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5年半無職から再就職した34歳・・・ダメでした。辞めました。備忘録。

前回の記事はこちら

5年半の無職から再起のために営業職として正社員で再就職したのですが・・・辞めました。爆速で辞めました。三ヶ月弱しか持ちませんでした。こんなことになるとは全く思っていませんでした。

なぜこのようなことになってしまったのか。
あれだけ後悔して、再起すると、奮起すると誓ったはずなのに、なぜ短期離職してしまったのか。
割とマジで自分が情けなくなりつつも、「しょうがなかった」と思える面もあり、複雑な心境です。


なにがあったのか

前回の記事で「ヤバいパワハラ人材はいなさそう」と書きましたが、これ最初の1ヵ月間だけでした。

最初の1ヵ月、上司は別の大型プロジェクトの大詰めに関わっており、あまり接触する機会がありませんでした。これが何を意味するかというと、かなりの放置プレーを喰らった状況だったという意味になります。
とはいえ「まあこんなもんか」と思いつつ、おっかなびっくりでメール応対をしたり、同僚の手を煩わせつつ提案書を作って客先に送ったり、商材知識について自習したり・・・などしながら過ごしていました。
また、様子見期間(試用期間ではない。試用期間は3ヵ月設定)ということで上司も非常に柔らかく「好きに動いていいよ^^」と暖かなお言葉を下すっていた状況でもありました。

