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学習分析アドバイザーの設置を!
AIが学校現場に入ってきて、これからAIの活用が盛んになるだろう。子どもの生成AIの使用は年齢制限などにより、まだ一般的になるには時間がかかるかもしれないが。
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さて、多くの学校でドリルソフトが導入されている。そして、そのドリルソフトでは、どの問題が正解か不正解か、解くまでにかかった時間はどのくらいかなどのデータが蓄積されている。
今までは、こうしたデータはテストから教師が一つ一つデータを拾い、エクセルに入力して、関数やマクロを組んでデータ分析をしていた。しかし、そんな事ができる先生はほんの一部で、多くの先生方がテストを見ながら、長年の経験で全体的な傾向を把握し、それを授業に活かしていくというのが一般的であった。ましては、個々の児童生徒の細かいデータを分析して、子どもの学習に当たるというのは、小さな学校では可能であろうが、何クラスもある学校では現実的に不可能であった。小学校でも、全教科にわたってそれを行うのはかなり難しいだろう。
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しかし、ドリルソフトを利用すれば、まだ思考判断の問題は課題を残すが、知識などに関してはかなりの分析が可能である。学級全体の傾向や個々の児童生徒がどの問題でつまずいているのか、ドリルの結果をみれば、視覚的に確認できる。
でも、これも少人数の学級や学校では可能だが、大人数の学校では、その分析を行う時間がないというのが実際のところだ。まさにブラックの職場環境が、いちばん大事な授業に時間をあてれないという状況になっている。
せっかく、パソコン上では様々なデータが出来上がっているのに、それが生かされていない。それをどうにかしないと絵に描いた餅になってしまう。AIは間違った問題に対して違った問題を提示するなど、少しずつ改良は行われているが、データを分析しながら個々のアドバイスを作成してくれるまでの機能はまだほとんどない。まだ、教師等のデータ分析力が必要である。
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そこで、そうしたデータを的確に分析し、先生方にアドバイスする学習分析アドバイザーなるものが、学校によっては必要になるのではないかと思うようになった。もしかしたら、その役割をICT]支援員が担うようになるのかもしれないが、そのためにはICT]支援員に学習分析の研修が必要になってくるであろうが。
せっかくドリルソフトでデータが集まっても、そのデータを分析し活かす人間がいないと、そのデータは無駄になってしまう。
今学校で起こりつつある課題の一つは様々なデータはあるのに、それを活かしきれていないという問題である。これは、授業のみならず、学校経営、学級経営にも言えるだろうが。
学校で大事な目標の一つは、子どもの学力をしっかりつけていくことである。そのためには、せっかく導入されているドリルソフトのデータをきちんと活かしていくこと。そのために、学校によっては学習分析アドバイザーなるものが、そのデータを分析して、先生方に伝えていくことで、個々に応じた、そして学級全体をボトムアップしていく学びが創造できるのではないかと考える。
今回は今の学校現場をみながら、ICT支援員として気づいたことを書いてみた。