うだつの上がらないフリーランスに共通する“病い”の正体
こんにちは、イデトモタカ(@idetomotaka)です。
ぼくは個人事業主を7、8年ほど経たのちに、法人化しました。法人は今年で8期目になります。社員を雇用していた時期もありますが、ほとんど一人親方で、ずっとフリーランスの延長線です。
合計すると15、6年フリーランスとして生きているわけで、周囲も同じような働き方の仲間が増えていきます。そのなかで(昔の自分を含め)、実力はあるのに、いつまでも「うだつの上がらない」人と、人並み以上に賢いとは言えないけれど、とても成功している人とが出てきます。
この差はどこからくるのだろう?
ぼくも、うだつの上がらない期間が長かったので、注意深く観察していました。すると、一つ、重要なポイントが見えてきました。それは「病い」と呼んでもいいかもしれません。
能力は十分なのに、燻(くすぶ)っていて、うだつの上がらない人。そういう人には、実は共通する症状があったのです。それは、
■“うまくいきそうなこと”をする病
結論はシンプルです。
不思議なもので、一見すると賢そうで器用に要領よく仕事をするタイプの人ほど、意外と大成しなかったりします。理由の一つは、「中途半端に賢い」からです。
「中途半端に賢い」がゆえに、「うまくいきそうなこと」がいろいろと目に入り、アンテナに引っかかります。「これをすれば、うまくいきそうだな」という情報に敏感です。そして器用で要領もいいので、手を出します。
でもそれは、(なかなか)うまくいかないのです。うまくいかないどころか、どんどんと負のスパイラルにはまっていきます。
■“やりきる”かどうかが一番の問題
なぜ、「うまくいきそうなことをする」のは駄目なのか。それは、
「うまくいきそうなことをする」モチベーションは、「うまくいきそうだから」に依存しているからです。
そして、
大成するのに、簡単に「うまくいく」ことなんて、ないのです。「うまくいきそうなこと」を「うまくやったように見える」人も、実際には見えない部分でなにをしたのか、外からはわかりません。それを努力と思うのか、楽しいと思うのかは別として。
なにかを始めると、必ず「壁」が出てきます。始める前には、想像だにしていなかった壁です。それを越えられるかどうかで、次のステージに行けるかどうかが決まります。
「うまくいきそうなこと」は、言い換えれば「『壁』がない、もしくは低いように見えること」です。でも現実には、そういうものはそうありません。
だから、「うまくいきそうだから」始めたことに、「壁」が出てきたら、「話が違う」となり、「壁」を越えようとするエネルギーもモチベーションも出てきません。「壁」がなさそうなことが動機だったので、当然です。
するとどうなるか。「『壁』があるんだったら、いいや」とやめるなり諦めるなりします。そういうことを繰り返していて、「うだつが上がる」わけがありませんよね。
でも、そういう人は、たくさんいます。
■うまくいきそうなことをしない
フリーランスで「うだつを上げよう」と肩に力が入ると、どうしても目先の「うまくいきそうなこと」をしそうになります。実際ぼくも、散々そういうことをしてきては、失敗しました。
良くないことに、「うまくいきそうなこと」をして、「思ったよりうまくいかないな」とやめることを繰り返していると、周囲に対してもそういう印象を強めていってしまいます。最悪「またやりきらずにやめるんでしょ」という目で見られてしまいます。
フリーランスは仲間との協業、共創がベースにありますから、こうなってはいっそう大変です。
うまくいきそうかどうかではなく、たとえうまくいく可能性が低くても、やりたいこと、やりきれる自信があることを、しましょう。それが結局、一番の近道になります。
次から次に「うまくいきそうなこと」を移動していくと、深い知識や経験も蓄積されません。一つのことに集中してこそ、プロフェッショナルは磨かれていきます。そういうプロフェッショナルにこそ、大きな報酬は支払われるものです。
■原因とさらなる不幸
ではどうして、「うまくいきそうなこと」をやってしまいたくなるのか。一つには、先に述べたとおり、中途半端に賢いと「うまくいきそうなこと」が見えるから(見えた気になってしまうから)ではないかと思います。
そして、ネットを中心に、なんらかのビジネスへの参入を誘うビジネスは、「誰でも簡単にうまくいく」をウリ文句にするからです。
さらに、SNSなどにより「スマートに稼ぐことへの憧れと幻想」が、高められていることも、原因の一つかもしれません。
問題は、もし仮に「うまくいきそうなこと」でうまくいってしまったとしても、幸せだとは限りません。「うまくいきそう」だから始めたことが、うまくいったのだからいいじゃないかと思うかもしれませんが、それをじゃあ「ずっと続けていくのか?」というと、話が別です。
「うまくいきそうなこと」であって、好きなこと、楽しいこととは限りません。そうすると、お金は稼げるかもしれませんが、好きでもないことをこれからずっとやっていくのかという問題が浮上します。そして、そんなのは、嫌でしょう。
■一部の例外
フリーランスになった、あるいはなろうとしている時点で、メイン領域はある程度決まっているはずです。でも学生や、まだ自分のやりたいこと、どの領域にするかも定まっていない、という場合には、面白そうなことを片っ端からやってみる作戦はオーケーです。
ただその場合でも、目的によって市場規模や業界の状況は多少考慮する必要はあれど、「うまくいきそう」よりやはり「面白そう」や「楽しそう」といった、自分とのつながりを軸に置くことをおすすめしたいと思います。
職業は社会に対する自分の役割であり、貢献の手段です。そして、人生の多くの時間を、費やし関わっていくものです。こころから好きで楽しくて、嬉しくて、誇りに感じられるものでなければ、あまりに残念です。
■ではどうするかの具体案
ぼくの結論は、
です。その「画」に本質的に関係のないことは、回り道です。やっても意味がありません。うまくいこうが、いかなかろうが。
けれどその判断基準を持つためには、自分にとっての「最高の状態」が、なにかしらイメージできている必要があります。でもそれは、想像しろと言われて「わかりました」とすぐにできるものでもありません。まして、経験を経て変わっていくものでもあります。
だからこそ、常日頃から、自分のとっての「最高の状態」とはなにか、それも今の延長線上ではなく、今の自分では夢のたま夢のような、とんでもない理想の状態を、何度も何度も思い描きます。そしてそれを、日常の判断基準に置きます。
「今やろうとしていることは、この『画』に近づくことなのか?」と。
それを繰り返していると、表面的な「うまくいきそうなこと」ではなく、自分がこころから「やりたいこと」だけ見えてくるようになるはずです。
■まとめ
最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。また書きます。
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