6月、梅雨明け前のサイト、12選。
こんにちは、iDID Magazine編集部です。毎日、あついですね。これを書いている今は、7月中旬です。沖縄や奄美は梅雨明けしたそうで、他の地域もまもなく梅雨明けとなりそうです。そうしたらいよいよ、夏本番ですね。さて、今月は話題のサイト、2023年6月分です。あまたあるサイトの中で、編集部が気になったものをご紹介してみたいと思います。日々があついからか、文章もゆるくなってきた気がしますが、どうかご容赦のほどを。それにしても、すてきなサイトは見ているだけで、心に涼しい風がふきこんできます。こちらの記事で少しでも涼しさをご提供できたらうれしいです。うちわを片手に、それでは、どうぞ。
1. うおみこども園
編集部でも話題でした。こども園のサイトだけど、「ちょっと変だぞ うおみえん」。こども園のサイトだけど、黒い(実際に園の外観も、黒い)。こどもの写真は出てくるんですが、施設をはじめ環境の写真はなかなか出てきません。差別化とも言えると思うのですが、こども園として何をしていくべきなのかを考えた先にある企画のように思いました。基本的には親御さん向けのサイトでありつつも、手法としては親と子で一緒に見るタイプの「絵本」みたいな役割を担っているのかも。わたしがこれから園児になる予定だったとしたら、ここにはいります。
2. アプリファクトリーはるni株式会社
ゲーム開発会社「はるni株式会社」が得意としている3Dボクセルを軸に制作。まさにゲームのような「はるniランド」の世界をスクロールやドラッグで回転させることができて、これがまるでミニチュアをさわっている気分で楽しい!この「はるniランド」内に各種コンテンツ動線が配置された仕組みで、WORKSにいたっては3D空間のモニター上に表示されてます!また、このサイトには隠しボタンがありまして、それをクリックするとナイトモードになりますよ。実装面の複雑さに対して軽いことにもおどろきますが、その背景や制作時に得られた知見などが以下、Lucky Brothers & co.田島さんの記事にて語られています。
3. Ochill
日本茶の茶葉を吸う「吸うお茶」やタバコを吸わずに焚く「吸わない煙草」を発表し、京都には瞑想室という拠点を持つ「Ochill(オチル)」。自然体で、だらしない自分を肯定して納得する「well-down」という思想に基づき、暗く内省的な世界観で、スクロールするたびに自己の中に落ちていくような気持ちになるサイトです。「視覚から情報をなるべく減らしたい」という瞑想室同様、Webサイトも全体は暗いトーンで覆われていて内省的。自他の境界線が失われていくような、WORKSの見せ方。このWebの世界における「内省」というものの可能性を考えてみたくなります。なんと7月から8月、この瞑想室が開放されているとのこと。これは行ってみたいな…!
4. ARIGATO! 10 / メルカリ10周年特設サイト
この特設サイトの惹かれポイントは、10週年=10個の秘密を解くこと。「秘密を解きたくなる」ことと「コンテンツ体験」がうまくつながっていて、見つけ終えた頃にはメルカリの伝えたいことが伝わる、そんな仕組みになっています。といっても全部がコンテンツ体験ということではなく、隠しコマンドや、なかなか難しいお題など、ゲーム性がきちんとあるところが絶妙。そして、10個のなぞを解き明かすと何が起こるのか…。わたしはなんだかうれしい気持ちになりました。ちなみにわたしの心の隠れキャラは「コミュニケーションおばけ」だったんですが、キャラがかわいかったッ…!