そして2ヵ月目。様相が変わります。

上司との相性が最悪

「後でレクチャーする」「研修の時間を取る」とのお言葉から、短い時間でフワッとしたお話で終わったり、すっぽかされたり(おそらく「営業職の経歴もあるし、この程度は言わんでもわかってるでしょ」というある種の信頼込み故にこのような形になったのだとは思いますが…)。
1ヵ月と少し経った辺りで「この2ヵ月間見ていたがお前全然自分から動いてないやんけ!一人称の動きをしろ!だらっとするな!シャキッとしろ!見てないと思ったのか!俺は甘くないぞ!」と大声で怒鳴られたり(「一人称の動き」ってどういう意味なんでしょうか?)。
ある仕事について「昼頃にやろう」と言われたものの、忙しそうにしておりアクションもなく、終業時間が近付きこれはおかしいと声を掛けたところ「そっちから声掛けないと俺も動けないだろ!主体的に行動しろ!というか俺がやれと言ったんだからやっとけよ!上司命令やぞ!お前、俺を舐めてるんか!」と大声で怒鳴られたり(「やり方教えるから一緒にやろう」という意味ではなく「取り組んで状況を報告して修正は上司がやる」という意味だったんですね…。これは確かにこちらにも非があるとは思いますが…。ちょっと指示がわかりにくく…)。
商材についての研修も特になかったので、同僚に多大な迷惑を掛けつつえっちらおっちらカタログ片手に提案書を作りつつ、自力で少しづつ覚えていたのですが、ある日別室に呼び出されて「お前、回りから評判良くないぞ!期待してるんやからちゃんとしろ!」と大声で怒鳴られ、そこから商材知識についてドスを効かせた声で根掘り葉掘り間髪入れない質問を投げかけられ、恐怖と緊張で答えに詰まると「全然知識を増やしてないやんけ!自分から飛び込んでない、やる気ないんか!」と更に大声でド詰めを喰らったり
ド詰めを喰らったショックでパニックになり「え?あ?ん?ん?」を連呼するちいかわ的マシーンと化したところ「『ん?』って言うな!!!癖になって客先で出るやろ!やめろ!」と更にバチギレの畳賭けを入れられたり
営業として入社したのに外に出る機会が同行ですらほとんどなく、今後の流れを伺ったところ「中途半端な知識の人間を客先に出せるわけないやろ!そんなんお見通しやぞ!だから外に出してないんや!それで取引がパーになったら責任取れるんか!自覚あるか!」と大声で怒鳴られたり(半分くらいは嘘だと思います。しかし状況的に、自分の仕事が忙しすぎて手が回らないところがあったのは理解できるし、確かに私も受け身の姿勢だったことは否めません)。
「自分から『どこどこ行ってみていいですか?』とか『ここ行ってみたいんですけどどんなお客さんですか?』とか言いに来いよ!お前この会社で何がしたいんや!」と大声で怒鳴られたり(入社前の「役職がないうちはあまり多くを求めない。こちらの指示に従う形で仕事を進めてもらうことになる」という説明はなんだったのか。確かに私も受け身の姿勢だったことは否めませんが、事前の共有を受けての面もあるのでちょっと納得いかない…)。
「お前、もう36歳やろ!残された時間は少ないんやぞ!全力で仕事に取り組んでガッツリ成果出した方が楽しいし人生も輝くやろ!ほんまにわかってる?!頑張れよ!しっかりやれ!」とドスを効かせた大声でありがたいお言葉を頂いたり(灰色の男たちかな?ちな34歳です…)。
「自分で選んで納得して入って来た会社なんやろ?!なんでそんなやる気がないんや!」とバチポコに詰められたり(正直、内定が出た中で比較的条件が良かったというだけで別に入りたくて入った会社ではない…のですがそれは流石に詮無い言い訳だという自覚はあります…)。
マジでチンプンカンプンな中でよくわからないなりに過去資料をトレースする形で体裁を整えて提案書を作り決済を仰いだところ「なんでこの商品を提案した?」と不機嫌そうに聞かれ、「過去資料の形式に沿いつつ、社の定番(と思われる出荷の多い)商品を中心に組んでみました」と答えたところ、怒髪天で「そんなコピペは機械でもできるねん!客のことを考えてストーリーを作るのがお前の仕事やろ!」と猛烈なド詰めを喰らったり(これは確かに一理あるとは思います。その後、歯を砕けそうになるほど食いしばりながら商品選定を行い再決済を仰いだところ「そう!そういことや!やればできるやんけ!最初からやれ!」とお褒めの言葉を頂きました…)。
『(ある商品の)商品情報を改定するので案内を送るために販路をまとめて下さい』とメールで仕事振られ(←本当にこの一行だけの指示で仕事を振られました)、指示がフワッとしていたので直接上司に「つまり○○をする必要があるため、現状の取引がある販路の内、△△の販路を抽出する必要がある、という理解でよろしでしょうか?」と確認を取ったところ、「知るか!どの商品がどんな販路状況かなんて全部正確に把握してるわけないやろ!だからまとめろ言うとるんや!」と大声の爆ギレを喰らったり(結局、意図を推察して必要であろう販路を抽出して「こんな状況です…」と資料を提出して決済を取りましたが、本当に正しく必要な販路が抽出できていたのかは今も不明です)。
よくわからない資料の作成について、上司から「見てやるから一緒にやるぞ」と温かいお言葉を頂き、実際に一緒にやるとあっという間に終わったのですが、その時に「なんも難しいことないやんけ」と舌打ちと共に吐き捨てられたり
私の入社後しばらくして、新しい社員を採用したという共有があった際、「お前より若い女やぞ。そいつに負けたらお前立つ瀬ないぞ。わかってるか?」と釘を刺されたり。
追記:そういえば、仕事場から離れた会議室で電話をしていた上司の、フロア全体に響くほどの怒声が聞こえてきたことがありました。驚きましたね。その声を聞いた別の社員が、溜息をつきながらドアをそっと閉めて(廊下と仕事場を繋ぐドアは常時解放されいる)、少しでも聞こえないようにしていました。もしかしたら、こうした状況は日常茶飯事なのかもしれません。

相性の問題なのかどうにもイライラさせてしまう場面が多かったようです。機嫌が良い時は頼りになるシゴデキ上司という風格なのですが…。兎に角、「お前」呼びと、ドスを効かせた大声の怒鳴り声による詰めと、「期待してるんやぞ」「頑張れ」の追い込むようなエールを毎日喰らって頭がおかしくなりそうになっていました。
まあなんもかんも私が無能なのが悪いのですが!
特に怒鳴られるのが辛かった…。この歳であんなに怒鳴られるとは…
そして自分で思っていた以上に怒鳴られることへの耐性がないことに気付きました。

