ICT支援員のジレンマ
新学期が始まって一か月少し、年度当初の設定等が終わってこれから授業支援に向かうはずが・・・。
最近よく聞かれるようになったのが、授業に支援に入る回数が前からいうと減ったよねっていうICT支援員同士の話題。
確かにまだこの時期は授業が始まって間もないし、連休明けでこれから授業も本格的に工夫した授業を行ったりという時期に入っていくんだろうけど、なんかお声のかかる割合が減った。
それにはどうも二つの要因があるらしい。
1つは2年間、GIGAという大合唱のもと、学校全体が動かざるをえなかったこと。そのために、ほとんど触れたことのなかったタブレットやそのアプリの操作にはICT支援員の支援がどうしても必要で常にお声がかかる状態であったのだが、その2年間の中で先生方のスキル、子どもたちのスキルも上がり、ICT支援員の支援がなくともなんとなく自分たちでタブレットを使った授業が成立するようになったこと。これはICT支援員にとってうれしい反面、まだまだ自分たちを頼りにしてよという思いもある。
もう一つは、2年間やってきてそこそこ活用でき始めたんだけど、これ以上の実践はやっぱり難しい。特別活動や総合的な学習の時間での活用はなんとなくわかってきたけど、いざ教科の中でどう使うかがわからない。でも、教科のことをICT支援員に聞いてもそれは無理だろう。ICT支援員と教科の授業をどう組み立てるかなんて話し合う時間もないし、タブレットは特別活動や総合的な学習の時間で使えば十分だし、それで子どもたちのICTスキルもそこそこ育っていくだろうし。だから教科は従来のやり方の方がやりやすいし、それで子どもたちの学力もついていけば、あえてタブレットを教科に持ち込む必要もないんじゃないか。まあ、特別な単元の場合はタブレットの利用もあるかもしれないが、日々教科で使うことはないので、ICT支援員に授業に来てもらうほどのこともないし。
といった具合で、特別活動や総合的な学習の時間での活用はまあまあ自分たちででき、そこで子どもたちのICTスキルは身に着けさせることができるし、教科はまあ従来通りで何とか学力確保できるしということになれば、ICT支援員は機器のトラブルがあった時に必要な人材であって、日々の授業に必要な存在ではなくなりつつある。
ICT支援員はこれからどこへ向かうのか。どれだけ教科の活用についてアドバイスができるのか。授業に入っていきたくとも入っていけないこのジレンマは今後も続きそうだ(続く)。