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Appleの日記アプリ

 iOS 17.2と同時にリリースされたというAppleの日記アプリ、Journal。これが先日のiPhoneの更新と共に自動的にインストールされているのに気付きゾッとしたという話です。即座にアンインストールしたので機能についてはイントロダクション以外無知です、すみません。
 
 そもそも、ネットワークにつながっているアプリで自分の行動や体調をトラックすること、それによって予測を可能にするということについて、セキュリティ的な懸念と同時に感覚的な気味悪さを感じています。トラッキングについては、note書いててなんやねん、ともなりますが、こうして書いている文章なんていくらでもフィクションが混ぜられるし、肉体のある自分とは距離がある。一方で、行った場所や生理周期、その時々の気分など、自分の体調やメンタルは可能な限り自分の感覚で不調に気付けるようにしたい、その感覚を磨いていておくべきだ、という信念がある。その上で、定期的な健診やちょっとした違和感があった際に早めに専門家の力を借りる形でありたい。専門家へのアクセスをよくする、という意味でのオンラインサービスは大切だし、質や情報管理が担保された形で広がっていってほしいと思う。ただ、歩数はデバイスのものを使っているけれども、被験者登録したわけでも相談しているわけでもなく医療従事者でもないところになぜ自分の心身の状況をシェアしてやらねばならないのか、となるとどうしても納得がいかない。
 
 そして、トラッキングの結果を基に気分に合わせたおすすめの音楽を流してくれる、とかいうのもどうにも苦手です。ターゲティング広告がバーのマスターか占い師の仮面をかぶったようにしか感じない点で広告と違う気味の悪さがある。大量のデータを処理したAIが経験を積んだ人間のふりをしている。どちらもメカニズムとしては同じと見なせるかもしれないけれど、そう見なしてしまうと、なんで日々を生きているのかいよいよ分からなくなるような気がする。という個人的感覚です。

 で、Journalのアプリについて、各種トラッキングもメモアプリも揃えていた中で、なぜ今頃になってAppleが純正の日記アプリをリリースし、デフォルトでインストールさせたのか。ジャーナリングの習慣によって日々を最適化するようなトレンドは最近のことではなかったはず。一方、最近のテックトレンドといえば生成系AIじゃなかったっけ。Chat GPTのリリース以降、AIに懐疑的であった企業も、どこに向かっているのかは不明(競争の先に本当に経済的利益が保証されているのかは懐疑的な見方もある)だが一斉に競争し始めている。その中で、Appleはデバイスを持っているが検索エンジンをもっているわけでもSNSプラットフォームをもっているわけでもない。そこで突如現れた純正日常トラッキングアプリ…

 という思考回路ゆえ、あのアイコン、怪しい光をまとった蝶が突然現れたとしか見えなかったわけです。

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