5. PLAY VIDEO STORES
まず4つの形からなるロゴマーク。「PLAY」だと思いますが、この読めそうで読めない、文字の意味よりそのかたちに注目したかのようなマークがすき…。そしてこのロゴマークから4体のアンバサダーキャラクターに展開(逆かもしれませんが)していて、和平製品さんが制作したこの子たちがまた、かわいい…。デザインもまたディテールが凝られていてすばらしく、イメージムービーのモデルさんたちやキャラクターたちの「回転」が、全体にリズム感を与えていて気持ちよいです。
6. AKIHABARA
成田空港の免税店「Fa-So-La AKIHABARA」による、観光客向けの日本のディープな魅力を発信するメディアサイト。Fa-So-La AKIHABARAの店舗をバーチャルな仮想都市に見立てたフルCGの世界観に、まず息を呑みます。そしてこのCG映像はUIと連動しており、スクロールするたびにカオス東京をジェットコースターで高速移動しているような感覚に。表現だけでなく、店舗のフードやグッズの紹介記事、日本文化の知識コンテンツも充実しており、体験性と知識理解の流れが秀逸です。個人的にはローディングや上スクロールの千客万来招き猫…すき…。IN FOCUSさんらしいクリエイティブだと感じました。
7. Marginal Man
IN FOCUS inc.のデザイナー、Wang Shuqaingさんのポートフォリオサイト「Marginal Man」。白と黒を基調としたストイックなデザインをベースに、Marginal ManやMMという文字が縦横無尽に展開される、タイポグラフィが印象的なサイトです。Marginal Manとは「文化の異なる複数の集団それぞれの、境界にいる人。 境界人」。あなたもわたしも社会の境界に生きる個人であり、互いに「共有しえないということを共有していくときにはじめて、私だけではなく、私たちがここにいることに気付くことができます」。クリエイター本人の思考や意思も感じられるサイトです。
8. TBS RADIO PODCAST
ラジオやPodcastってもっと聴きたいものがあるのに、出会えていない感じがしませんか?わたしはします。このTBS RADIO PODCASTページは前向きな気持ち、学びたい、笑いたいなど、気分で聴ける「DIG検索」、バラエティやカルチャーなどの「カテゴリ検索」、パーソナリティー単位で探せる「推し検索」の3つの検索軸があるところが推しです。パーソナリティもタグ一覧で一度に見れるし、個人的に好きなのは、DIG。未知の番組に出会いたい人ならこれですね!コンテンツの整理がすばらしいと思いました。全体を白・黒・グレーのトーンにおさえることで番組サムネイルとのコントラストを出しつつも、聴覚がメインであるラジオ的な、想像力を働かせるデザインだと感じました。
9. ZIZO
VISIONが「ワクワクすることをひとつでも多く!!」で、サイトでこのVISIONを読み終えたあたりで、横から「おすし」が飛んできます。急〜!でもZIZOさんはただのワクワクだけでは終わらせてくれません。たとえば、ページ/コンテンツごとにテイストの違うイラストレーターが起用されていて、TOPはWHOSMiNGさん、CAREERSはmimomさん、SERVICEはWAKICOさん、CULTUREはサトウリョウタロウさん、くじはsanaenvyさんと、総勢5人います!また、2011年から続けられている「ZIZO名刺くじ」は、交換した名刺にあるPWからサイトでくじができる仕組み。これは、サイトへの誘致までが名刺交換だと考えられているのでは…?働き方も魅力的で、なんと賞与の計算式まで公開しています。
10. SAUVENIR
まず、ゆげが出てきて、画面いっぱいが曇って見えなくなっていく…。これ、みたことありますよね。あれですね、銭湯でみたことあるやつ。水蒸気かな?椅子に座ってだらーっとしてる人たち。気づいたらこっちもだらっとした気分になってきます。マウスを動かすと、曇りが取れていくな…。マウスに英語、日本語、中国語で、説明がついてきます。このサイトは、サウナグッズ専業ブランドなんですね。商品ページのユーザーコメントの流れ方、カート画面が洗面器…など、とことん遊んでることが伝わってきてこっちもゆるゆると楽しい気分です。
11. 関西編集保安協会
サイトに訪れたら、突然文字に赤入れが入り、写真の追加変更や、サイズ調整などがされていくというサイト。まず、ここで掴まされます。直感的に「編集に重きを置いている団体」なのだとわかるし、コンテンツがどう編集されていくのかのプロセスの一端が見えてまた面白い。ミッションは「関西に編集者を増やすこと」。首都圏一極集中に対しての「西から」であり、情報発信が加速度的に開かれたことに対しての「編集の価値見直し」である。意図も明快です。働く場所が自由になりつつある現在、このように、文化を通じて地域を活性化させていく動き、もっと増えていってほしいですね。
12. 中西 伶
アーティスト中西伶さんのWebサイト。中西さんの作品をバックに、装飾は一切いらないと言わんばかりにストイックなつくり。アーカイブ性に重きが置かれているのだと思いますが、このストイックさがまた中西さんの世界観を引き立たせているように感じました。開発まわりはKeita Yamadaさんが担当されています。
- 番外編 - UUUMさんも10周年
ローディング中の表現で、思わず手を打ってなるほど、と口にしてスクロールしました。世界のあらゆるひと・ものがイラストになって、UUUMの舞台に詰め込まれている、そんな感覚です。
創業期の写真、周年サイトのHISTORYにあるとぐっときますね。(撮っておかないと…)
おわりです
今回も最後までご覧いただき、まことにありがとうございました。それにしても、あつい。みなさま、くれぐれも、熱中症にはお気をつけください。こまめな水分補給をして、すてきな実績を見て涼しい気持ちになりましょう!
次は、7月の更新です。それでは、また。iDID Magazine編集部でした!
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