同僚との相性も最悪

大声で怒鳴ってド詰めしてくる上司にもメンタルを削られましたが、同僚との相性も最悪でした。あからさまに不機嫌を出してくるし、不明点を聞くと100%めんどくさそうにしてくる。アドバイスとダメ出しの区別が付いていない言葉選びも地味にメンタルが削られる(もっとも、10歳近く年上の営業経験者の肩書を持った男性が、新入社員並みのダメダメとなると落胆と嫌悪でそうなってしまうのも当たり前なのかもしれませんが…)
ついでに言うと彼女は上昇志向が強い『仕事に全力人間』。「この会社で上り詰めたい」と意欲を滲ませる。「今は役職に上下はなんですから、そんなに丁寧に私に接する必要はないですよ」とあからさまに今後の上下関係に含みを持たせるありがたいコミュニケーションを取ってくる。
社外販売イベントの手伝いに駆り出された際などは、マネキンスタッフにやる気がないと憤慨。「曜日の関係で人流が少なく商品が動かないのはわかる。でもそこでやる気を出してもらわないと。動かない商品を如何に売るのか、という意識を持たせるにはどうしたらよいか」など宣う。私はつい「いやぁ、1週間の短期契約のマネキンっすよ。売れよが売れなかろが給料は変わらんのですから、意識を問うのはナンセンスでは。ってか当人の努力でカバーできる範囲じゃないですって。ならイベント絞るとか、こちら側で調整するのが課題ちゃいますかね」とマジレスしてしまったのですが、「お金を受け取っている以上はプロの責任感を持ってほしい。そして状況を言い訳にしないのがプロの仕事だと思っている」と全く納得してない様子で…マジかコイツ。
相性最悪。会話するだけでメンタルが削られ続けました。

社風が合わない

上の役職(いわゆる名ばかり管理職)の人たちは皆、休日返上で遅くまでバリバリ働き、いつもしんどそう。「疲れた」と口癖のように言う人もいる。私の直属の上司も、仕事に全力で取り組む姿勢を崩さないながらもどこか疲労感を滲ませていました。
更に(これは内側に入るまで実感できていませんでしたが)『ベンチャーに買収された子会社』という構造になっていたため、就業時間中は時間対効果を常に考えてパンパンにパフォーマンスを詰めなければならない努力が求められる社風。「ゆるっと」や「のんびり」などは許されない雰囲気。残業時間の規制は社員のワークライフバランのためというよりは、人件費管理の意味合いの強さゆえのものでした。それは営利組織である以上、当たり前の話なのでしょうけど…。
さらに親会社からの出向社長もヤバい。初対面で「俺、めっちゃ怖いって聞いてる?」とのお声がけ。歳を聞かれ答えると「結構いってるな」と普通に言う。そして(私の上司含めた)役職付き社員を怒鳴り散らして詰める。上司の私に対する不機嫌&ド詰めはこのストレスが主原因なのでは?
そのくせ給料が低い、ボーナスもない。役職がないと年収400万円を越えない。「役職が付くと跳ね上がる。だから頑張れ」というシステムとのことですが、しかし部長級の役職が付いてもそこまで高給取りというわけではないことが判明。労働強度と給与が見合っていない。休日付与と残業制限をすれば表面上はホワイトに見えるが…。

というわけで「ここで長く働くのは無理」と思った瞬間、体が動かなりました。

老齢社員への敬意の無さ

親会社であるベンチャー企業の管理体制やベンチャー的気風・文化によるものなのか、買収前から在籍する古参組をお荷物扱いして無慈悲に煙たがっていました。「使えねー」「さっさと消えて欲しい」「なにもさせるな」等の陰口を叩く40代の主力層たちと迎合する20代の若手。
入社してすぐの頃、軽く武勇伝マウントの洗礼を入れつつも暖かく迎えてくれた50後半~60代の社員たちが、どこか居心地悪そうにしている理由がすぐに見てきて薄ら寒さを感じました。こんな人間味のない人たちと働くのか…と思うと悲しくなってしまいました。

更に

転職組のベテラン社員から「ここ、長く働く会社じゃないよ。上手くやればそれなりに稼げるけどね。実績作ってさっさと次にステップアップしな」と入社2週間目で言われて激しいショックを受けました。

