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【特集:島しょ国プロジェクト】PNG国全体の経済成長に寄与することが期待される国際空港

パプアニューギニア:ナザブ空港整備事業計画

大日本土木株式会社


日本語(トモダチ)が入った空港名
 パプアニューギニア(以下PNG)は、大小600を超える島々から構成されており、国民の移動に航空輸送は欠かせないセクターである。本事業計画は、PNG第二の経済都市であるレイ市および周辺の発展に大きく寄与する重要な案件で、その注目度も非常に高いものであった。国際空港としての機能を備えた旅客ターミナルビルの新設、夜間飛行に欠かせない航空灯火施設の設置、大型航空機の離発着にも耐えうる国際規格に準拠した滑走路への拡幅、消防棟・管理棟を含む13の付属棟の新設、周辺道路の整備が主たる工事概要であり、コロナ禍による約8カ月の縮小期間を経て、2023年10月2日に開港式が行われた。同空港は同国マラぺ首相の発案によりナザブトモダチ国際空港に名称変更された。

2022年4月に行われた
旅客ターミナルビル鉄骨工事上棟式の様子
空港滑走路舗装工事状況
旅客ターミナルビル鉄骨工事と外構工事

地域住民との連携
 
"ランドオーナー(以下LO)"と呼ばれる、その土地の住民との友好的な連携は、ここPNGで案件を成功させるための一つのキーワードである。当該工事も例外ではなく、着工当初はいくつも存在したLOのグループ間での小規模な衝突が絶えなかった。早い段階から状況を把握し、グループごとの特性を理解し、下請け業者とも協力して雇用促進・小規模工事の発注契約を図ることで、LOがまとまっていき、最終的には1億円を超える工事の発注、100名を超える雇用を生み出すことが出来た。
 これらは、コロナ禍のワクチン接種促進活動や啓蒙活動の拡充にも効果的に作用し、最終的には大規模なクラスター感染を発生させることなく建設工事を完了させることに成功した。
           (寄稿:山田 達也 大日本土木(株) 海外支店)

旅客ターミナルビル完成写真(Landside 側)
旅客ターミナルビル完成写真(Airside 側)

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本記事は国際開発ジャーナル2024年9月号に掲載されています
(電子版はこちらから)

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