言葉の使い分けって難しい、けど面白い
先日、和語漢語外来語の授業をしました。
そこで私自身、言葉の使い分けについて大変良い勉強になりましたので、気づいたことなどを書こうと思います。
和語・漢語・外来語とは
簡単に和語・漢語・外来語についてご紹介します。
和語は日本古来から使われている言葉で、特徴としては漢字は訓読み、ひらがなや送りがなが使われています。
文章で和語を使うと言い方の都合上、長くなりがちになります。
漢語は、中国から伝来した言葉で、特徴として漢字は音読み、主に熟語で構成されています。
熟語なので和語より言葉は短いですが、意味が伝わりにくい傾向にあります。
外来語は近代になって日本に入ってきている言葉で、特徴としてはカタカナ表記です。
今でもたくさんの言葉が輸入されており、時には日本独特の言い回しになって生まれた外来語もあります。
カタカナなので簡単に使えそうですが、そもそもの意味が理解できていない事が多く、双方でニュアンスが正しく伝わっていない危険性もあります。
学習活動と子どもたちの感想
授業では和語漢語外来語の言葉を探す活動と、それぞれを組み入れて文章にする活動をしました。
すると言葉探しの活動では外来語がダントツ多かったのに対し、和語漢語が出てこない(どちらか見分けにくい)、文章を作る活動では和語漢語は使えているのに外来語が使えないというとても興味深い結果になりました。
子どもたちの振り返りを見ても「和語と漢語の見分け方ができなかった」「文章では外来語が使いにくかった」という意見が多く見られ、それぞれの特徴を捉えたからこそ、その難しさにも直面したと受け止めています。
外来語を気軽に使っているけれど
たくさんの振り返り意見の中で私が気になったのが「外来語が使いにくい」点です。
ニュースやネットでもそうですが、私達の周りにはカタカナ言葉が結構溢れています。
ソーシャルディスタンスもコロナ流行によって一般化された外来語ですね。
でも、よくよく考えると私達は本当の意味をちゃんと理解していないで使っているようにも思えます。
ソーシャルディスタンスを和語で言うなら「人との距離を取る」
漢語で言うなら「社会的距離」となります。
なるほど、和語だと意味は通じやすいですが言葉が長くなりがちと説明しましたが、まさにそのとおりですね。
そして漢語だと短くはなるけれど、意味が伝わりにくい気がします。
そうなると、「ソーシャルディスタンス」と言ってしまったほうが人々には通じやすいとなり、メディアを通じて広まったのだと考えられますね。
本来の意味が理解できないままに・・。
ついついカタカナ言葉を簡単に使ってしまっている点、ちょっと反省したいところです。
伝わりやすさ、分かりやすさが大事
授業を通して私なりに出した和語・漢語・外来語を上手に使いこなす結論はこちらです。
一番大事なのは、誰でも理解できる文章や言葉にする。
そのためには、和語漢語外来語それぞれに存在する言葉の意味を理解する。
そして読み手や聞き手の知識量などを加味して言葉を選ぶ
つまり
不特定多数の読み手の存在と、それに対して伝わりやすく、分かりやすい言葉を選ぶ必要があると言えるでしょう。
もし使った言葉が一般的でないなら、注釈を入れるなどして読み手や利き手に配慮するのも大事でしょう。
独りよがりな文章ではなく、相手の立場に立った文章や会話を心がけたいものです。
まとめ
和語・漢語・外来語。本当に奥の深い言葉たちだなと感じました。
普段何気なく使っているけれど、意識することで言葉たちの役割と特徴、そして使う上での注意点を確認できました。
この授業をきっかけに少し日本語の使い方を見直し、正しい言葉で伝えてみみたいですね。
例として挙げたソーシャルディスタンスが本来の「人との距離を取る」とは少し意味合いが違っている点について、富田林市のホームページでは言い方を変えようという行動も起きているようですが、果たして・・