環境面・体調面、その他の細々した点

●ラジオを掛け続けている職場というのが相性が悪い。雑音で集中力を削がれる質なのでやめてほしいのですが、一人の我儘を通すわけにもいかない。
●配布されたPCと環境の相性が悪いのか、やたらと途切れる共有ネットワークの接続。そのせいで作業効率が悪くなり「仕事遅い感」が出てしまう(設定の変更やプログラムの削除など、様々な対応を取りましたが改善せず…これは流石に納得いかない)。
●5年半に及ぶ無職生活で落ち切った体力。とにかく朝起きるのがつらい。とはいえ遅刻欠勤は一度もしませんしたが。
●加えてこの夏の暑さ。勤務地が駅から遠い立地(徒歩30分)ということもあり体力がバンバン削られる。
●謎の貧血。ヘモグロビン値が低く趣味の献血を2回断られる健康状態に。貧血がメンタルに影響を及ぼしたのか、メンタルが造血に影響を及ぼしたのか、今となっては不明です。
●悪意のないジョークが地味にストレス。職場に30代の男性社員がおらず、上司含めた40代の男性社員が(自分たちを「じいさん」と卑下する流れで)私を「おっさん」と呼んでくる。そりゃ年齢的に若くはないのは事実だけど、連呼されると流石にしんどいっすよ(ちなみに30代の男性社員がいないのは中間層の離職が多いからであるというのは後に判明した事実です)。
●営業部はほとんどのメンバーが転職組。短い在籍期間の間もずっと採用活動が行われていました。過去には大量離職もあったようで…。長い歴史のある企業ということで勘違いしていましたが、こんな内部状況だとは…。

総じて

私のような経歴の人間が潜り込める会社ということは…それ相応の会社、ということなんでしょうね。厳しい現実を突きつけられました。

2~3週間に渡り怒鳴られ続け、同僚との折り合いも悪く、結局何をすればよいのかフワフワのチンプンカンプンのままで無為に社内で時を過ごし、社風も合わず、長期で働くビジョンが見えず、環境・状況も良くなく、体調面も最悪で………
・朝、体が鉛のように重くベッドから起き上がるのが酷く苦痛
・歯を食いしばりすぎて歯茎がジンジン痛い
・1週間前と昨日の記憶の区別が付かなくなる
・特に何もないのに体が震える
・上司を視界入れるのが怖く目が泳ぐ
・同僚にダメ出しを喰らうと胃がキリキリ痛む
・ずっと頭を緊箍児で締め付けられているような感覚
・オナニーする気力も湧かない
などの症状が現れてぽっきりと心が折れました。
典型的な適応障害でしょうか。こんな短期間で心が壊れかけるとは自分でも思っていませんでした。驚きです。

なぜここまで急激にメンタルが悪化したのか?

振り返ってみると、そもそも入社時点からうつに入りかけていたのかもしれ
ません。今までメンタル不調を自覚したことが無かったので気付いていませんでしたが、冷静に当時の不調を見つめ直すと、そうとしか思えません。

根本的な問題として、年齢に比しない経験不足による不安があります。正直に言って、入社前からまともに仕事は出来る自信は全くありませんでした。
なにをやれば「仕事をしている」と言える状態なのか、その具体的なビジョンが私にはわからない。20代のころは言われたことをやっていただけのダメ社員だったので、指示を消化し日々のルーチンワークをこなす以外の労働というものが私にはわからない。これは完全に自業自得なのですがで…やらかした、情けない。
というか、世のワーカー諸君は異職種・異業種転職した際、1ヵ月もせず自分でやることを見つけてサクサク働けるものなのですかね?普通はそんな転職しない?自分のキャリアや技術を考えた上ですぐに役割が嵌る仕事に転職するもの?なら一度転げ落ちた人はもう復帰できないのでは???
あるいは、なんだかんだで普通は馴染めるものなんですか?なら私は本当に救いようのない無能で、もう働ける職場などないことになりますが…。
それとも、どんなに怒鳴られても見下されても詰められても、光明が見えるまで歯を食いしばって耐え続けるものなんですか?私の場合、その前に無能すぎてクビになるルートしか見えないのですが…。

就職活動で嫌な思いをしすぎたのもあります。
あからさまに見下すような態度を取ってくる面接官がいたり、内定を口に出しておきながらペラ紙一枚で不採用通知を送られたり、かなり良い感触で進んだ第一志望企業から「長期就労懸念」という理由で落とされたり、ゴミとしか言いようのない条件の企業からしか内定が出なかったり…。
自分の価値を信じられなくなり、社会から必要とされていないように思えて激しいショックを受けていたのです。実際、就職活動中は不安のあまりベッドで過呼吸になったことが何度かありました。

そして父の死と母の鬱。
客観的に見てかなり取り返しのつかない経歴。
人生の迷子感と不安でスタート時点から脳みそはグチャグチャ。
そんな中でなんとか社会復帰しようとするも、必要以上にビクビクとしてしまい、適切な行動も情報の取捨選択もできない自分。
スモールステップで仕事に慣れようとするも、それを許さない環境。
苦痛としか言いようのない人間関係。
梅雨頃から絶えず締め付けられるような感覚と内部膨張感で回らない頭。

