素人の考古学―山梨県甲斐(甲斐銚子塚古墳など)古墳群巡り
笛吹川左岸の曽根丘陵上の東山(標高340m)一帯と、間門川沖積地に接した山際に分布する東山古墳群には16基の古墳が存在し、県内最大の甲斐銚子塚古墳や丸山塚古墳などある。
1.甲斐銚子塚古墳(国史跡)
全墳長169m、前方部幅68m、高さ8.5m、後円部幅92m、高さ15mの前方後円墳で東日本最大級。4c後半築造。
墳丘は後円部三段、前方部二段築成で、埴輪が立てられ、葺石で覆われ周溝を持つ。
竪穴式石室は後円部の中央西より南北に向き、割石材で持ち寄りに造られている。
出土品は、三角縁神獣鏡など鏡5面、装飾具、武具など。
2.丸山塚古墳(国史跡)
墳長72m、高さ11mの円墳。県内最大の円墳。5c中築造。
二段築成で埴輪・周溝を備える。
墳頂中央部に構築された竪穴式石室の壁面には赤色顔料で円文が描かれていたという。
出土品は、銅鏡、勾玉、石釧、武器等。
3.大丸山古墳
墳長99m、後円部径49m、前方部34mの前方後円墳、4c中に築造。
二段築成。埋葬施設は組合せ式箱式石棺でその上に竪穴式石室を設けた2段構造。
出土品は三角縁神獣鏡や玉類、武具、武器、鉄製農耕具など。
銚子塚古墳、丸山塚などとともに古墳群の中核をなし、本古墳はごく初期の古墳で、ヤマト政権の影響を明確に捉えている古墳であり、支配構造の確立過程を知るうえで重要。
4.経塚古墳
甲府盆地東部の笛吹川支流金川扇状地上に位置し、標高348m。周辺には古墳時代後期から終末期の国分古墳群が分布。
対辺長12.5m、高さ2.2mの八角形墳。7c前半築成。 横穴式石室。
八角形古墳は古墳時代終末期に現れ、天皇陵を中心に全国に10例ほどしかなく中部地方では唯一の八角形古墳。
●甲斐国分寺と国分尼寺跡
国分寺は山梨県笛吹市一宮町国分に位置し、南北300m、東西250mの範囲に七堂伽藍が配置され、金堂跡、講堂跡、中門跡など往時の堂宇の跡が発掘されている。
甲斐国分寺跡の北側500mほどの位置に、甲斐国分尼寺跡があり、その跡地から地下式土抗などが発掘され金堂跡、講堂跡の礎石が現存している。
以上
小兵衛
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