#10 音の2つの勝負どころ その2| 音の建築 -空間にはすでに音がある-
前回は音の二つの勝負どころのうちの一つ目「音が出た瞬間」についてお話しました。
今回は、「音の二つの勝負どころその2」についてお話します。
その2 音に包み込まれる
ずばり、もう一つは「音に包み込まれる」ということです。
例えば、頭の上からはっきり自分に向かう音があると、「怒られている」という感じがしてしまします。そういう音の出し方は、大嫌いです。
しっかり聴く場合は別ですが、空間的なことをやる場合には、どこから出ているか良く分からない、「音に包まれる」っていう空気をつくる、みたいなことがすごく大事です。
包み込まれるにはどうすればいいか
包み込むっていうのは、別の言い方をすると、その空間に音で新たなエネルギー空間を作り出すということ。
キャラクターや色彩感のある空間を、建築空間の中に創り上げるということです。
その為には、まず一番大事なのが、部屋(空間)の形状。それと、床壁天井等の材質。そのことによって、反射面と、吸音面を知り、その反射率、吸音率を知る。
その上で、その空間の全体が均一の音圧になるか、小さい空間が沢山あるような風にするかを決め、スピーカーの選択、取付位置、角度を設計する。
一般的に言って、小さいスピーカーを数多くつけていくか、指向性の広い大中型のスピーカーをつけていくかということになるかと思います。
自分としては、音響的なことに加えて、空間がどんなエネルギー空間になるかという絵をよく描いています。
「ここにきたな」という印象はこうして生まれる
このように、音量やスピーカーの配置を行うことによって、音に包まれるということが出来ていきます。
ただ出しただけ、ただ響いているだけでも難しい。
そうすると、その空間にはいると「ここにきたな」という印象を持つことが出来る。
全体的には、さりげなくやっていくのが特殊技術といってもいいと思います。
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