自覚こそ薄かったものの入社時点からかなりメンタル状況が悪く、そして畳みかけるようなストレスの連続で悪化が猛烈に加速した…のだと思います。

短い就労期間でしたが、思い返せばそこまで多くは求められておらず、高いレベルも要求されていなかったのではないかと、今は思えます。
しかし、酷いキャリアで年齢にふさわしい経験もスキルもなく、まともに働ける気がしていない私は、遅れを取り戻すために「何か」をやらなければならないが何から手を付けたらよいのかわからず空回りし、将来的に多くを求めらる環境に恐れ戦いてしまい、混乱の極みに達したのだと思います。

「なにがわからないのかわからない」の一言。

9月頃の日記を見返すと、相当に追い詰められていたことが窺えます。

追い詰められ過ぎてヤバい筆致

朝、鏡を見た時、精神を最も深く病んでいた頃の母そっくりのクシャクシャフェイス(例のピグレットの顔そっくり)になっていることに気付き、「このままだと慣れる前に壊れてしまう」と判断して離脱した次第であります。

自覚なく本当にこの顔になっていた朝

向こう側から見たら私はどう見えていたのか

上にも書きましたが、やはり思い返せば、多くは求められておらず、高いレベルも要求されていなかったのだと思います。
高いレベルを求める前の段階。つまり『シャキッとした態度とメンタルで、積極的にコミュニケーションを取り、陽キャじみて社内と調和し、そして個人レベルの取り組みでよいので自分で自主的に取り組みたいことを上司に提案し、簡単な客先対応やちょっとした商談依頼・商品提案は機会を見つけて片手間にこなす』というような、プレイヤーとして動ける人材であることを証明する動きを求められていたのであって、別に大きな商談をすぐにまとめて価値を示せと言ったり、他部署(この場合は製造部)との連携をすぐさまこなせと言っていたわけではないのです。
しかし私はそれができなかった。

上司から見れば「なんかオドオドしてこちらの顔色を窺って全然話しかけてこず、指示待ちで縮こまっており、しかも『わからない』と言いながら何がわからないのか聞きに来ない。やる気があるように見えない。というか何か出来るように見えない、ただ座っているだけの人間」に見えたでしょう。

同僚から見れば「不必要に丁寧に接してきて、そのくせビクビクしている。年下の自分でもできるのに、かなり年上のくせに少し考えればわかるようなことまでいちいち聞いてくる。ちょっと不機嫌を出して『過去の資料を見てわからないところであれば聞いてもらっていい』と線を引いたら、今度は簡単な資料作成でさえウンウン唸って異様に時間を掛けてなかなか完成させない、仕事が遅い愚鈍。なにがそんなにわからなくて、なにがそんなにつらいのか、本当にわからない。しかも妙に卑屈」というように見えたでしょう。

経験不足によるいかにも仕事できない感、メンタル悪化による混乱状態、【てきぱき】という言葉からは最も遠い動作速度、やる気なさそうでしんどそうな態度、やってる感だけ出そうとするバレバレな挙動、自信なさそうで卑屈な雰囲気、教えてもらって当然感を隠さない身振り、しかめ面、貧乏ゆすり。
はたから見れば気持ち悪かったでしょう。
「こりゃダメだ」「採用失敗した」と思ったでしょうね。
つれぇ。

自分の気質を見直し安定して働くために必要な条件を考えてみる

なかなか辛い経験ではありましたが、実際のところ、本当に全く恨み辛みのような負の感情は抱いていません。むしろ感謝しているのが本音です。
非常に汚い経歴の私を採用してくれたこと、発破を掛ければ使えるようになると信じて経歴など関係なく普通の社員として扱ってくれたこと、この2点は事実であると思います。…大声で怒鳴って詰めるやり方は現代のコンプラ的にどうかと思うところはありますが…。
また自分の気質を見つめ直す機会にもなりました。これは本当に大きい。奇跡的な環境でのらりくらりとやってこれてしまっていたため、今まで気づくことがなかった自分の性質を俯瞰し、「自分でもできそうな仕事」に焦点を合わせることができるようになったので、むしろ良い経験だったとすら言えるのではないかと考えています。普通はこういうの10代でやるんでしょうけどね。私は普通ではない周回遅れの人間なので…。

そんな自分の気質と、自分でもできそうな仕事を考えると、以下のようなハードルが見えてきます。

ひょっとして発達障害?少なくとも結構重めの社不っぽい…

かねてから「その気はあるな」と思っていたADHD・ASD的気質が、今回の経験を経たことで、自分が思っていたよりも深刻なレベルである可能性が浮上しました。

どちらも当てはまる!
過去に5年半働くことができていましたが、その職場が「上司不在の実質的リモートワーク状態。いくらでも好き勝手出来て仕事も単調で簡単」という奇跡的環境だったので長く働けていただけだったと気付きました。
となると、もしかしたら「雇われて組織に属して働く普通のサラリーマン」は私には出来ないのではないか…???

