#1 始まりは○○作戦 | 元祖発車音 開発秘話 新宿駅の音
TOKYO MORNING 1989 (井出 音 研究所)
「JR新宿駅・渋谷駅の音」の開発を担当することになったきっかけ
今でこそ当たり前に聞かれる発車サウンドですが、そもそも何がきっかけで元祖・発車サウンドである「JR新宿駅・渋谷駅の音」を開発することになったのでしょう?
国鉄が民営化しJRが発足した1987年、「新宿クリーン作戦」という、新宿をパイロット駅にして、サインとかいろいろなものを刷新しようという動きがJRにありました。
新宿駅は、その当時でも百何十万人も乗降者客がいたので、これを一つのパイロット駅にしようということになったようです。
これは予想ですが、民営化したばかりということで、イメージアップと広報の意図もあったのではないかと思います。
「新宿クリーン作戦」を進めるにあたり、各社がアイデアを出すためのオリエンテーションがありました。
その時点ではソフトの方までは入っていなくて、主に放送機器を刷新する目的で、企画を募集していました。
そこに、何社かは定かではないですが、企画書が集まりました。
自分たちのチームは、単純に放送機器だけの企画書ではなく、発車ベルを新しくしたらどうか、とか、ホーム内の音をどうしようとか、オブジェを置こうとか、芸術系も含めた企画書を出しました。
新宿や中央線沿線は文化的な要素があり、そのキーになるのが新宿駅だと考えていました。
だけど、そういった文化的な要素がなんだか薄くなってきちゃっている気がして…、そのようなことも含めて、「新宿ルネッサンス」という企画書を出したような覚えがあります。
我々が提案したようなことを、相手も元々考えていたのか、それともこちらが提案したことを受け止めてくれたのか、今となっては分からないですが、考えがマッチしたという流れで、企画を進めることになりました。
企画提出から採用までの道のりについては、次回の記事でお話しします。
次回のお話