![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148593308/rectangle_large_type_2_6b4705a6cf5540658a2e73c112a0e5ce.png?width=1200)
【連載小説】『お喋りな宝石たち』~竹から生まれし王子様~第五部 第六十六話「お店に来たお客様」
第六十六話「お店に来たお客様」
「リモートで仕事してるし、
うちの会社はそういう所は融通が利くので、
どうしても行かなきゃならない時は連れて行こうと思って」
「だったら私が預かるわよ。
私こう見えても、
親の会社を継ぐ前までは保育士だったから」
「えっ? そうなんですか? 」
瑠璃が驚くと、
「そうよ。私も孫ができたみたいで嬉しいし」
と伍代は笑いながらお茶をすすった。
そしてフォスを見て、
「ママがいない時はばあばと遊ぼう」
と声をかけた。
「ばあば? 」
フォスが嬉しそうに走って来た。
妖精もいるし、
何かあっても問題はないだろう。
瑠璃は伍代と楽しそうに話してる姿に笑顔になった。
――――――――
そして太一たちに報告する前に、
ドッグランで会った女性がお店を訪れた。
丁度瑠璃が留守にしていた時で太一が対応をした。
女性は店に入ると、
「こんにちは。HPを見てきたんですけど、
こちらの女性社員さんにドッグランで教えていただいて」
ドッグラン?
じゃあ、瑠璃ちゃんかな?
「何かお探しのものがありますか? 」
太一が笑顔で聞いた。
「えっと、この石なんですけど、
お写真で見てから気になって、
こちらにも置いてあるという事だったので、
見たくて来たんです。
ペンダントトップで欲しいんですけど」
彼女はそういうとスマホの写真を見せた。
「あぁ、フォスフォシデライトですね。
ありますよ」
太一はそういうとケースから取り出した。
「あら、本当に綺麗。
ピアスもあるんですね。
これも素敵。
お値段も………本当リーズナブル」
女性は驚いて笑うと太一を見た。
「サイズはこれだけですか? 」
「三サイズご用意できます。
金具はゴールドとシルバーとありますけど」
「どうしようかしら………でもこのお色だと、
ゴールドの方が素敵ですね」
彼女はそういって鏡に当てて考えてから、
「これにします。
あとこのピアスも」
と太一に渡した。
「お名前聞くのを忘れてしまったんですけど、
ここの動画を見たら蒼川瑠璃さんと名前があって。
アクセサリー講座を開かれているのを知って、
私も作ろうと思って今練習中なんです。
こんなに色んな天然石があるって知らなくて、
動画を見てたら夢中になってしまって」
女性が笑顔で話した。
「蒼川も喜びますよ。
今日はイベントで忙しくてここにいないんですけど、
伝えておきますね」
「有難うございます。
フォス君にも宜しくと言っておいてもらえますか?
うちの子があれ以来よく話しているので」
フォス君?
太一は首を傾げたが、
「はい、分かりました」
と言った。
いいなと思ったら応援しよう!
![八雲翔](https://assets.st-note.com/poc-image/manual/preset_user_image/production/i04f97ff72d86.jpg?width=600&crop=1:1,smart)