マルチタスクが苦手

元々苦手でしたが、無職期間で更に苦手になったように思えます。
相互に影響を及ぼし合う短期・中期・長期の計画を複数走らせながら仕事をするというのは認知ストレスが高すぎます。長期計画性の元でマイルストーンを設定しながらプロジェクトを進めていくなどできません。目先のことをこなすので精一杯。そこに営業部と製造部との部署間折衝を交えながら進度や受注数を調整するなど不可能としか言えません。もう脳の問題です。
となると、プレイヤーとして求められるシングルタスクをやり続ける以外、無理なのではないか?

休日に仕事のことを考えたくない

仕事とプライベートをはっきりと切り分けないと認知ストレスで頭がおかしくなる。仕事を意識する休日は心も頭も休まらない。
とはいえ、20代前半の多くを求められない働き方ならそれも可能ですが、一般的には役職が付いてマネジメントが求められる立場になってくるとそうも言ってられない現実があるのは理解しています。また年齢と共に任される仕事も重くなってくるので、プレイヤーであっても完全な切り離しはできなくなるでしょう。
しかし、休み中に「今このタスクが残っているので来週はそれを消化しつつ、新たな取り組みの準備を進めて…となる来週の予定はこう組んで…」と気を煩わせたくないのです。
休み中も社用スマホにひっきりなしに入ってくるCcメールを確認して自分も共有しておくべき情報かどうかを振り分けるのが本当にしんどかった…。

職場での人間関係の構築が苦手

前職でも部分的な状況で顔を出していた問題なのですが、「特定の領域に限り、上手いこと人と距離感を作ることができないのでは?」という疑念が強まりました。
過去、私的領域で人間関係に悩むことはありませんでした。
学生時代の部活動などにおける上下関係でもほぼほぼ問題は起きませんでした(どうもヤンチャ系の人と相性が悪いというのはありますが)。
地域のコミュニティ形成はむしろ得意な方です。
学生時代のバイト経験でも、過去の仕事でも、客先との人間関係では「それらしいやりとり」は十分以上にできていました。
しかし、仕事の領域において、組織内の人間との適切な距離感の構築や、コミュニケーション様式の選択がどうも苦手っぽいのです。
職場の人間。つまり、利害関係抜きに腹を割って仲良くなれる友人関係ではなく、かといって相反する敵対関係というわけでもなく、心を砕くべき顧客というわけでもなく。お互いを必要としつつ本質的には隔絶のあるこの微妙な距離感・関係性をどうにも掴み兼ねるのです。どこまで丁寧に接して、どこからフランクに接するべきなのか、その線引きが難しい。そして私は、多くの時間を共に過ごす人間に対して、「所詮は他人」と割り切って表面的な友好関係を維持することが、どうにも気持ち悪く感じてしまうのです。
この問題を根本的に解決するには、「そもそも職場の人間と係わる場面が極限まで少ない仕事」である必要があるのではないか?という結論に至ります。究極的には独立開業・自営業、あるいは専業農家という話になるのでしょうが、しかしそれは、時すでに遅しか、すぐにホップすることはできない業界でありまして…。

その上で満たすべき条件

●この年齢からの参入者が珍しくなく、むしろ若手とすら言える業界
結局のところ、私の不安や自信のなさの源泉は、年齢に比さない経験不足であると言えます。新卒レベルの仕事しかできない、しかし年齢がもうそれを許さない、というハードルがある以上、この問題を解決するには「人生をリセットするつもりで参入する人が多い業界」である必要があるでしょう。
●ある程度(少なくとも前職程度)には稼げる業界
あるいは開き直ってフリーター…という手を提案する人もいるでしょうが、将来性は置いておくにしてもある程度は稼ぎたい。時間を取り戻すことは出来ませんが、口座の預金額は取り戻すことができる。というか、選択肢の確保のためにもとにかく金は必要なわけで…。
●ゴリゴリの肉体労働ではない仕事
体質的な問題もあり体力がなく、疲れやすく、持病の問題もあり重量物の運搬を日常茶飯事とするハードな肉体労働はできない。拘束時間には目を瞑ることは出来るが、肉体負荷には目を瞑れない。立ちっぱなしも無理!

