(個人的)健太トーキョーベストバウト選んでみた
よほどのことが起き、諦める習慣がついていたチームを引き受け、2年目でJ1優勝争い、3年目にはルヴァン杯制覇に導いた長谷川健太監督。
2019年の健太トーキョーは間違いなく歴代最強のFC東京だった。
そんな健太トーキョーでのベストバウトを勝手に選んでみた。
1. 2018年4月25日
明治安田生命J1リーグ第10節
vsサンフレッチェ広島
開幕から8勝1分という圧倒的な成績で首位を快走し、味スタに乗り込んできた広島に対し、勝ち点差9の2位につけていた東京が挑む構図。
5分にディエゴのPK、9分にはショートカウンターから永井のゴール、さらに51分には髙萩のロングスルーパスからディエゴのこの日2点目となるゴールで3-0に。
健太サッカーの代名詞であるファストブレイク
二発で試合を決定づけ60分に失点するも3-1で勝利。
広島に2018シーズン初黒星をつけた。
試合終了間際の太鼓無し手拍子オンリーの
眠らない街は鳥肌ものだった。
2. 2019年4月14日
明治安田生命J1リーグ第7節
vs鹿島アントラーズ
「東京、なんと前半、まだ30分になってないのに3-0です!」by下田さん
年間通して首位を守って最後の1試合まで優勝の可能性を残した2019年の最大火力が出た試合はここだと思ってる。
立ち上がりに左右の揺さぶりから永井のヘッドで先制。この時のゴールライン際でボールを残した髙萩のプレーは健太サッカーを象徴するシーンだった。
2点目は16分、拳人のヘディングパス→建英の浮き球→永井のラストパス→ディエゴール。パス3本でゴールに襲いかかるファストブレイクが炸裂。
続く29分、こぼれ球を拾った建英の浮き球をディエゴが受け、犬飼・町田の2CBを手玉に取ったディエゴのゴールで3点目。パス1本でゴールまで仕留め切った。
後半はペースダウンし、1点を返されたが2点差をキープして試合終了。常勝軍団鹿島からのこの勝利は一生忘れられないものになった。
3. 2019年8月3日
明治安田生命J1リーグ第21節
vsセレッソ大阪
守備の要チャン ヒョンス、攻撃の軸久保建英がチームを離れ、首位を走りながらも、2018年同様失速してしまうのではないかという不安が出始めた中での真夏の快勝。
試合は開始早々のピンチを健太サッカーらしい粘り強い守備で乗り切り前半を0-0で終える締まった展開となった。
試合が動いたのは後半開始早々の47分。
遅攻から東のクロスを永井がヘディングで合わせて先制。先制した後も締まった試合を続け、迎えた68分。"帰ってきた"三田啓貴のFKから森重が合わせて追加点。その後も夏に加入したオ ジェソクらを中心に身体を張った守備を切らさず、後半ATへ。ショートコーナーから三田→髙萩→三田→ジャエルと繋ぎ、最後はディエゴが流し込み。
締まった試合の中で健太サッカー"らしい"ゴールでは無かったものの、それがこの年の強さを象徴していた。難しい展開の中から形関係なく仕留められる勝負強さ、粘り強さがこの年の健太トーキョーにはあった。
それが明確に現れたのがこの試合だったと思う。
4. 2021年1月4日
YBCルヴァンカップFINAL
vs柏レイソル
入れるか迷ったほどに"当然"すぎるこの試合。
試合の内容に関しては言うまでもなくて、かと言ってそれ以外にもあえて言うようなことはなく、ただ健太さんとタイトルを、という一つの願いが叶った最高の瞬間だった、ということに尽きる。
サッカーの試合で泣いたのはこの試合が初めてだったかもしれない。
とにかく苦しかった2020シーズン
ACLのプレーオフにより長く準備が出来なかったプレシーズン、新型コロナウイルスにより練習が出来ない期間が他のチームより長かった中断期間、何度も日程が変更されカタールでの集中開催となったACL、それにより19連戦となったリーグ戦、そして新型コロナウイルスの影響で大幅に延期になり年を跨いだルヴァン杯決勝、本当に本当に苦しかった。選手、スタッフ、サポーターみんな苦しかった。そんな中頑張った東京に関わる全ての人が報われた瞬間だった。
健太さんありがとう。
感謝してもしきれない試合。
5. 2021年10月10日
YBCルヴァンカップ
プライムステージ準決勝2nd leg
vs名古屋グランパス
健太トーキョー最終章。
そんな試合だった。
波に乗り切れず、連勝・連敗を繰り返すシーズンの中で最後まで火が消えなかったのはルヴァンカップ連覇という明確な目標があったからだろう。
グループステージこそ早々に突破を決めたものの、プレーオフ、そして準々決勝では1st legでビハインドを負う苦しい状況を強いられた。
しかし、二度に渡って逆境を跳ね返し、準決勝まで辿り着いた。が、1st legで1-3の敗北を喫し、三度目となる逆境に立たされた。
試合は2点差以上での勝利が絶対条件となる東京が開始早々から"熱量"のこもった2021シーズン"最高"の戦いを繰り広げ、前半15分にアダイウトンのゴールで先制、2戦合計2-3とする。
前半45分間ずっと熱量、強度は落とさず、しかし名古屋も簡単にはゴールを割らせず、1-0のまま後半へ。後半に入っても東京の勢いは落ちず、55分には波状攻撃から髙萩のゴールで追加点。2戦合計3-3とし、アウェイゴールの差でこのまま行けば決勝進出という状況まで持ってきた。
あと40分守れれば、、、そんな想いでサポーターが見守り、一進一退の攻防が続く中、迎えた80分。名古屋の波状攻撃から最後は稲垣。2戦合計3-4とされ、3-3→3-4という数字上は勝ち越しだが、事実上の逆転弾を食らった。
選手は最後まで諦めなかった。サポーターも最後まで諦めなかった。最後の1秒まで戦い抜いた。
健太サッカーの最大の特徴"サボらない"を徹底してやりきった。
マッシモが築いた名古屋の守備は堅く、ラスト10分、その壁を破ることは出来なかった。
ピッチに倒れ込む選手たち、そこからは悔しさと全力を出し切ったこと、の2つが伝わってきた。
やはり最大火力に近いものが出せている時の健太東京は強い。そう感じた試合だった。
それと同時に最大火力が出せる環境を作り続けられないと中々厳しいサッカーでもあるということも感じた。
終わり方がこんな形だとは思ってなかったし、もっと良いお別れがしたかった。
健太さん、ありがとう。大好きです。
またどこかで監督をする機会があったら、
味スタで会いましょう。
絶対に負けません。