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今、あなたが何もしなかったらどうなるか、そのリスクを考えてください①

Microsoft 主催の「JAPAN EDU DAY 休校期間を経て本質的な学びに立ち戻るために、学校現場のリーダーと先生方ができること(第1回)」に登壇しました。途中、画面が固まったり音声が乱れたり、といったこともあったようなので、自分の講演の部分だけ、要約をここに書いておきます。

東京学芸大学附属小金井小学校の今

まずは、小金井小の状況から。休校前はこのような感じでした。

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環境はダメダメなのですが、教員のレベルは高いので「環境を何とかしてあげられれば...」とずっと思っていました。そこへコロナウィルスが直撃したわけです。

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2月から3月の状況は全国の多くの学校と同じでした。正直、学校としては何もできなかったですね。

でも、「4月もそれじゃまずいだろう」という話はずいぶん前の時点から出ていて、「とにかく必要なのは児童一人に一つのアカウント」と考え、大学にOffice365A1アカウントの発行をお願いしました。ICTセンターは頑張ってくれたのですが、学内の手続き等々の関係で「間に合わない!」とわかったのが4月2日。そこから大急ぎでアカウントを作成し、3日の職員会議で提案、6日午前の始業式で児童向けのマニュアルを配布して、午後に教員向け研修会を実施して運用開始という突貫工事でした。

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それが今はこの状況。各学級、工夫をこらしてTeamsを活用しています。

教員研修で先生方に伝えたことは、大きくは3つあります。

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休校期間中、学校と家庭の間をつなぐのはフェアキャストだけでした。一方通行だったフェアキャストでの連絡から、Teamsで双方向のやりとりができるようになりますよ、ということが伝えたことの一つ目。

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2つ目は、Teamsにアクセスできない家庭もあるだろうから、フェアキャストでしか情報を受け取れない家庭と、学習内容に差が出ないようにしよう、ということをお伝えしました。ただし、「学習内容は同じであるにしても、そのプロセスや成果は当然、違ってきますよ。と言うか、違わないと使う意味ないですよ。」ということも伝えました。

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わからなかったら教え合いましょう。狙っていることがTeamsでできないならアイディアを出し合いましょう。でも、「使わない」という選択肢は我々にはありませんよ。これが伝えたことの3番目でした。

こんな教員研修でも進めてしまう先生方は凄いな、と感じていますが、本校のTeams活用が進んでいったのにはいくつかの戦略と幸運が重なった結果かな、と思います。

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「とにかくスモールステップで無理せずやりましょう」というところから始めたのは正解だったかな、と思います。「テキストで課題を伝える。児童はそれを見たら『いいね』を押す。」あたりから始める。それくらいでスタートするというのがいいのでしょう。

それでも児童と繋がった実感を得られた先生方のやる気はアップしていきましたし、教科教育の専門家集団ならではの活用が進んでいったのはさすがだな、と感じています。

運用を始めると色々な問題が起こるわけですが、それを少しずつ修正していたったのも安定運用に繋がっていきました。その管理を私が行ったのですが、これ、本来は大学のICTセンターにお任せする仕事だったわけです。それを一教員がやることはなかなかきついものがありますが、バックには日本マイクロソフトのサポートチームがついてくれています。これは本当に助かりますね。

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Teams運用上、色々と本校仕様にカスタマイズしていくわけですが、この辺りのノウハウは各校それぞれだと思います。MSで取りまとめておくといいかもしれないですね。

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これはA1アカウント取るなら覚悟しておいた方がいいことでもあります。やっぱり管理サポートはそれなりに大変です。時間を取られるとか何とかより、トラブルを解決できなかった時の無力感に耐えていかねばならないのは辛いですよ。

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ここが一番物議をかもすところかもしれません。

「Office365のA1アカウントを取りましょう!」と言ったら、色々な理由をつけて反対されると思います。まとめて言うと「リスクがある」と言われるわけですが、そう言われたら、こう返してください。

「今、何もしなかったらどうなるか、そのリスクを考えてください。」

世界中の学校が休校になって、多くの国でオンライン教育が行われています。それなのに日本の子だけ何もしないんですか? ここで十分に学べなかった子が将来被る不利益のことを考えていますか? 日本の子どもだけが学べていなかったら日本はどんどん遅れますよ?

そんなことを訴えましょう、と思っていたら数日前にものすごいのが文科省から出ました。

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これが出たからには「文科省から通知が出ていますよ。従わなくていいんですか?『あらゆる工夫をすること』って書いてありますよ?」と言いましょう。さすがに無視はできないでしょう。

ここまで材料が揃ったのです。現場で第一線に立たれている先生方も止まっているわけにはいきません。

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「言い訳を探して何もしない」ことが許される時代は過ぎました。それでも動きませんか? 今は多くの企業が色々なサポートをしていますよ。例えばマイクロソフトも。

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ですから考えて欲しいのです。

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(続く)

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