise!」
IDList 6名が、2020年4月から開始したR&Dプロジェクト。現在検討中のプロトタイプでは「子どもの手洗い習慣のニューノーマルをデザインする」をテーマに、楽しんで手を洗う、さらにそれをサステナブル(持続可能)な形で社会に組み込んでいくための仕組みを検討中です。
プロジェクト名の「Soaprise!」は「Soap(せっけん)」と「Surprise(驚き)」を組み合わせた造語。楽しみながら手洗いを行うきっかけになればという想いが込められています。
今回のIDL/Rでは、Soaprise!プロジェクトの中間段階、具体的なサービスとプロトタイピングの様子をお届けします。(以下の内容と合わせてご覧頂くと、より具体的にイメージいただけますので、併せてご覧ください)
「Soaprise!」 プロトタイプフェーズ
1:コンセプトの深掘りとアイディエーション
コンセプト検討で生まれた「Isolate Together」を発展させ、どのような方向性でアイデアを深めていくかを検討しました。チームでは、ディスカッションを行う中で出てきた「子ども」と「手洗い」の関係性に着目。
子どもがより簡単に、楽しく手洗いをできないかという視点でアイデアを膨らませながら、課題を「(手洗いに対する)思いの伝承」と「(普段子どもが使うおもちゃにフォーカスした)モノの伝承」と定義。具体的なアイデアを検討していきました。
(プロセス途中で出てきたアイデア群)
2:具現化/プロトタイプ制作
その結果生まれたのが「Soaprise!」というサービスです。
(泡をイメージしたディスペンサー)
上記のディスペンサーを操作すると、おもちゃの入った石鹸が出てきます。それをそのまま手洗い石鹸として利用することが可能です。
石鹸の中にはある子どもが今まで大事にしていたけれど、もう遊ばなくなったおもちゃが。子どもから別の子どもへ、おもちゃの伝承が行われます。
(パッケージを開くと、おもちゃの入った石鹸が出てきます)
(3Dプリンタを使って、球体の石鹸を作るための型枠制作にもチャレンジしました)
まだ最終形とは言えない「Soaprise!」は、今後もテストを行いながらブラッシュアップしていきたいと考えています。
🧼 🧼 🧼
検討中のサービスフローやディスペンサーの詳しいデザイン、おもちゃを寄付するためのアプリUIなども検討した様子は、下記のNotionページにまとめています。
是非ご覧ください。
Member
(写真上段左から:辻村・ヤエル・山岸/下段左から:野坂・軸屋・石河)
辻村 和正 (執行役員 / デザインディレクター)
東京外国語大学卒業後渡米、2007年南カリフォルニア建築大学大学院修了、建築学修士。ロサンゼルス、ブリュッセル、東京と国内外の建築デザインオフィス、デジタルプロダクションを経て2014年より株式会社インフォバーンに在籍。INFOBAHN DESIGN LAB.のデザイン・ディレクターとして、クライアント企業の事業開発におけるデザインリサーチを起点とした様々なスケールのサービス・プロダクトデザインに従事。
ヤエル ベンディット(デザインエンジニア)
ミラノ工科大学でデザインエンジニアリング(修士)を修了した後、イタリアと日本にて、アカデミック領域/ビジネス領域を横断しながらリサーチャーやフィジカル/バーチャルにまたがる複合領域のデザイナーとして活動。
IDLでは、デザイン思考の方法論を適用しながら製品のデザインと開発を行うデザインエンジニアとして案件に関わり、サービスデザインにもその領域を拡大させている。
山岸 智子 (サービスデザイナー)
スマホアプリを中心としたUI/UXデザインに携わったのち、2015年インフォバーンに入社。サービスデザイナーとしてデザイン思考や未来志向のアプローチを応用、実践しながらプロジェクトに取り組んでいる。
人間中心設計推進機構(HCD-Net)認定 人間中心設計スペシャリスト
野坂 洋 (デザインストラテジスト)
NECグループのSI子会社にてWebマーケティングに従事し、BtoB向けIT製品・ソリューションにおけるキャンペーンの企画・実行や自社サイトへのCMS導入、CRM企画と試行を行う。その後、NEC CRM本部宣伝部に出向し、ソーシャルメディアガイドライン整備などマーケティングコミュニケーションの基盤作りを担当。
外資系エージェンシーを経て、2015年よりインフォバーンに移籍。デジタルマーケティング支援や、UXリサーチ、新規事業開発支援などイノベーションやデザインコンサルティング領域を中心に企業支援を行う。
軸屋 亮太(グラフィックデザイナー)
2000年より数社のWebプロダクションで様々な案件に携わり、ビジュアルコミュニケーションの経験を積む。2010年からフリーランスのデザイナーに転身。2015年にINFOBAHN DESIGN LAB.のR&Dプロジェクトに参加。その後活動拠点の一つとなる。
石河 泰治朗(プロダクトデザイナー)
京都工芸繊維大学大学院デザイン学専攻修了。インテリア/プロダクトデザイン事務所Design Studio Lars Vejen(Denmark) を経て、京都を拠点にTaijiro Ishiko Designとして独立。家具を中心に国内外のブランドへ向けてプロダクトデザインを行う。
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