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「広告で航空券を探す」インターネット以前はどのように旅をしていたか?ー1990年代回想①ー
初めて海外に出かけたのは、わたしの場合は1990年代の初めだった。卒業を控えた大学生の「卒業旅行」が流行していたころだ。
広告で航空券を探す
インターネットが普及する以前の1990年代前半、航空券は旅行代理店で買うのが一般的だった。情報は、新聞や雑誌の広告で見つけた。
たとえば「バンコクー成田 8万円~」という広告を見たら、その日のうちに代理店に電話をかけた。
「広告を見たのですが、〇月〇日辺りのバンコク便はありますか?」
予約は公衆電話から
安い航空券は当然人気があるから、広告が出た日には電話がかかりにくい。せっかくつながっても「売り切れ」でがっかりすることもよくあった。
でも、落ち込んでいるひまはない。探すのだ。
旅行代理店の営業時間に合わせて、職場の昼休みに公衆電話ボックスから電話をかけ続けた。
この時期、わたしはいったいのべ何時間を電話ボックスで過ごしたのだろうと思うことがある。お昼ごはんを食べそこなった日も何度かあった。
電話をかけたそうな人の姿を見れば、いったん外に出て順番を譲るか、別の公衆電話を探した。おかげで、職場から徒歩圏内の、静かな場所にある電話ボックスの場所をいくつも覚えていたものだ。
受信は留守番電話とFAXで
当時、携帯電話はあったが高価だったし、仕事で使うひとが中心だった。
代理店から折り返し連絡をもらうときには、職場にかけてもらうわけにもいかないので、自宅の留守番電話にメッセージを吹き込んでもらうか、ファクシミリで送ってもらうかして、翌日こちらから電話をかけ直した。
たとえば、「〇月〇日辺りのバンコク便」で空席があるのはどの航空会社か、という内容だと「調べてから連絡します」という展開になる。少々複雑になやりとりをするには、ファクシミリが便利だった。
そんな調子だから、当時の旅行代理店は、電話が鳴りやまない職場だったはずだ。21世紀になってから、代理店に出向いたときに<わりと静かなんだな>と感じたのは、Eメールでのやりとりが増えたからだろう。
インターネットは、航空券の買い方も変えたのだ。