ドライブマイカー
放課後 どこかの学校に練習試合に向かった
他のチームメイトは先に向かっていて僕はA先生と車でその学校に向かうことになった
怖かった 嫌だった
でも少しでも愛想悪くしたらまた殴られるかもしれない
そう思って無理やり作った笑顔で会話を続けたのを覚えている
忘れられない会話がある
「お前は大きくなったら仕事とかどうしたんや」
A先生は僕に聞いた
高校生だった僕は、本気で将来そうありたいと思って、内なる胸の想いを大嫌いな先生に打ち明けた
「小学校の先生になりたいです」
将来の夢を人に語るのって簡単なことじゃない
勇気がいるしドキドキするし笑われたらどうしよう馬鹿にされたらどうしようそんなことも考えた
A先生は
「そうかお前はロリコンなんか」
そう言った 確かにそう言った
あなたは覚えてないだろう こんな話
だけど僕は覚えてる
忘れられない
どうやっても忘れることができない
早くこんなこと忘れて楽になりたい
あなたのことを許したい
一言謝ってくれるだけでいい
あなたのことを呪う自分が嫌いだ