『River Billy Cityから』(I&Ⅱ)ー詩ー

Ⅰ.
大事なところを忘れてしまう
癖ではなく生まれつきではなく
ぼくができあがるのがこわいから
大切なところを忘れてしまう
赤がとても似合うわね
とても青がお似合いねと、
どちらかは酷く素敵ではないのに
鏡に映る残像を
決めたくはないと中心からずらし
意識的でもなく約束でもなく
あわさりあうのがこわいから
不自由な身体をことりことりと動かしていく

Ⅱ.
緊急ミュージックが鳴り響く
地上ではなく、この一行上に
ルビふってんじゃねえぜ、ビビってんじゃねえぜ
空白と余白の白黒つけようと
一秒前と後のクロスカウンター、
より早く脳内に拡がる雷鳴が
照らす祖先さまからの道がこの一行
路傍に添えられる花に比喩ぅ比喩ぅとつまらない
つまらない風が歴史という名の山から吹く
柔らかい手と温かい手を握りっこして進む僕らご一行
一番星みつけたと、リズムにあわせて、
そんな歌い方があるかとぼくは驚く

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