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名前を残すということ
歴史の勉強をすると
たくさんの偉人の名前を
覚えることになります
どんな凄いことをしたか
あの時代をどれだけ活躍したか
「では それ以外の人は?」
きっと
若くして飛び降りたあの同級生の名前
急な病で倒れたあの担任の名前
自分の先祖たちの名前を
もうほとんどの人が
覚えていない、のかもしれない
虎は死して皮を残し
人は死んで名を残す
といいますが
いったいどれだけの人間が
この世に名前を残すこともなく
消えていってしまうのでしょうか
そして
僕はこれから
どれだけの人の名前を
覚えていられるのでしょうか
人ひとりの人生なんて
まるで夢のように儚い
消えていく人を見ていくたびに
そう思えてなりません
名声にこだわる人も数多くいますが
きっとどれだけ人気を博しても
この世界を離れて
10年すれば 話題にされず
30年すれば 忘れてられて
80年すれば 思い出す人もいなくなります
いつか誰もが忘れられる
そう思うと
少しだけ気楽に生きられるかもしれません
どんな大きな失敗も
どんな盛大な成功も
何もなかったように
忘れられていく
ただ
忘れられても
その人が感じた思いは
芸術や言葉に姿を変えて
作品となって
誰かに引き継がれて
いつまでも残るかもしれません
このnoteが
いつまで続くかはわかりませんが
何十年先まで残るかもしれない
そして、僕と同じように
やるせない気持ちの人がどこかにいて
何かに響いて
今の気持ちを吐露しながら
言葉を紡ぐかもしれない
そんなことを思うと
こんな拙い作品でも
残すことも悪くないなと思います
インターネットは
気軽に巡り合うことができますが
気軽にいなくなってしまうこともよくあります
僕が密かに追っていた
作家様が
最近、この世を旅立ったということを
知りました
頻繁にSNSしない人間なので
気づくのが遅れてしまいました
先生
あなたは最後に
満足した作品を作れたのでしょうか
僕はあなたの作品が好きでした。
結局、一度も伝えることは叶わなかった
僕は
あなたが生きていたことを
また作品を読み返すことで
忘れないでいたい
そう
思ったのです
お疲れ様でした。