これらの条件を満たせる仕事、あるのか?
あるわけないよなぁ・・・。
・・・いや、少なくとも一つ、思い当たるものがある。

短期離職をかました。しかし生きるためにはお金を稼がなければならない

さて、というわけでせっかく正社員で働き始めた席を速攻でぶん投げてしまったわけですが、無職に逆戻り、というわけではありません。
頭がおかしくなりそうになりながらも、「なぜ自分は今のような心理的状況に陥ってしまっているのか?このような心理的状況にならずに働くにはどうすればよいのか?そもそも自分の気質と合う仕事はどのようなものか?」を考慮して、週末に転職活動を行っておりました。

そして、転職することになりました。
短期離職&転職。
無職離脱から激動の数ヶ月。
こんな人生になるとはなぁ。

先にも「全く負の感情はなく、むしろ良い経験だったと思える」と書きましたが、もう一点の感謝ポイントとして、全くの無職から「雇ってくれ」と門を叩くよりもずっと【信頼】を得やすくなったところがあると思います。
5年以上無職の人間よりも、曲がりなりにも直近で採用の実績があり就労意欲もあると示せている状況は、話を聞く側としても随分と心理的ハードルが下がる要因になったのではないでしょうか。

まあ、ゴリゴリの不人気で、人手不足で、見下されがちが業界なんですが!
もしかしたら無職マンでも普通に採用されたかもしれません。
そういう業界です。

かつての私は選択肢に入れることがなかった業界。
普通に働ける人はまず選択肢に入れることはないであろう業界。
そこに私は飛び込む決意を固めました。

迅速な判断か、早まったか。
熟考の末の現実的な選択か、追い詰められた人間の愚かな逃避か

今は、藁にも縋る思いで飛び込むその業界が、自分に合っていることを祈るばかりであります。

つまり現状をまとめると以下

三流私大理系卒

何も考えず稼げると聞いてセコカンに就職

あまりの激務と怪我で短期離職

活字メディア系企業に営業職で就職、5年ちょい就労

勢いで会社辞めて5年ちょい無職

異業界に営業で再就職

無意味にオドオドしてしまう自分、怒鳴り散らかす上司など。職場環境も社風も合わず病んで耐え切れず3カ月弱で離脱

ただし次は決まっている。ここでダメだともう本当に退路がない。はたして本当にやれるのか、もはや博打… ← いまここ!

どう考えても新卒カードを切り間違えた挙句、理系の大学を卒業したのに営業職でキャリアをスタートさせたのが間違いだったんだよなぁ…。
どうなる! 私の人生!

次の記事は

「どの業界に飛び込んだのか」
「上手くやれたのか・やれているのか」
「業界と労働環境を客観的に評価する」
という内容になります。
次回更新は早くて2カ月後くらいになるかと思います。

はぁ…

追記

3ヵ月弱の短い在籍期間でしたが・・・

研修らしい研修はありませんでしたが、30代の転職だとそんなもんなんですか?

業務指示はほとんどなく、「周りの同僚の仕事を引き継ぎながら覚えてくれ」という感じのOJTだったのですが(当然、常時割り振れる仕事はないので手持無沙汰になりがち)、中小企業だとそんなもんなんですか?

勝手がわからず自分から仕事を見つけるなどできるはずもなく、割り振られる仕事も少ないので手持無沙汰になりがちで、取り組んだとしても暗中模索で牛の歩みな状態の入社1か月半でも、時間当たりの業務量の報告義務があり、報告を出すと「そんなに時間を掛ける仕事はないはずだ。もっとパフォーマンスを意識しろ」と詰められるのは当たり前なんですか?

確立されたマニュアルやフォーマットはなく、ちょこちょこ存在する、各人が自主的に作った書式も形式もバラバラバラな「仕事の進め方指南書(随時更新)」があればありがたい状態というのが、普通の会社なんですか?

毎日怒鳴られまくりだったのですが、その程度は世の企業では珍しくないんですか?

もしそうなら、私はもう普通に働くことなどできないのですが…
よろしければコメントで世の「普通」をお知らせください

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